こどものひ!
「すっげ〜!カッコいい〜!」
俺たちはママから紙で作った「兜」ってのを被せてもらってご機嫌だ!!角がカッコいいし、被れるのも良い!!サイコーだ!!
ママの居た国では今日は「こどもの日」ってので、男の子が健康で元気におっきくなると良いなって祈りを込めた特別な一日なんだって。「鯉のぼりは用意出来なかったの。これだけでごめんね」って謝ってたけど、こんなカッコいいのもらってて、まだ欲しいったら欲張りだもんな!兜だけで俺たちは大満足だ!!
「本当にだね〜!ママ、これ本当に紙なの〜?」
「そうだよ。アルゴス君とマルケス君も作ってみる?」
なんだって!?
俺が一人で「うんうん」と頷いてたら、とんでもなく嬉しい言葉が聞こえた。思わず二人で顔を合わせれば、ママがにっこりしてくれた。
「「はい!!やる〜!」」
兜を俺たちが作れるなんて夢みたいだ!!でも、これを作れるなら、皆にあげたい!!
「ママ!オーシャンとヴォルケーノの皆にもあげたい!!」
「わ〜!賛成〜!!いっぱい作ろうね〜?絶対喜ぶよ〜」
ニコニコなマルケスは俺に抱きついてきた。ママも「すっごく良い考えだね。良い子たち、見〜っけ」ってギュッてしてくれた。
「じゃあ、皆で頑張るぞ〜」
「「お〜!」」
ママの掛け声に俺たちはニコニコとワクワクが止まらないまま、おっきな声で返した。
頑張るぞ〜!
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「はい。オーシャンとヴォルケーノの皆様に無事に贈りましたよ」
「「やった〜!!ディーバ、ありがとうございます」」
いっぱい出来た兜をプレゼントする為にディーバにお願いした俺たちは、ニコニコがどうにも止まらない。
「皆、嬉しいと良いな」
ちょっぴり不安になった俺にマルケスがおっきく頷いてくれた。
「大丈夫だよ。あんなにステキなんだもん!もっとちょうだいって言われるかもよ?」
「そっか!大人も欲しいって言うかもだよな!」
不安がすっ飛んでってにんまりすれば、マルケスもほにゃりって笑ってた。ママは俺たちに「こどもの日のお祝い」を作る為にルーにいのとこに行ってる。
別に寂しくないぞ!?ホントだからな!
「アルゴス様、マルケス様、よろしければ私にも兜を頂けないでしょうか?」
を?
「ディーバ、欲しいのか?」
「はい」
聞けばディーバはコクンってした。
「「はい。どうぞ」」
「アルゴス様、マルケス様、ありがとうございます」
ニコニコしてるディーバに嬉しくなって笑ってた俺たちは知らない。ディーバだけでなく、色んな国の色んな大人たちからも「欲しい」って言われてママとしばらく兜を作り続ける事になるなんて……。