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82.それは受け手次第

〈ルサルカ〉


ユリアンは前世? からの過酷な運命を背負っている。その上過酷な性生活を強いられている。

よくも今まで逃げ出さずに踏みとどまってきたものだ。


が、記憶にあるように、ある意味ではクロエの言葉通りでもある。

「立つ」のだ。そして「出す」のだ。


本心ではけっしていやがってはいない。

同体化している私には分かる。

ユリアンはホントはこういう……ユリアンの記憶にあるところの「変態プレイ」は好かないのだが、憧れのクロエに犯され、ハンナに「馴致(じゅんち)」? され、ヘルガに感化され、エイダに押し切られ、その都度「バージョンアップ」したらしい。

バージョンアップ? 語彙(ごい)から(かんが)みるに……上がったのか?

よく分からないのだけれど、慣れと迎合は「日本人の本質」? だそうだ。

前世から引継いだ「(ごう)」と言うらしい。


ユリアンの本質はなんだか難しい。




安息日だが、私が新月にはほぼ無力化することを考慮し、月末と月始めの2日間を暫定的に取り決めた。

何故暫定かと言えば……


「ルサルカ様の祝福がなくともユリアン様の自力で乗り切れるのでは?」エイダ


という強欲なる意見が皆に受け容れられた為だ。


ユリアン……強く生きて。


私も「相棒」として……少しは頑張るから。




〈エイダ・フォン・ミュラー〉


勿論分かっています。


ユリアン様に無理を強いていることも、わたくし達の、強欲を押し付けていることも。

しかし、聞くところではあと一人、ここに加わることが決まっているとか。


クロエ様はわたくしに耳打ちして下さいました。


クラウディア・ヴァン・ヘルムート王女殿下。


品行方正なる王国貴族令嬢達の模範たる至尊の姫君。




しばし前にクラウディア王女殿下の嫁ぎ先について内々の発表がありました。

()()令息たるユリアン様へ側室として降嫁(こうか)なさるとの悲哀に満ちたお立場に周囲は皆々様ご同情申し上げたものです。

ですが、わたくしは薄っすらと理解しておりました。

あの方はユリアン様に懸想(けそう)なさっておいでです。


全てはクラウディア王女殿下が王妃の策に委ねた自身の恋心を成就させるための策略。

わたくしはそのように看破(かんぱ)いたしました。


つまり、クラウディア王女殿下は偏執的なのです。

ご自身の野望の為には何もかもを利用し目的を必達する強い意志をお持ちです。


きっと思いを通した後はユリアン様に心身のかなりの部分を委ねることに躊躇い(ためらい)がない。

なぜならその手管はユリアン様には向けられていないから。

自身の誘導に染まっていない、まっさらのユリアン様に抱かれたいのでしょう。


そして恐らくは……歪んだ欲心をお持ちのはず。


立場が高い者ほど抑え込まれた欲望がとんでもないことになっているものです。

過去の記録にも王家のそうした醜聞はいくらでも散見されます。


そんな異常性欲の持ち主かもしれないお方を「更に」お迎えするユリアン様には今のうちに慣れて頂くのが我が役目なのです。


全てはユリアン様の為に……いたしかたなく。


しかたなく、なのです。




〈クロエ・ルセル〉


あのバカにあんな便利機能が付属していたとは。

正に拾い物でした。


ユリアンに無理を強いている自覚はありました。

学院ではワタシとルサルカ相手に一晩で4〜7回余りの射精を週3日。しかも土の曜日にはさらに三人増えます。

ワタシが鍛え上げた自慢の弟子であり、密かに改造しつづけている超中人族たるユリアンとて限界はありますから。


しかし、「もう無理」とか「死んじゃうから」とかいいながらもワタシ達に起立したアソコを見せつけ、さらなる希望と夢を提示し続けたのも他ならぬユリアン自身ではあるのです。

そして尽きることなく射精し続けるワタシ達への愛と欲求。

そう、ユリアンはワタシ達を愛欲の対象として今も強く求めてくれているのです。

ならばそれに応えるのは我らが妻としての義務。

故に求めもするのですが……流石にオーバーワークだったようです。


回生術式でも全く立たなくなって…………


「最優先課題が出来(しゅったい)しました。エイダ、状況説明を」クロエ


「皆様、ご覧の通りですが……ユリアン様がご起立なさらなくなりました。一時的なこととは思いますが、今後のことも視野に入れ、対策を話し合いたいと存じます」エイダ


「私は今日はもう憑依(ひょうい)できないからね。アンタ達容赦なさ過ぎ」ルサルカ


「もぅ、休ませて差し上げたらいかがでしょう?」ヘルガ


「君だけが味方なんだね」ユリアン


「不調即休養では事態に対する対応策の検討という命題に何ら()するものではありません。思考停止は最も忌避(きい)すべき態様です。皆さんもそこは宜しいですね?」エイダ


「しかし、このところユリアン様の聖剣にご無理を強いたことには疑いの余地がないのでは?」ハンナ


「その聖剣って呼称、もう決定なの?」ユリアン


「前回の……先週ですが、ユリアン様が寝落ちしたあとに決定しました」ヘルガ


「……へー、そーなんだぁ」ユリアン


「上位精霊様の御業の再現による、より根源的な回生は可能でしょうか? クロエ様」エイダ


「術式の組立て試行はずっとしているのですが……かなり困難ですね」クロエ


「従来の回生術式が効かなくなってきたのは繰り返しによる抵抗体質の派生でしょうか?」ハンナ


「ないとは言えません。しかし、あまりに唐突に事態が進展しています。他に理由を求めるのが合理的であるかに思えます」クロエ


「調査を進言します」エイダ


「調査? なにを?」ユリアン


「股間周りの……反射系術式の痕跡を」エイダ


「そんな……ユリアンに限ってそのような……ユリアン、四つん這いになってください」クロエ


「ボクを疑うの?」ユリアン


「さあ、やらないと終わりませんよ? 尻はこちらへ」クロエ


2分後、肛門と袋の付根の合いさ部分に非常に小さな反射術式が発見された。


共犯者ルサルカも全てを自白し、事件解決です。

あとは……皆を(たばか)った罰が必要ですね。


でも、ワタシ達との行為が罰になるのでしょうか?


むしろご褒美のような……いつも頑張るユリアンにご褒美。

当然のことですね。




〈ユリアン・エルフィネス・ルセル〉


「罰」として回生術式10回を強制された。

翌日は治癒をいくら掛けても下腹部に鈍痛があり、アソコのヒリヒリ感が1日中消えなかった。


使節団到着の前日譚である。

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