#7 雪宮さんと文化祭③
―これまでのあらすじ―
文化祭の材料を買うため、雪宮さんと買い物に行くことになった
「もう着いてしまった…」
普段はかかる時間諸々計算して10分前ぐらいに着く前ようにするのに、今日は色々計算が狂ってたのか、30分早く着いてしまった。僕にとって、どんな経緯だとしても女子と買い物に行くとか今まで無縁の存在だった。そして最初の人が雪宮さんとなると、楽しみとかそういう感情より先に緊張が勝ってしまうのも仕方がない。取り敢えず、待たせてしまうという事態は避けられたから良かったものの、集合時間まで長いしどうしようか、そんな事を考えていると
「25分前、これはお待たせと言うべきなのでしょうか」
そこには雪宮さんの姿があった。全体的にボーイッシュな服装の雪宮さんの私服に思わず見惚れてしまった代田だったが、我に返って軽く挨拶を交わす。
「1本早いですが、電車もう乗っちゃいましょうか」
そう言ってホームまで歩いていった。でもやっぱり雪宮さん流石だと思った。この5分と短い間でも、すれ違った人たちの目線が次々に雪宮さんに注がれていく。そしてこの状況に慣れているのか、雪宮さんは何も動じていない。すごく居た堪れないようなそんな気持ちになってくる。
「代田さん、大丈夫ですか?何かありましたか?」
「あ、いえ、大丈夫ですよ、 雪宮さん、いつもこんな感じなんですか?」
「こんな感じとはどういうことですか?」
「いつもこんな感じで見られているんですか?」
「ああ、これですか、 外出するときは大体こうですね
、 まぁもう慣れていますよ」
「凄いですね、 ちょっと隣を歩くには僕だと不釣り合いすぎるかなと…」
「そんな事ないですよ、 代田さんが良い人なのは私が知っていますし」
「えっ、あっ、ありがとうございます」
思ってもいない返答に少し照れ、沈黙が続いていたが、タイミング良く電車が着いてくれた。
「人多いですね、 雪宮さん、大丈夫ですか?」
「はい、ありがとうございます、」
―今は一応何とかはなっている。だけど次の駅の方が人多いはず… 大丈夫か?―
『ドアが開きます、 ご注意下さい』
―あ、これ、ヤバいかも―
そう思った瞬間
"ドンッ"
一気に人が入ってきたおかげで、横から押され、雪宮さんの方へよろけてしまった。
―ヤバい ヤバい ヤバい―
雪宮さんを挟んで、壁にもたれかかる体勢になってしまった。更に、近づいたためか、とてもいい匂いがする。かろうじて腕一本で支えられているが、そこに何か柔らかい感触が伝わってくる。体を動かそうにも体勢的に力も入らず人が減らなければ動けない。そして降りる駅もまだ4駅分も残っているときた。いわゆる絶体絶命って状況だ。
―これ以上何かあれば本当にヤバいことになる、、、 頼む、 もう何も起こらないでくれ!―
そう心から祈る春樹だったが、その願いは虚しく散ってしまった。
「代田さん、 大丈夫でs」
"ッ!"
雪宮さんの声が耳元で囁かれ、思わずビクッとなってしまう。
「あ、 すみません、代田さん」
"ッ"
―本当にもうやめてくれ……―
そう心のなかで叫ぶしか無かった代田であった。
こんにちは、小鳥遊 雪音です。まずは、「#7 雪宮さんと文化祭③」を読んで下さりありがとうございました。最近、この文化祭編のタイトルの名前をもう少し考えてもよかったのでは?と今更ながらに考えている今日このごろです。
さて、この後書きの部分、正直何も面白くないと感じていると思います。なので今回から1つお題を決めて、それに沿って話していきます。これから長くなっていくかと思いますが、読んでいただけると幸いです。
では、今回のお題は「『犬派か猫派かどっち?』と聞かれたときに何と答えるか」です。結論から言うと私は強いて言うなら「猫派」です。私、あまり触れ合ってこなかったせいか、正直動物が怖いとか苦手とかそういう節があります。なので「見るなら」と考えた結果の「猫派」です。そして話せる間柄なら加えて「魚派」って答えますね。小学生頃から祖父と魚釣りに行っていたこともあり、海や魚が大好きです。決して特別な知識があるとかそういうのは無いのですが、高校の帰り道とかに寄り道して海岸歩いたりテトラポットの上行ったりしていましたね。 ということで結論、「魚派」でした。
さて、雪宮さんと目的地へ行く電車から多くの事が降りかかってくる春樹。幸先不安な春樹ですがこれ以上何も起こらず、彼の切実な願いは果たして届くのか、是非次回もお楽しみ下さい。