表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/14

#14 雪宮さんと遭遇

 今日は火曜日。先週の土曜日に文化祭が終わって、そこから最初の登校日である。結局あの劇の後は、劇以前と同様雪宮さんと文化祭を回ることになり、何事もなく普通に楽しんで終わった。 1つ挙げるとしたら、雪宮さんが何か雰囲気が違うようなそんな気がした。ただ、どうかしたのか聞いても「特に何もない」と言うので、この違和感が何だったのかはわからないままだ。

 そして僕は今、

「なあなあ、代田くんよぉ、 文化祭で君と雪宮さんが2人で歩いていたのを見たって人がいるんだけど、どういうことだい?」

 絶賛、文化祭当日の事について、尋問を受けていた。

「返答によっては、明日が来ないかもしれないけど」

―ここは別にやましいことないし、普通に言って良いよな―

「え、えっと、 雪宮さんが1人でいてさ、僕もシフトだったんだけど入る時間が多いからって回っていいことになったから、一緒に回っただけだよ」

「ふーん、そうかそうか、 よし、覚悟しろ」

「えっ、な、何でだよ」

「お前、何が『一緒に回っただけだよ』だ、 それが出来なくて泣き崩れた奴が何人いると思ってるんだよ!」

「もしかして、お前も雪宮さんが」

"キーンコーンカーンコーン"

 騒がしいほどの話し声をチャイムが断ち切る。それと同時に、担任が開けっぱなしのドアから入ってくる。

「はーい、お前らー、席につけー、 朝礼始めるぞー、 回収のプリント後ろから回せー」

 その声がすると、僕を囲んでいた皆は「やべっ」と言って席に戻って行った。すると、彼らと入れ違いで雪宮さんが戻ってくる。

「すみません、雪宮さん、 席取っちゃってましたね」

 急に話しかけたからか、少し間があったように見えたが、返答はすぐに返ってくる。

「大丈夫ですよ、 私も内山さんと話していましたし」

「へぇ、心葉とですか、 少し意外な組み合わせな気がしますね」

 そういうと、また雪宮さんの返答に少し間があった。しかしいつものように、すぐ元に戻って話を再開する。

「劇の後、着替えている時に一緒になりまして、その時に少し話をしたんです、 その時から内山さんが話しかけてくださるようになりまして」 

 そう言われ、プリントを回し終わった僕は、まさに今プリントを前に送っている心葉の席の方へ目を向ける。そしてその春樹の姿もまた、雪宮さんに見られているのであった。


 朝礼が終わって1限目の準備をしていると、今度は僕のもとに心葉が来た。

「なぁなぁ春樹さんや、 さっきこっちからボクの名前が聞こえた気がしたのだが、気のせいかね?」

「何で一人称ボクなんだよ、 それにその口調も」

「別に良いではないか、 それでお二人さん、何を話していたんだい?」

 そう言って心葉が雪宮さんにも目をやる。そして僕に目を戻すと「隠すことなんてないだろう?」とでも言いたげな目線を送ってくる。勿論そんな事ないから、雪宮さんに1回確認してから、そのまま言った。

「心葉さっき雪宮さんと話してただろ? なんとなく珍しい組み合わせだなと思って、 それで話してたんだよ」

「何だよ〜、面白くないなぁ」

「面白くなくて悪かったな」

 そう言って笑うと、どんどん話が盛り上がっていく。そんな2人の会話を、雪宮さんが不思議そうに見ている。

「2人とも仲がいいのですね」

 その声はいつもよりも少し低い声色だった。正確に言えば、低く聞こえたと言う方が表現が正確な気がする。目が笑っていないように見える。

「あれ、雪宮さん知りませんでしたか? 僕たち幼稚園からの幼なじみなんですよ」

「そうなの、 前までは良く遊んでたんだけどね、 最近は私の部活が忙しくてずっと遊んでないんだよね」

 そして2人は目を見合わせる。雪宮さんはその2人に対して

「そうだったんですね」

 としか言えなかった。何か言いたいこと、聞きたいこと、色々あるはずなのにそれを言葉にすることが出来なかった。

「あっ、もう1限始まるじゃん! もう席戻るね、 じゃあまた後でね、春樹、雪宮さん!」

 そう言うと心葉は席に戻って行った。雪宮さんはその背中を、何か言葉が詰まったまま見送った。


 気づけばもう帰り道で、雪宮さんは1人で帰っていた。

 ―私どうしたんだろう、 今日朝から何かおかしい、  いつもは解ける問題を間違えるし、何度かボーッとしている時があった、 いつもこんなことないのに、  あの時からおかしくなったんだよね―

 そうして、朝の春樹と心葉との会話を思い出す。すると頭の中で「幼なじみ」という言葉が何度も繰り返されていく。

―幼なじみだからってどうとしたこと無いじゃない、 2人仲良さそうだったし、別におかしなことはない、 それは分かっているのに、どうしてこうも『幼なじみ』という言葉が引っかかるの?―

 そんな事を考えていると、後方から最近よく聞く声が聞こえてきた。

「…やさーん、雪宮さーん」

 振り向くと、手を振りながら走ってくる心葉の姿があった。こちらが気づいたと分かると、心葉は手を振るのを止めて走り始めた。

「ふぅー、 やっと追いついたー」

「内山さん、 今日は帰るの早いですね、 いつも遅くまで部活しているイメージがあったのですが」

「うん! 今日はね、顧問が出張らしくて、久しぶりのオフだったんだ、 だから少しシュートの練習して今日は早めに帰ろうと思って、 そしたらこうやって雪宮さんと会えたんだから、私の選択は間違ってなかったようだよ!」

「ですね、 私も内山さんと話したいことありましたし良かったです」

「嬉しいこと言ってくれるじゃん! そういや、雪宮さんも家こっちだったんだね、 いや〜、こっちの方向の人少ないから嬉しいよ、 雪宮さんはどっちの道なの?」

「私は次の信号のところで右に曲がりますね」

「あ〜そっか、 私そこを左なんだよね〜、 折角会えたのに残念、、、」

「また明日も会えますし、一緒に帰れる時はまたありますよ」

「そうだね、 また一緒に帰ろうね、 それじゃあまた明日」

「はい、 また明日です」

 挨拶を交わした2人は横断歩道を渡って、それぞれの家の方に帰っていった。


「少し遅くなってしまいましたね」

 帰った後、夕飯の買い出しに行っていた雪宮は、帰る時間が遅くなって、家に着く頃には太陽が完全に隠れようとしていた。

 自分の部屋の階まで来ると人影が見えた。何やら立ち話をしているようだったが、影がかかっててよく見えない。しかし、そっちが部屋の方だったため近づいていくしかなかった。すると、

「えっ!? 雪宮さん!?」

 そこにいた2人というのは春樹と心葉だったのだ。

「あっ」

「あっ」

 夕日はもう沈みきってしまった頃、部屋のドアの前で、3人は目を合わせたまま沈黙が続くのであった。

 こんにちは、小鳥遊 雪音です。「#14 雪宮さんと遭遇」をお読みいただきありがとうございました。前回に引き続き、更新に期間が空いてしまってすみませんでした。今回の話では特になんですが、最近、書きたいことは決まっているのに、その内容に続くまでの内容が思いつかないということが多々あります。なるべく自然に繋がるようにしていますが、どうしても変に感じる場面があるかもしれませんが、ご配慮のほどお願いしたいです。

 さて、今回のお題ですが、「もしも行くなら過去と未来どっちがいいか」です。どちらも良いところありますよね。過去に行ったら教科書やお札に描かれた偉人たちが住んでいた時代に行って、実際と同じ生活を送る事ができますね。未来に行ったら今の生活とどのぐらい変わっているのかが知れたり、見たことも聞いたことも無いものを見れたりできるでしょう。 と考えうる利点を挙げてみましたが、自分としては「過去」に行ってみたいと思っています。理由としましては、聞いたことはあるけど想像ができないようなことを実際に行って、見てみたいなと思ったからです。また今はこんな感じだけど、もっと前の時代はこんな感じだったんだというようなことを体験したいからです。特にサグラダ・ファミリアの建設の初期段階などは気になります。  ということで、私は行けるなら「過去」に行きたいというのが答えでした。

 今作は春樹と雪宮さんと心葉が、春樹たちの家の前で出会ってしまう場面で終わりになりました。元々お隣さんということを隠していこうとしていましたが、遂に知られてしまいます。果たして2人はどうなっていくのか、こうご期待ください。

 次回も今回と同様に更新に期間が空くかもしれませんが、なるべく早めに作りますので、何卒よろしくお願いします。 では次回をお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ