ばれんたいん
ママがこの頃、ルーにいと仲良しだ。お昼寝から起きるとママが居なかったり、ディーバに勉強させられてる間にルーにいと会ってるみたいだ。
ママは俺達よりルーにいが良いのか!?大人だから!?
マルケスと作戦会議だ!!
「・・・・マルケスはどう思う?」
「うん。僕もそう思う。ママに聞いてみる?」
マルケスが言うけど、もしもママがルーにいのが好きだって言ったらどうするんだよ!?マルケス、泣くだろ?俺は泣かないぞ!!・・・・多分。
「ん〜。そうだ!!お昼寝しないで、ママの後をついてってみよう!!」
「それい〜!!さんせ〜!!」
□■□■□■□
「あれ?厨房?」
「厨房だね〜」
「なにやってんだ?おまえら」
「「うわ〜っ!!」」
いきなり声かけんなよ!!泣いちゃうだろ!!・・・・マルケスが。
と思ってる間にフワリと体が浮いて、ルーにいに俺とマルケスは肩車してもらっていた。
「「ルーにい!?」」
あれ!?ママはルーにいに会いに来たんじゃないのか?
「待ち合わせかな〜?」
あ!!それもあんのか!!
「お〜い。ミーナ、ちびたち来てるぞ〜」
「え!?アルゴス君!?マルケス君!?お昼寝は!?」
びっくり顔のママが、丸焼きの部屋から出て来た。
別に丸焼きの部屋が怖いわけじゃないぞ?ママとお約束したのを思い出しただけだ!!
マルケスが嬉しそうに答える。
「眠たくなかったの!!」
「ママ!!ママはルーにいと俺たちとどっちが好き!?ルーにいと仲良しなの知ってんだぞ!?」
俺が叫ぶと、マルケスも首がもげそうな感じで頷いてる。
「なんだ?ミーナは俺に惚れてんのか? ぃでぇっ!!っだっ!?」
ニヤニヤと笑うルーにいの耳をかじってやる。マルケスはぽかっと頭を殴った。
「心配させちゃったみたいだね?ごめんね。あのね?今日は私の国ではバレンタインデーって言われる日で女の子が好きな男の子に甘いお菓子の贈り物をする日なの」
「「甘いお菓子・・・・」」
ヤバッ!!ヨダレ出そう。
「ママはルーにいにあげんのか?」
ちょっとだけ悔しくなってママに聞くと、「ちょっと待ってて」と丸焼きの部屋に消えていった。ルーにいが俺達を椅子に下ろしてくれた。
「はい。アルゴス君、マルケス君、受け取ってくれるかな」
「「うわ〜!!」」
戻ってきたママは俺達に、でっかい綺麗な袋を一個づつくれた。
「「開けて良い?」」
「もちろん!!」
ドキドキしながら開けた袋の中には、くっちーとけーちがいっぱい入っていた。
「ママ、もしかして、これ作る為にルーにいと仲良ししてたのか?」
「ルーにいが特別に好きだからじゃないの?」
「ジルさんやルッツォさんにお願いして、厨房をお借りしてたの。アルゴス君とマルケス君の喜ぶ顔が見たくて、内緒にしてたの」
「「ママ!!」」マルケスと一緒に椅子から飛び降りてぐりぐりする。
あ!!忘れてた!!
「ルーにいにもバレンタインするのか?」
ママは小さく頷いてから、「義理ですが、皆様、お召し上がり下さい」と言って、皿に盛られたくっちーを指差した。
義理ってなんだ?
「義理かよ!!」
ルーにいが悔しそうに叫んでいる。
「義理ってなんだ?」
「教えねぇ!!本命なお前らには教えねぇ!!」
本命ってのもなんだ?
ディーバに後で聞こ!!
ディーバに聞いたら、義理とはこれからもよろしくという意味で、本命とは大好きだっ!!って意味だって!!
だから、ルーにいが騒いでたんだな。ママは俺達にめろめろなんだもんな!!
「俺達もママにめろめろだぞ〜」
ベッドの上で嬉しくてニヤニヤする。
「ママはルーにいより僕達が好きなんだよね〜」
マルケスもベッドの上でコロコロしながら言う。
「男の子から好きな女の子に贈り物をする日はないのかな〜?ママに大好きの贈り物したいね〜」
「後で聞いてみよ!!」
「「おー!!おやすみ〜」」
一気に食べるとお腹こわすからって、ママからの贈り物は厨房の冷蔵で取っといてもらってる。ディーバが目隠しの魔法をかけてくれたし、じーちゃんがルーにいに食べられないように見張ってくれるって!!
くふふふ〜。ママは俺達が一番なんだ〜。
すっげえ良い気分で俺達は眠りについた。