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61.伯爵無双

〈ユリアン・フォン・シュワルツクロイツ〉


翌日、早乗り込みしてきたシュトルツ伯爵一家と遭遇した。

ヘルガについての話しは一応進んでいて……なのにパパ伯爵と模擬戦することになった。



双方ともロングソード装備。


「噂に聞く黒騎士は装備しないのかね?」


「あれは増幅が掛かるので。模擬戦にはちょっと」


「ふん、では参る!」



小さなフェイントを入れてから斜め右へ瞬動。直後に左へ斜行しながら飛びこんできた。

オレの左脇をすり抜ける刹那横薙ぎに一閃。

右へ瞬歩して躱し後ろへ反転したところへもう一閃横薙ぎ。

スウェーして躱しながら蹴り上げるも不発。

バックステップからの瞬時の突進と突き。

これを右へ躱しながら剣柄で腹を撃とうとするも跳んで躱しながら回転し、剣先を突き込んでくる。

これも半身で躱して……着地したところへ喉元に剣先を突き付ける。


「それまで!」


爺さんの声が掛かる。


1分も掛からず終えた攻防は幾人が認識できたことか。

パパ伯爵、マジ強え。レギオス師に迫る強さだ。


「これほどとはな。ユリアンよ、我が息子となるのであろう?」


「その儀はお断りした筈ですが?」

父が下手に出ながらも意見する。


「ユリアン程の逸材を独り占めする気か? まだ12歳でこの力量、直にゼーゼマン卿を超えよう。王国最高戦力ぞ? 我が娘婿にこれ以上相応しい男は……」


「シュトルツ伯爵よ、ワタシからユリアンを奪う手筈でも整えたのか?」


クロエから負のオーラが立ち昇る……見えるようではなく、見える!

あ、闇魔導術式でなんかしてる?


「い、いえ。けっしてそのような……」


「ヘルガは貰い受ける。これは決定事項だ。まだ文句があるならば……ワタシが受けてやろう。なんでもありで全力でこい」


「なんでも?」


「あぁ、なんでもだ」


「街の外で頼めますかな?」


爺さんが慌てて声を掛ける。





3時間後。一堂は街の南西5km程の草原にいる。


パパ伯爵の魔導術式が炸裂しまくっている。

一切の加減なくドッカンドッカンと撃ちまくり、それをクロエが無表情に捌いていく。

大概魔力と魔素が尽きてきたところで、徒手の攻撃に切り替えた。

大気が震えるほどの打撃音。


つくづく郊外へきてよかった。


徒手の攻防は五分くらいで収束した。

パパ伯爵のスタミナ切れ。

終始全力じゃあねぇ、オレでも保たない。


ん? 二人でなんか話している。

ここは……デビルイヤー!


「ヘルガには酷なことをした。我が娘ながら、あんなに健気な子を詐術に掛けるようなことをして……親の欲目を優先してしまった。ヘルガ、済まない」


「それをワタシに独白されてもな。それにヘルガならば既に救われている」


「救い……それは?」


「ユリアンに想いをぶつけ、そして遂げた。ワタシの目の前でな。以後は人生の全てをユリアンに捧げるとの誓いも立てた。お前の娘は今や我が眷属だ。誇れ」


「おぉ、破国の闇女帝に仕えると?」


「違う。共にユリアンに仕える姉妹としてだ」


「なんと! ユリアンに、いや、ユリアン様に共にお仕えすると? 我が娘が……クロエ様の妹……」


「祝福してやれ。ヘルガはユリアンの側室となる。無論正妻はワタシだ」


「謹んで。ご助言、承ります」



ロッテから言われてたやつか。

これも計画通り?

スゲェなクロエの口車。


ふと伯爵家御一行を見やる。

ずっと大人しくしているが、そこにはヘルガたんがちゃんといる。

型通りのご挨拶をしたのみで、けっしてボディータッチとかはしてこない。


あのイカれた侍女ロッテも無表情で侍っている。

オレにあのパンツを下ろさせた策謀の女。


クロエと伯爵がこちらへやってきた。


「マルキアス卿! 我が任はこの地の防衛にあり、卿の麾下として今後も励むことを約するものである。しかし! 我がシュトルツ家は娘共々ユリアン・フォン・シュワルツクロイツ様の下に着く。ユリアン派の旗頭としてユリアン様に従うことをここに宣言するものである!!」


あれれぇ?

おかしいよぉ〜?

さっきの会話からこの解答は証明式が得られないよぉ?


起承転結の結が独特。


「なにを仰っしゃっておられるのですか? 貴方はお祖父様の派閥の筆頭ではないですか。そんな勝手が許されるわけが……」


「ユリアンに将器を見たか、パウルよ。良かろう。我が孫を支える礎となれ。そして大成させよ!」


このジジイはまたノリで適当なことを! また婆ちゃんに怒られるぞ。


「なんですか! ユリアン派って!? ハッキリと言いますが、ボクは学院卒業したら貴族から離脱してハンターになりますからね! 派閥とかなんとか、そういうのとは無縁のところで生きるんです」


「ハンターか、ヘルガはどうするつもりなのだ?」


「え? いや、あの……クロエ?」


「ヘルガにはユリアンの種を与え子を為さしめます。ユリアン派というならば、その子を盛り立てなさい。さすれば次代のお前の家にも加護をやろう」


「では我が家がユリアン様の本家に?」


「ユリアンの分家は複数出来るであろう。そのうちの一つだ」


「複数と言われますと?」


「今確定しているのはミュラー公爵家の娘だ。近々もう一人増えようがな」


え? もう一人? 誰?


「もう一人とは?」


とは?


「まだ言えぬ。休暇あけには動くであろうよ…… ヘルガ!」


「はい」


「只今をもってお前をユリアンの第三側室に任じる。我が姉妹として恥ずかしくない努めを果たせ、良いな?」


「謹んで拝命致します」


オレの側室は軍役とかなのか?



ヘルガのお袋さんが涙ながらに祝福してるし、あれ? 弟いるじゃん。跡継ぎと違うの?

なんかオレの子孕んでその子に継がせる流れになってない?


絶対揉めそう。


しかし、第三側室?

第一 ハンナ

第二 エイダ?

第三 ヘルガ


かな。

そして謎の第四?


まさか6Pとかないよね?

流石に無理だろ。


子種かぁ、成人後だよな。さすがに。

子持ちになるにはまだ早いし。


ってかさ、旅には何時出るんだ?

妊娠させて知らん顔は出来ないだろ。


あーもーいーや。どうせクロエプランからは逃げられない。

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