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68.大量買い付け

〈ユリアン・フォン・シュワルツクロイツ〉


まずは穀物の買い付けから。

宰相マテウス・フォン・クロイツェル曰く、元神聖帝国全国民をなんとか食わせるのに必要な穀物量は350,000tだそうだ。

当面の間に合わせとして100,000tもあれば息がつけるとか。


資金だが、大金貨換算だと250万枚、足元見られたときように2倍の500万枚を……はあまりにも多いので、大金貨10,000枚と等価となる金のインゴット(貨幣製造所の刻印付き)350個と大金貨150万枚を預りクロエの空間収納へ入れ込んだ。

円換算だと500億円!


しかもこれ、皇帝の私的資産の保管庫だけで賄えて、まだ半分以上余っている。ホントにバカだよな。周辺国から買い入れすれば済む話なのに。


まあ、資金はこれで充分だ。

だがね、段階的に買い入れると相場がどんどん跳ね上がる。


王国の年間余剰穀物量の推計はデータがないから出来ないが、毎年豊作で税率が下がり続けるくらいで、一部では豊作貧乏なんて現象もあるくらいだ。


他国も回れば恐らくはいける。




〈クロエ・ルセル〉


「クロエ、値上がりする前に一気に買おう。目標は350,000tだよ」


「ヴァン・ヘルムートだけでは無理では?」


「隣国も含め広範囲で一斉に買い付けるのが理想的。誰か優秀な代理人を立てて……」


「ユリアン。フランシア王国と……ヴァン・ヘルムートに於ける代理人に心当たりがあります。任せていただけますか?」


「え? うん。クロエがそう言うなら」


「ではその者が充分な働きを見せたなら望みの褒美を取らせると約束して下さい」


「へ、変なことでなければ……」


「大丈夫です。ユリアンには易きことです」


そう。簡単なことですよ。



さぁ、資金は余剰な程に準備しました。

全く、どれだけ溜め込んだのか。

使いもせずに滅びるなど、つくづく愚かな男でした。

ん? 死んでいませんね?

その後どうなったのかいずれ聞いてみましょう。



ソラを呼び、速やかに出立します。



ユリアンのたっての希望により、お義祖父様、お義父様のもとには寄らず、王都へ向かいます。

3日で到着。

直ちにエイダの元へとゆきます。

今期は領地へ帰参せずに王都屋敷にいると言っていましたからね。


問題なくエイダと邂逅。

ユリアンにはお茶を飲んでいてもらい、今回の事象をほぼ全て話しました。

その上で、可及的速やかに穀物の買い付けを依頼します。


しばし考えた後、ニヤリと笑みつつ快諾してもらえました。


必要金額を聞き、その2倍の資金を渡し、集積場所と時期を取り決めて、さっきはぎとった燃料を手渡して別れました。



次に目指すのは西の隣国フランシア王国です。

あそこには代々ワタシの代理人を務める眷属証所持の商家があります。


フランシア王国、王都パルス。

国一番となったらしいハンニバル商会へと。


大歓迎を受けました。相変わらずオーバーな家系です。


秘す部分は秘し、仕事を依頼。

資金を渡そうとしましたが、拒絶されました。

ワタシからの預かり金の運用益も莫大だし、ワタシから金を受取るなど絶対にあり得ない。と、全力で拒絶されました。


受取り日の打ち合わせをし、すぐに退去しました。

歓待など受けたら数日は引き留められるでしょう。


次は更に西にあるヒスパニア公国です。フランシア王国の大公家が独立し、成立した新しい国です。

大国から自立するだけあって豊かな国土と生産力を有しています。


この飛行中にハンニバル商会との関わりについて教えていたのですが。不意にユリアンからあの歌の歌詞について言及されてしまいました。ただ音として再現していたのではなく、言語として理解していた? 赤子が?

それにあの歌詞は……ワタシは違う、あの歌のようにはならない。でも、昔と違いあの歌詞に今はある種の共感を持っています。ユリアンはワタシとの未来をどう考えているのか。

いえ、「その時」までそれを語るのはやめましょう。



殆ど会話のない状態でヒスパニア公国へ到着です。


こちらではワタシ達が直接買い付けをします。

とはいえ、ここはヴァン・ヘルムート王国とは言語が違います。

ワタシしか会話が……ユリアン、話してますね?

え? いつ学んだのでしょう。


「ユリアン。言葉、分かるのですか?」


「完全ではないけどね、大体わかるよ。何故かは……どうしてかな?」


どうしてでしょう?

エルフ言語といい……


歌や楽器演奏もそうですが、ユリアンには謎な処が幾つもあります…………謎を秘めたユリアン。

素敵。



一通り首都を見て回りましたが、民間の商会では取扱い量も大したことはありません。

なので、宮城へ向かいます。

門番に


「破国の闇女帝がきたと大公へ伝えろ。30分待ってやると言い添えよ」


脱兎の如く……まぁ、遅いのですが、恐らくは全速力で走り……30分掛からずに案内を受けます。


「お初にお目に掛かります、予、あ、いえ、私はヨハネ……」


「自己紹介など要らぬ。ワタシの話しを聞け」


「はっ!」


「穀物の集積は順調か?」


「はい。順調で御座います」


「今期の余剰分は如何ほどか?」


「……大体で宜しいでしょうか?」


「構わん」


「おおよそ120,000t程かと存じます」


「では100,000tをワタシに売れ。勿論対価は払う」


「……かなりの額と成りますが?」


「いい値で払おう」


「承知致しました!」


思ったよりも安かった。

ユリアンの目標値は行けそうだな。


速やかに金を払い、集積済の穀物を空間収納へ放り込み。

退去した。



「……やり方が山賊のそれだよね」


ユリアン、それは違うぞ?

……いや、変わらんか。

だが金は払ったし、良いではないか?


「次は……ラーテルズ共和国?」


「……どうしてそう思うのです?」


「南周りで帝国に戻れば途中にあるのかなって」


ユリアン。素晴らしい発想力だ。


「正解です。ご褒美にワタシの……」


「早く行こう。みんな食料を待ってるし」


「…………そうですね」


チッ!


このところユリアンにあしらわれているような。

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