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1話 勇者VS魔王

魔王城


禍々しく、人類を恐怖を与える最悪の魔人ー魔王の城

近づけば並の人間は死ぬという恐ろしい城であり、人類の国の城よりも豪華なこの城は神々しく、禍々しくという強烈なインパクトを与える城は過去の話


現在、城のほとんどが崩壊し、城の護衛、強力な魔人達は倒れて息絶えている

魔王の幹部までもが現れた侵入者によって倒されていた

どんな強力な魔人でも・・・長年魔王に仕えていた豪傑でも・・・そんなのは関係なく、無慈悲に倒されていた


「はあ・・・はあ・・・魔王の強さを正直舐めていた・・・」


頭から・・・目からも血を出している1人の人間の男ー勇者によって倒されてしまったのだ


「ゲフッ・・・」


吐血する

すでに彼の肉体には大きく悲鳴を起きていた

魔王城に侵入してほぼ全員始末した英雄は限界を迎えていたのだ

数時間以上に及ぶ戦闘は人間の領域から外れている勇者でも限界を迎える

生物の限界

現在、彼の体は筋肉痛・・・が可愛いほどの重傷

肉離れや骨折やら体の至る所にあった

それでも意識があり、動けるのは彼の精神力と回復系統の魔法による治癒とかの要因であり、限界を迎えて気絶してもおかしくない


現在、相手しているのは魔王の幹部でもなく、魔王の護衛でもない


魔王本人である


世を恐怖で支配している魔族の王に苦戦・・・


「はあ・・・はあ・・・まさか我がここまで・・・息切れるのは何百年振りか・・・誇れ、お前は強いぞ」


人間のような見た目を持つ美女ー魔王は現れた勇者との戦闘で疲弊していた

魔王の幹部や下っ端たちとも戦闘をしている勇者がここまで強いとは思わなかったのは本心

強さで言えばこちらが上と思っていたのは過去の話だとしても事実であり、そんな馬鹿な評価を今変えないほど愚かな愚王ではない魔王は勇者を認めている

勇者の強さは稀に見ぬ強さであり、魔王の相手に相応しい強さを所持している

いや、もし単独で戦闘をしていたら間違いなく負けるなと思うこともあるが今の状況からしてもっと早く決着がついて負けていただろうと考えるほど


各場所に放っていた四天王という馬鹿な強力な魔人達が一人一人倒されて散ったという報告を聞いた時は馬鹿な奴らだなとは思った

たかが人間に負けたからというのが理由である

そんな嘲笑いしていた記憶が鮮明に思い出すがそれが間違っていたと改めても遅い

相手が悪すぎたでも言おうか

四天王よりも強い魔人が目の前にいる人間によって何人も葬られたのだ


どうにかなると考えるのが烏滸がましい


「誇ることではない・・・」


褒められても彼が変わることはない

褒められて何がなる?としか思っていない

敵が誉めたとしても仲間が誉めたとしてもそれが自分だからとか自分がやっただけで誉められるようなことではないとしか思わない

褒めるのに慣れているのかやったことの凄さに実感がないのか


「ふっ謙遜するではない。我を相手・・・いや、魔王城の魔人たちを相手に単独で挑んだのだ。それだけでも素晴らしい勇気なのに今は我以外を倒し、我が負けるところまで追い詰めた。謙遜なんて程遠い偉業だ」


数百年君臨している魔王ですら重傷を負い、立ち上がっている勇者に対抗することができない

それほどの攻撃を与え、魔王を相手に勝利する寸前まで来ている彼はまさに勇者であろう

勇気を持つ者

それに相応しい力を彼は持っている彼を


「最後の締めとしようか魔王」


右足を引き摺る

回復魔法で治しているとは言え、彼の体力は限界だ

強烈な眠気が襲うが致死量を超える血を体の内側から流そうが

今仕留めないと自分がやったことの意味がない

努力が全てが意味がない

無に帰ってしまう


(まさかこうなるとは・・・数年・・・二年前までは普通の高校生だったんだが・・・まさかこうなるとはな)


地球という星の日本という国に生まれた普通の高校生だった勇者

いつものように学校が終わり、家でゲームをしていたところでよく分からん魔法陣が現れて転移ーってわけもなく、魔法陣もなく、王城に来てしまったというのが彼が異世界に来た経緯というか・・・


(勇者として魔王退治を目標を強制的に持たされて2年・・・ようやく、クソみたいな世界から終わりが来る)


やりたくてやったのではなく、拒否権もなく異世界に呼ばれて学生という短い青春を奪われて2年

ようやく終わると大きな希望を抱く


「じゃあな。魔王」


魔王の心臓に剣を刺す

刺した心臓から何か得られたとかそんなこともなく、魔王の目から光が消える


ようやく、長い長い勇者としての責務が終わった


これで元の世界に帰ることができると目を瞑ると頭に声が響く


『聖なる力を持つ子よ。闇に愛されし邪王を打ち倒しましたことを心からお礼を申し上げます』


と魔王退治をしてくれたことに誰かが指摘してきた


「誰だよあんた・・・俺は限界なんだわ。っで、あんたはこの世界の女神か天使かなんかか?」


『私は神です、女神か天使かどちらが近いと申し上げますと女神ですね。貴方を突然異世界に連れてきたことについては謝罪をします』


「今更そんなことを言っても意味ねえよ。終わって謝罪なんて程遠いことなんだわ」


『・・・そうですか・・・我々のせいで貴方の人生が大きく狂いましたことを謝罪します。そのお詫びとして貴方を転載することが可能ですがどうしましようか?』


突然な転生の単語に驚く勇者

願っていることが違うがどうして転生なのかと疑問を抱くがとりあえず質問をする


「元の世界に戻ることはできないのか?」


願っていることは元の世界に戻ること

天才ということは元の世界に戻ったとしても赤ちゃんになってしまう

それは嫌だと勇者は考える


『それはできません。貴方を元の世界に戻した場合、命を狙われることになりますよ?この世界で得た力を引き継ぐ形になります。そうなると・・・』


願っている生活を送ることはできないと告げられる


「・・・この世界で得た力を封じることはできないのか?」


力を封じればそのようなことはないだろうと考える勇者

力でも封じれば問題ないのでは?と思ってしまうが現実はそうはうまくいかない


『私達ができる範囲を超える力を持っている貴方の力を封じることはできません。なので転生をすることで元の世界に戻って転移前の生活よりもマシに生活を送ることができます。元の世界に送ることはできますのでそこについては心配不要です』


心配しかないのだが?と思った勇者

天才と元の世界にただ送るだけで差があるとは思えないが赤ちゃんになることで何か特典でも得られるのか

そんなことを考えることはない

彼からしたら絶望であるからだ


「・・・ざけるなよ・・・」


小さな声を漏らす


『?』


「ふざけるなよ!元の世界に戻っていつもの世界に戻るために魔王を倒したのにこんな仕打ちか!これじゃ、俺がやった意味がねえじゃねえか!!!!」


ついにキレた




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