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エンチャンターのススメ  作者: 雨音響
1章:始まりの街『アクアステルラ』
13/13

session13:日常

1週間ほど間が空いてしまいました。申し訳ない……。

世の中ではインフルエンザが流行っているそうです。皆様も体調には気を付けて、違和感を感じたらすぐ病院へ! お待ちしております。

クラウンと名付けられた妖精猫は暫くの間、「ニャフフニャァ~」

と鳴いていた。時々、僕の僕だけの名前……とブツブツ言っているのが聞こえていたが。


まぁ、たぶん……気のせいだろう。うん。


一息ついた後、リアルの時間を確認してみると、18時に差し迫る頃となっていた為、少し悩んでから声をかける。

「クラウン。私一回ね、落ちようと思うんだけど」

それまで、若干気持ち悪く感じる位に微笑んでいたクラウンがその表情をピシッと強張らせる。


「あ、主さミャ?今ニャんて?」

確認する様に言うので、もう一度……今度はわかりやすく言う。


「ん、一回ねこの世界から、落ちようと思うの。そろそろご飯も食べないといけないし……」


そういうなり、「そんにゃ、殺生ニャ!」と言いながら此方を見つめる。

涙を溜めてウルウルと。

……うっ、ちょっと罪悪感を感じる。


「でも、ほら……ご飯とか食べて来ないと」

と、告げると納得したのか……

「それニャら仕方ニャい……」

と語気を弱めて、返答した。


「ごめんね……なるべく早く戻るからね」

その一言だけで、クラウンはテンションを戻して

尻尾を水平に立てて「待ってるニャ!」と喉を鳴らすのだった。


――メニュー:ログアウト。

ボタンを押して、ゲームを終了する。


また、視界が暗転し……ちょっとした浮遊感を味わう。

そして、瞼に光を感じ……目を開けると現実リアルに戻ってきていた。

初めての、ログインだったからだろうか。

妙に、ふわふわした感覚に戸惑いながら、ベッドから体を起こすが……。

きちんと地に足がついた感覚が無く、ふらついてしまう。

「……あれ?」

おかしいな。

その言葉を発する前に、ベッドに私は体を倒していた。

次第に、気分が悪くなってくる。

頭が、ぐらぐらとぐらついているような……

「うー……、これがも、もしかして俗にいうVR酔いってやつですか」


そうとしか、考えられない様な症状に大人しく、目を瞑る。

「早く治まらないかなぁ……」

空に浮いているような、何とも言えない感覚と気分の悪さに襲われながら。

そう、ぽつりと溢した。


……


それから数十分してようやく、いつもの調子に戻った私は、タイミングよく鳴ったお腹をさすり……

赤面しながら、リビングへと向かう。


父と母も2人ともまだ帰ってきていない様だったので、簡単に何か作ろうと思い、冷蔵庫の中身を見る……。

「うわぁ……なんも、ないや」


そう、案の定ほぼ、何もなかった。

どうしようかなぁ……。

ご飯は、いつもの様に母親が仕事へと行く前に炊いて行ったようで用意されている。

……ありあわせのもので済ませるしかないか。


冷蔵庫の中に入っていた、野菜や卵を軽く炒め、野菜炒め風の物を作って夜ご飯を済ませた。

……勿論、私だけではなく父親や母親の為に多めに作って残ったものにはラップをしておくことも忘れずに。


それから、お部屋に戻った私は少しだけ思案して……

先ほど戦った、ゴブドック(★)の★マークに付いて考えていた。


(あれは、いったい何のマークだったんだろう?)

PCは起動しっぱなしであった為、そのままネットの海を漂い探し始める。


「これ……じゃない。ここでもない」

検索をしては開き、戻りを繰り返す。


それを何度も繰り返している内に応えにたどり着く。


『時折、フィールドのモンスターについている、★マークはレア種を指す』の一文。


……あまり、見かけないがフィールドには一定の確率で★マークを指すレア種が居る。

普通のモンスターより、能力が高く……強いが、その分経験値やお金。

レアなアイテムを落とす確率が、通常のモンスターより高く設定されている。

らしい……。


なるほど。

だから、あのゴブドックは周りのモンスターに比べると強かったのか。

――納得。


そうして、調べ物を終えた私は、【GTO】の世界へと再ログインした。

ログインと同時に、≪召喚術≫を行使……。

妖精猫ケット・シー≫のクラウンを呼ぶ。


「お帰りニャ、主」

優雅な一礼と共に、クラウンが現れる。

「この後はどうするニャ?」


……そう言われてしばらく思案する。

(そういえば、さっきの戦闘を終えて戻ってきた後の戦況確認もしてないんだっけ?)


そう……あの戦闘の後、私たちは一目散に撤退。

この『アクアステルラ』に戻ってきた為、Lvやスキルの状況を確認していなかった。


「うーん、フィールドにも出たいけど……とりあえずは、状況確認かな」

そう、クラウンに告げステータス画面を開く。


「オープン」

メニューから、キャラクター情報を選択……。

今現在の私の状態を確認していく。


【キャラ名:ルナ】 

Hp『600』

Mp『250』

Lv4

Str 10

Int 12

Def 10

Mdf 10

Dex 10

Agi 10


残り振り分けポイント:4


――アクティブスキル――

≪支援術:Lv5≫≪付術:Lv5≫≪回復魔法:Lv3≫≪召喚術:Lv1≫≪杖術:Lv1≫


――パッシブスキル――

≪魔法才能:Lv3≫≪魔力:Lv3≫≪魔力流用:Lv3≫≪詠唱速度上昇:Lv3≫


となっていた。


(えーと、確かスキルレベルは、20ぐらいまでは初期ブーストがかかるんだっけ……?)

それにしては、上がりすぎなような……。

まぁ、思いすぎなんだろうか……。


中には、すごくレベルが上がりにくいスキルもあるっていうし……。

その中では、上がりやすい部類のスキルだったのかな……。

ひとまずそう思う事にした。


確認が一通り終わったところで、クラウンに声をかける。

「確認終わったよ。これからソロでフィールドに出てみよう。頑張ってくれるよね?」


そう問いかけると、クラウンは笑い答える。

「そんニャの……当然ニャ!」


こうして……本日2度目の狩りが幕を開ける。

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