Session11:妖精猫
すいません、急ぎ一話……。
召喚されたのはケット・シーでした。
名前は次回
「え……か、可愛い!! 」
それが、私の『召喚獣』を見た後の第一声だった。
不本意そうに私の方を見ながら、そのブチ猫は言う。
「主さミャ……ここは、かっこいい!って褒める所ニャ……」
わかってニャいニャ~とため息をついていた。
……
「そういえば、貴方のお名前は?」
そう、尋ねる。
「ニャまえニャ……そんニャものニャい……しいて言うニャら『妖精猫』だニャ」
ドヤァといった顔を浮かべる。
「……あれ?そうなの??」
そういうと。
「そうニャのニャ、だから主さミャがつけてくれると嬉しいニャ……!」
でも、まずはあのデカ物を片付けてからだニャ
そう言い、『妖精猫』は駆け始める。
「……オープン!レイピニャ!! 」
声と共に、右手に柄に肉球をあしらった細剣が現れる。
「≪猫魔術≫アップサイド」
(猫……魔術?)
そんな、安直なと思いつつ
今は、妖精猫の援護もしないと……と
支援術の詠唱を始める
「支援術……アタック!スピード!付加術、エンハンスソード」
その補助効果がかかった、妖精猫はジャンプし一回転しながらこちらを向き……
微笑みながら「ありがとニャ」と言い、着地。
失速しないまま、その足をゴブドックに向けて進める。
「ニャニャっと終わらせるニャ……」
風を切るスピードでゴブドックの足元に潜り込んだ妖精猫はそう言い剣を振るう。
「≪猫剣技≫……隠し爪!! 」
細剣を突き立てる様にゴブドックの足に3度刺す。
刺し終えた後、数秒経つと……ゴブドックは異様な声で叫び始める。
何処か怯え、痛みをを含んだ、声に変ってきているような気がする。
「……浅かったかニャ。でも、まずは成功ニャ……」
妖精猫は愉快そうに笑う。
(どうゆう事?何をしたの……?)
不思議そうに思っていると、妖精猫は笑いながら言う。
「猫の牙には……爪には毒があるのニャ……! ニャんてニャ」
言われてゴブドックを見ると……HPの表示されている上に確かに、毒の状態異常を示すマーカーがついていた。
何をしたのかわからないけど……。
とりあえずは、ゴブドックに状態異常を与えたらしい。
「ルクス、レーヴこのまま押し切ろう!! 」
絶対に、勝てる。
ゴブドックの残り5割を切ったHPを見て、確信する。
レーヴとルクスもそう思っている様で、小さく頷いた後攻撃に移る。
「へ……さっさと倒れろよ! 」
私が起きた後、ゴブドックへと斬り込みをかけていたレーヴもスキルを混ぜながら攻勢に転じている。
その様子を見て入れ替わるように、ルクスは後退。
安全圏まで、足を下げて魔法で援護している様だ
「目が見えてないとはいえ、油断しないで!スライサー!」
「おう、任せろって」
息の合った、やり取りと共に、踊るように攻撃を繰り出す。
そこに、縦横無尽に動き回る妖精猫が細剣を振りながらゴブドックに着実とダメージを与えていく。
残りのHPが3割となった頃になると、周囲の様子が急に一変する。
それまで、されるがままになっていた、ゴブドックが一際大きな声をあげ……両手を周囲に振りかざす
「おわっと……」
レーブは何とか回避したようだ。
妖精猫は……?
姿を探すと、ゴブドックの頭の上に座していた。
「あぶないニャァ……。君を倒さニャいと、ほらニャまえがつけてもらえニャいじゃニャいか……」
最後の抵抗とばかりに攻撃してきた、ゴブドックに不服の意を告げている様だった。
「いや……、うん大丈夫。名前考えておくよ……」
そう、告げると。ニャァ!と嬉しそうに笑い。
じゃぁニャおさら、早く倒さニャいと……と張り切っている様だった。
「そろそろ、効果が切れるかな……?レーヴ!支援術アタック!スピード!付加術!エンハンスソード」
「おう、ありがとな! あともう少しなんだ……さっさと倒れろ!」
勢いを乗せた斬撃をゴブドックに与える。
「おぉ、やるニャ……レーヴといったかニャ?後で誉めてやるニャ」
そう強気に話している。
「はっ、いってろ!」
挑発と捉えたのか……レーヴは闘志を燃やし先ほどよりも激しく攻撃を加え始める。
「ルクスにも!支援術、マインド……付加術、アンプマジック」
いつの間にか、増えていた付加術を加えて行使する。
(きっとレベルが上がってるってことだね、あとで確認しなきゃ)
今すぐ確認したい気持ちを抑えて、妖精猫にも支援術をかける
「支援術、アタック、スピード!付加術……エンハンスソード」
2人とも攻撃の手は緩めないまま、ありがとう!と声をあげる。
「あともう一歩……私もいくよ!スライサー!」
風魔法を行使し、むちゃくちゃに辺りへと両手を振り回すゴブドックへと攻撃を仕掛ける。
あともうひと押し……!
ただ、焦らずゴブドックの攻撃は大ぶりなため、予備動作を観察、回避しながら削っていく……。
残り2割!
先ほどより、ゴブドックの攻撃が激しくなっていく。
だが、攻撃は当たらない。
残り1割!
先ほどよりも、攻撃に勢いがなくなっている。
回避も十分間に合う。
最早、蹂躙に近い状態だった。
「毒も効いてるからニャ……楽だったニャァ」
そう、いい妖精猫はゴブドックに背を向けた。
そしてニヤッと笑うのと同時……。
ゴブドックはその身を……地に倒した。
そして、光のエフェクトとなり……経験値へと姿を変えた。
爪をといただ後の様に、妖精猫は爪を舐めそして一言。
「主さミャ……ニャまえ、つけてくれるんだニャ?」
と、笑うのだった。




