#10 春樹と割り箸
今日は月曜日、今週の土曜日にある文化祭まで残り1週間をきっている。そのため授業のない午後からはほぼ全員がその準備に取りかかっている。
それは勿論春樹のクラスも例外ではなく、セリフや動きの練習をしている者、衣装作りでミシンを使っている者、背景になる絵などを描く者など教室の色んなところで色んなことが行われている。
春樹はというと、教室の隅で頭を悩ましていた。
―リンゴのヘタ、どうしよう―
春樹は雪宮さんと話し合い、それぞれで係を決めて担当になった小道具を作って、分からない事とか決めきれない事とか、そういう時は積極的に相談し合おうという形になった。そして春樹は最も大事と言っても過言ではないリンゴ作りから始めた。
ただ、リンゴをただの真ん丸の赤い玉にするのもどうかと思い、なるべくリアルな形にしようと決めた。しかしそれがリンゴの茎をどう作るかという問いを生んだ。
別に無くてもリンゴだとはわかると思う。ただ"ない"よりも"ある"方がわかりやすい。そう思ったのだ。それにリンゴの表面を塗るときも茎の部分を持てば塗りやすいだろうという利点も考えられる。 もうここまで利点があるなら作るしかない。
そう考えた春樹は早速作業に取り掛かった。リンゴの本体は新聞紙を丸めてから外側に画用紙を貼り付け、茎は割り箸を刺して作ろうと決めた春樹は、新聞紙を手に取った。そして丸めて外側に白い画用紙を貼るが、意外とこれが楽しくすぐ終わった。 そして次の作業に入ろうとしてある事に気付いた。
―そもそも割り箸買ってないじゃん―
僕はどうして割り箸を使おうとしたのだろう、買ってないのに。ま、放課後になったら買いに行こうかな。
〜放課後〜
「雪宮さん、 ちょっと僕いるものあるのでそれ買いに行ってきますね、 何か追加でいるものあります?」
「わかりました、 恐らくいるものはないかと思います」
「了解です、 なるべく早くかえってきますね、 じゃ、行ってきます」
そう言って春樹は教室を出ていった。
―取り敢えず近くの百均にでも行こうかな、 あるかわからないけど―
後にこの選択に後悔することを、春樹はまだ知らない。
―無い、、だと、、、―
目当ての店に着いた春樹は、売り場の前で固まっていた。割り箸が置いてあったであろう場所はあるし、隣のスプーンやストローは全然残っている。なのに目当ての割り箸だけがない。
この店は諦めて出ようとする春樹だったが、今度はある迷いが春樹を襲う。ここは学校から5分程度の距離にあり、この店で割り箸を見たことがあったから、ここだけで買い物は済むと思っていたのだ。
つまり何が言いたいかというと今春樹は徒歩なのだ。そして次にありそうな店までそこそこ遠く、徒歩で行くには少し距離がある。しかし学校とは真逆の方向だから1回学校に戻るのも躊躇われる。
―どうしたものか、、、―
そう少しの間考えていたが動かないのも勿体ないと思い、次の店に歩き始めていた。日は少し出ているが少し風もあるから暑くはないので良かった。
〜2時間半後〜
―や、やっと、帰ってこれた〜〜―
結局片道だけでも1時間かかってしまった。割り箸のためだけにこんなに歩いた人、僕以外いるだろうか、いや、恐らくいないだろう。既に空は夕焼け空が一面に広まって、最終下校まで残り30分をきっているというのもあり、校舎の廊下は既に薄暗くなっていた。そんな中、たった1つの教室だけが光をともしていた。
「ただいま帰りました〜」
教室に入った春樹は目を疑った。
「おかえりなさい、代田さん 遅かったですけど大丈夫でしたか?」
そこには作業をする雪宮さんと、完成しているであろう小道具があった。よく見ると僕が担当の物も作ってくれたらしい。
「雪宮さん、 まだいたのですか?」
「はい、 代田さんが帰ってきてなかったので」
「小道具、僕の分まで作ってくれてありがとうございます、 それと遅くなってすみません、」
「そうですよ、 心配しましたよ」
「少し遠いとこまで歩いて行くことになって、、、」
「それなら言ってください、 私も出来ることありますので、 でも無事に帰ってきてくれて良かったです」
「本当ありがとうございました」
「はい、 時間もありますし、帰りましょうか」
「はい、そうですね」
そう言って2人は教室の戸締まりをした後、暗くなった帰り道を歩いて帰るのであった。
こんにちは、小鳥遊 雪音です。「#10 春樹と割り箸」をご覧いただきありがとうございました。そして前回ほどではありませんが、字数が大幅に予定を超えてしまいました。長かったと思いますが、ありがとうございました。
では、今回のお題は「得意なスポーツ」についてです。 早速ですが、私が一番に得意なスポーツは「テニス」です。私、中学校の時にソフトテニス部に入っていて、これでもダブルスの3番手だったんです。約2年半の間結構力入れてたというのもあり、テニスが私が一番得意なスポーツと思っています。 そして次に得意だと思っているのが「サッカー」ですね。これも幼稚園の年中のときから小学校3年生の5年間サッカークラブに入っていました。まぁここでは周りより全然下手でしたけど、学校とかではそこそこの位置にいました。 付け加えでそもそもの話にはなりますが、私があまり運動神経が良くないので、他のスポーツがあまり出来ず、相対的に子供の時にしていたスポーツが得意な部類に入るので、決して上手というわけではないのです。 ということでまとめですが、私が最も得意なスポーツは「テニス」でした。
さて今回の話、文化祭のリンゴを作るために割り箸を探す旅に出た春樹、そして帰ってくるのが遅いことを心配で待ってくれていた雪宮さん。帰ってきた後は傍から見るとまるで新婚夫婦かのような会話に聞こえても可笑しくない内容です。 これが実現する未来は来るのでしょうか。 今回はあまりラブコメ要素が少なかった気がしますが、次回からは文化祭がスタートしますので、これからもよろしくお願いします。




