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#12 代田くんと文化祭 〜中編〜

「雪宮さん、 一緒に文化祭回りませんか?」

「えっ?」


 雪宮さんは、突然言われたことに戸惑いを隠せていなかった。


「僕、シフトは一応ずっと入っているんですけど、ずっと入る代わりに比較的自由にしていいよって言われてるので、 まあ、一応呼び込みしながらにはなるんですけど、」

「え、、えっと、、 呼び込みながらということついては大丈夫なのですけど、恐らくこの前みたいにまた絡まれて、代田さんに迷惑をかけてしまうと思うのです」

「それは全然大丈夫ですよ、 流石に一人でもない人に校内で絡んでくる人なんていませんよ」

「そうでしょうか」

「それに、迷惑だなんて思ったことないですし」

「あ、ありがとうございます、」

「それじゃあ、 行きましょうか」

「はい」


 そう言って2人は教室を後にした。


 歩いていると、見落としていた出し物が意外と多かったことに気付き、それに加えて2人で話しながらだったから、歩いて回るだけでも楽しかった。


「思ってた以上に色んなものがありますね、 雪宮さんは何か気になったところありますか?」

「そうですね、 色々ありすぎて、まだ決めきれないと言いますか、 見るので精一杯と言いますか、 代田さんは何かありませんか?」

「僕は1カ所行ってみたいところが、 確か3年2組がしてるっていう『謎解きの舘』ってのが気になってて」

 そう言うと雪宮さんは一瞬驚いたような、ハッとしたような、そんな表情になって少し間があったものの

「良いですよ、行きましょうか」

と言ってくれた。

 今の間は何だったのだろうか、 そんな事が頭をよぎったが考えられる間もなく次の問いかけが来た。

「代田さん、謎解きとかそう言うのが好きなんですか?」

「そうですね、 僕が小学生ぐらいの頃から謎解きとかの本を親に買ってもらったりしてて、色々見てましたね、 だから好きかと聞かれたら好きですね」

「そうだったんですね」

「まぁ、解くのはまだ得意じゃないので、もう少し早く解けるようになりたいとかは思ってるんですけど、 あ、着きましたよ、 ここですここです」

 話している間にいつの間にか目当ての場所へ着いていた。

 流石3年生と言ったところか。外見からクオリティが高く、出てきた人を見ても、恐らく内容も期待できそうだ。


 入ってみると早速、マントにお面をつけた人が出迎えてくれた。


「ようこそ『謎解きの舘』へ、 私はこの舘の主の者です、 これからあなた達には3つの問題に挑んでもらいます、答えがわかったらこの解答用紙に書くようお願いします、 制限時間は4分になります、 頭を柔らか〜くして楽しんでください、 ではスタートです!」

 僕達は早速入って問題を見に行った。


―あぁ、こんな感じの問題ね、 多分こうやって、、、 よし、解けた―

 結構普段からいろんな問題を見てきた春樹にとっては、すぐに解き方がわかるレベルの問題だった。答えがわかった春樹は、隣の雪宮さんに目線を落とした。すると、雪宮さんはまだ解けておらず、頭をフル回転しているようだった。

「どうですか雪宮さん、 わかりますか?」

「いえ、 まだ解き方が分からないです、 代田さんは解けたのですか?」

「はい、 恐らくこれかなという答えは出ました」

「やっぱり代田さん早いですね、 あの、代田さん、 少しヒント貰えますか?」

「ヒントですか、 えっとですね、 じゃあ、ここの部分の読み方を色々変えて読んでみてください」

「わかりました、 えっと、、 あっ、 解けました!」

 そう言ってハッとし、こっちを向く雪宮さんは、いつもの落ち着いた雰囲気とは違う、まるで幼い子が喜んでいる時のような、そんな表情になっているのが微かに感じられた。

「すごいじゃないですか、 おめでとうございます」

「ありがとうございます、 では、次の問題に、」

「タイムアップです、 解答用紙を持ってこちらに来てください」


 タイムアップになった僕達は、1問目の解いた答えを書いた解答用紙を渡した。その答えは合っていたけど、全体的に見ると3分の1という結果だった。 雪宮さんは何やらその数字が悔しいのか、入る前よりも少し不機嫌のような感じがした。


「すみません、 代田さん」

「ん? 急にどうしたんですか?」

「私が足を引っ張ってしまいました、 代田さんなら恐らく全部解けただろうですし」

「それは大丈夫ですよ、 ここに付き合ってもらってるのは雪宮さんの方ですし」

「私、実は謎解きとか苦手でして」

―そうだったんだ―

「こういう頭を柔らかくして考える事が昔から苦手だったんです」

「そうなんですね、 でもそうは感じられませんでしたよ、 自分が出したヒント、あれ大したヒント出してませんから、 あのヒントから答えを導きだせるのなら、十分そういう考え方出来てますよ」

「ありがとうございます、 なんか代田さんに言われると、少し自信が付きます」

「そう言ってくれて嬉しいです、 じゃあ次どこに行きましょうか」

「そうですね、 じゃあ次は、、 あれ? 代田さんスマホ鳴ってませんか?」

 ―本当だ、 全然気付かなかった―

「ありがとうございます、雪宮さん、 少し出てきますね」


 そう言って、少し離れた比較的静かめな場所に行って電話を取った。するとそれは蓮からだった。


「もしもし、蓮、どうした?」

 出るとすぐ焦るような声が耳に入ってきた。

『春樹、 話は後でするから、取り敢えずすぐ戻ってきてくれ!』

「えっ?」

 こんにちは、小鳥遊 雪音です。「#12 代田くんと文化祭 〜中編〜」を読んで下さり、ありがとうございます。 最近忙しく、あまり書けていないので、これからも恐らく投稿が遅くなる可能性が高いと思いますが、何卒よろしくお願いします。

 さて、今回のお題は「幼少期の頃の将来の夢」についてです。 皆さん、幼稚園や保育園などの時に「自分がなりたいもの」について書いたことがある人もいると思います。言った事があるかもしれませんが、私はその時期サッカークラブに入っていました。その事もあって私は「サッカー選手」になりたいと思っていました。そこから小学3年生になって入っていたサッカークラブを辞める前までは、心の内のどこかで思っていました。ただ私より後に入ってきた人が自分よりどんどん上手になっていったり、逆に私の実力は伸びていかなかったりして、その夢は次第に諦めていく事になりました。今考えると、いわゆる軽い挫折みたいな感じの物を体験したと言ってもいいかもしれない経験でしたね。 ということで私の「幼少期の将来の夢」は「サッカー選手」でした。

 今回の話は春樹が雪宮さんと文化祭を一緒に回り始める話でした。今回は文化祭を2人で回るというものです。そんな2人で回って、何事もなく文化祭は終わってしまうのか。そして突然連絡してきた蓮、果たして何があるのか、乞うご期待下さい。 

 改めて、これからも不定期になりますが、何卒よろしくお願いします。

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