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エンチャンターのススメ  作者: 雨音響
1章:始まりの街『アクアステルラ』
10/13

Session10:強射

遅刻です……。

すいません、本日より手が離せず金曜、日曜の更新難しそうです。

また、できなさそうでしたら活動報告にて報告させていただきます。

レーヴは周囲のモンスターを切払いながら、走る。

「ルクスそっちは平気なのか?」

ルクスのことを気遣いながら。


「んー?ちょっと厳しいかなぁ。でも大丈夫きっと」

私が吹き飛ばされたということは、ルクスの近くにあのモンスターが居るということだが、不思議とルクスは落ち着いていた。


「とりあえず、ルナさんの回復を優先して? 私がここで止めないと」

……ルナさんの元に行っちゃうから。


その言葉は、口に出さず風魔法を行使する。

モンスターの足元に向けて。


何もできない歯がゆさを感じながら……ふと別の事が気になる。

そういえば、あのモンスターの名前はなんていうんだろう?……と

ふと視線を向けると「ゴブドック(★)」と表示されていた。


(……★? 何の意味があるんだろう?)

気にはなるが、些細な事かなぁ……と思いつつ、またルクスへと視線を移す。


ルクスは、体制を崩したゴブドックに向けて弓をまっすぐと構え、矢をつがえる。


「普通に射てダメな気がするから、邪道で行くよ」

ふぅ……と深呼吸。目を閉じて心を落ち着かせているようだ。


「まずは……左」

目を開き、静かに矢を射る。

その矢は、吸い込まれるようにゴブドックの左の眼を射抜く。


「グガァァァァァァ」

周囲に響き渡る、轟音。

人と獣の声が混じったような、気色の悪い声がこだまする。


「これでしばらくは平気……かな」

気を少しだけ緩めながら……でも手には弓を、矢をつがえたまま、レーヴを見る。

「レーヴ、まだぁ?」


「今着いた!」

レーヴはポーチの中から液体を取り出し私にかける。

「一応買っといてよかったな。HPポーション」


危険域レッドゾーンに染まっていた、私のHPが5割まで戻ってくる。

「もう一本いっとくか……」

そういってレーヴは2本目のHPポーションをかける。

それで、9割ぐらいHPは回復した。


「あとは、状態異常だけど……時間経過か……なら守り抜くしかねぇよなぁ!」

なぜかレーヴは笑っていた。

「ルクス!加勢はいるか!? 」

声音的には挑発するように、ルクスに尋ねる。


「んーん。また誤射しそうだし……私一人で(・・・・)やるよ」

ルクスは笑いながら、言う。


「あのモンスターはもう、詰んでるからね」

そういって、ゴブドックに目を戻す。


ゴブドックは目を射られた影響なのか……

いまだに叫び続けている。

「ほらね……これなら私一人で大丈夫。それより、この叫び声でモンスターが集まってきそうだから、そっちをよろしくね?」


「ったく……無理と思ったら交代な。それまでは、頑張れ」

腕を組んでルクスを見守る。


「さぁ、じゃぁ次は右だね。もらうよ!」

何処か悪戯めいた笑顔を浮かべて、矢を射る。


その矢も吸い込まれるようにゴブドックの右目に命中し、ゴブドックの両目から光を奪う事に成功する。


その様子を見てどこか満足そうな表情を浮かべるルクス。

だけど、溢す言葉は「いつも、これができたらなぁ……」

と、ため息交じりだった。


「やらなきゃ!ってなったルクスはやっぱ強いなぁ……」

そう溢すレーヴの眼は何処か、羨望を含んでいる様だった。


それでも、油断せずにルクスは矢を射り敵の自由を削ごうとする。

……矢を弓につがえるため、アイテムを出現させようとして……残弾がないことに気づく。


「……あー、やっぱりたりなかったね。じゃぁ!」

魔法を使おうと風魔法を選んでスライサーを発動する。

ゴブドックのHPを確実に減らしているはずだが、多くのHPがあるのか。

通常の敵ではないのか、中々その体を地面に倒すことは無く、目を抑え叫び続ける。


痛みから、叫んでいるんだろうと判断していたルクスは、辺りの状況に気づかない。

レーヴもまた、私の元を動けない為に気づけない。


でも、確実に……ゴブドックの周りにはモンスターが増えている様だった。

狭い視界の中で、増えているモンスターを確認すると、ゴブリンと表示されていた。


……あ。

そこで1つ謎が解けたような気がした。

私から見た際、ゴブドックには『★』が表示されていた。

この『★』は、親玉みたいなものを指すんじゃないかと。


そうすれば、今も少しづつ敵が増えている事に何となく合点がいく。

んー、それなら早く動けるようにならないとまずい……


先ほどよりも何倍も、もどかしさが募る。


もし、状態異常が解除されたら真っ先に何をするか……。

戦況を冷静に分析する。


戦闘は続いてしまうし、逃げ切れないだろう。

なら叩くしかない。

現状、前衛はレーヴ一人、後衛は私とルクスね……。


ルクスは弓の残弾がないようだから……。

ぐるぐる思考を回しはするものの、どの未来もあまり、良い結末は待っていない様な気がしていた。


……それなら≪召喚術≫を使ってしまおう。


≪召喚術≫は初回のみ、MPを5割消費する事で、『召喚獣』と契約することができる。

まぁ、どんな召喚獣が出るかはわからないんだけども……。


現状よりも手が増えることはいいことだ。


そうしよう。

それから、みんなに支援術と付加術……回復魔法をかければ何とかなる……と思う。


そう信じて、状態異常回復を待つ。


……時間にして、3,4分ぐらいだろうか。

時間が経つと、視界が徐々に3人称視点から、1人称に……自分の視界に戻ってきた。

まだ少しだけ、ぐるぐるする頭と気持ち悪さを抑えながら「レーヴごめんね。もう大丈夫」

とレーヴに告げる。


「おそかったな」

レーブはそう言い笑った。

「んじゃ、ルクスの援護行ってくる」

そういうと、レーヴはまた走り出した。


「ん!よろしく……。支援術、アタック!スピード……付加術、エンハンスソード!」


……それから!!


「≪召喚術≫さぁ、この状況を打破できる力を!」

お願い……。

そう願いを込めて召喚術を使う。


『……主さミャの願いに答えようじゃニャいか……。概ね、戦況は把握ずみニャ!! 』

何やら、可愛らしい声と共に、姿を現したのは。


頭に王冠を携えた、毛皮に白色と黒色の混ざったブチ猫だった。

この、小説を読んで頂いている皆様……いつもありがとうございます。

≪召喚術≫によって現れた、召喚獣について詳しくは次回に。


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