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27.新任教師②

〈クロエ・ルセル〉


四日目 風の曜日


もはや学内でユリアンと一緒に行動するのが日常になりつつある。

1日中一緒。


ユリアンは嫌がるけれど、トイレだって本当は一緒に入りたい。

だってホンのちょっと前までオムツを替えて排泄物処理もしてあげた仲だし。

いまさら排便の姿を見られるのが恥ずかしいとか言われてもピンときません。

当時はワタシに見られながら大小ともに放っていたではないですか。

まぁ、オムツの中にですが。


ワタシにとってはあの頃のユリアンも今のユリアンも変わりなく同じユリアンなのです。


平素ワタシに放つものが白くなっただけです。

しかもソレを放つ際は恥ずかしげもない。

もぅ、ユリアンったら。


いっそまたオムツを着けてあげようかしら。そうしたら以前のように割り切れるのではないかと。

うん。週末、ハンナに相談しましょう。


秘めたる思いはそのままに、昨日の分まで求めます。

優しく雄々しいユリアンはいつものように応えてくれる。

そして白いモノを8回放って下さいました。

いつもより多めです。


とても癒されます。ユリアンの癒しはこの世界最高峰です。



五日目 土の曜日


お手洗いに行っていた僅かの隙を突いて小便小娘がユリアンの腕に絡みついて何やら囁いています。

瞬時に風の刃を飛ばし左右の耳を3mmほどずつ切り裂いてやりました。

糸を引くように垂れ落ちる血。

何も言わずしゃがみこんで頭を抱えて震えています。


傍らまで歩み寄りなるべく低音の声で語り掛けました。

「防護しているつもりですか? その両腕ごと首をおとしてさしあげましょう」

む? 漏らさない。

耐性ができたのでしょうか。


「その辺で許してあげてよ」


苦笑しながらユリアンが助け舟を出してきます。

まぁ、ユリアンと同派閥の娘を殺してしまうわけにもいきませんしね。


チッ!


ガタガタと震える小便小娘を見下ろしながら次はどうしてくれようかと考えを巡らしていると、教室の外から口上があがりました。

「アウグスト・フォン・エールリヒ学院長です。入ります!」

と、大きな声と共に扉を開き学院長が入室してきました。


惜しいですね。ここはワタシの返答を待ってから入室すべきところです。

まぁ、面倒なので返事などしませんが。


ということは彼の行動は正解?

一国の重鎮として熟慮した結果だとしたら侮れませんね。


いえ、やはりただそういう性格なのでしょう。


ワタシの姿を認めるとこちらへ歩み寄ってきます。

長めの間合いをとって立ち止まり頭を垂れます。

額を覆うように巻かれた包帯が痛々しい。


どうしたのでしょう?


「歴史学講義の準備が整いましてごさいます。私がご案内致しますのでどうぞこちらへ」


廊下に目を向けると大昔に遠国の貴人用に多用されたという輿(こし)が鎮座していました。

廊下へ出て見ると、その傍らには8人の大柄な兵士が控えています。


馬鹿なのでしょうか。


輿に設えられた椅子にワタシが座り、それをあの兵士達が肩の上に担ぐと床面からワタシの頭頂部までの高さは約2.7m程と推定されます。

学院建物はどこも余裕のある造りになっていますが、2階、3階の天井高さはワタシの見立てでは3mを切るでしょう。

そしてここは2階です。

恐らくは頭頂部から天井までの離隔(りかく)は20cm弱。移動時の上下動を考え併せると10cmも無いでしょう。

はたから見れば危ういことこの上ない。

ワタシのユリアンがそんなことを許容するはずもありません。


そこまでの考えを手短に説明してやると包帯男は愕然としながらも、試しにと言って自身が輿に乗り担ぎ上げられて頭を天井に打ち付けられていました。

彼はワタシよりも身長が10cmほど高いそうです。


実践主義なのはよいのですが、実地に至るまえにその主義を発揮すべきでした。


残念な男です。

怪我をしているのにさらに頭を打つとか。

ところであの包帯の怪我? はどうしたのでしょう。

んーー、まぁ、どうでもよいですね。


どうやら出血は免れたようで、学院長がワタシ達を先導します。

徒歩で案内されて見覚えのある広間へと通されました。

何かを思いだしそうな……既視感?

あ、あの包帯! そういうことでしたか。


歳を取ると物覚えが……ではなく、あまりに興味がないことは覚える必要のないものとして、超短期間で記憶から排除されることがあるのです。

エルフあるあるですね。こんどユリアンにも教えてあげましょう。

勿論ユリアンのことは初対面の生後6ヶ月から現在に至るまで、離脱期間以外全て記憶しています。

一度ハンナと二人で答え合わせをしたのですが、気がつくと朝になっていました。

離脱期間の出来事やユリアンの可愛いアレコレを沢山教えてもらって大満足の夜でした。

ハンナはユリアンを分かち合える唯一の存在。

失うべからざるもの。


ユリアン以外でたった一人、ワタシの性欲、ワタシの無聊を慰めうる稀有なる人。

フフフッ、ユリアンにとって、そしてワタシにとっても二番目の女ですね。



ここまできてから気が付いたのですが、昼食を取っていません。

ワタシはともかく育ち盛りのユリアンには昼食が必要です。

包帯……学院長にそのことを伝えようとすると、なんだかよい匂い。

案内された大講堂の隣室に食事の用意がされていました。


包帯、やるではないですか。名前は……確か、ん? そういえば名乗りをしていたような?

まぁ、小さなことですね。


食休みをしっかりとってから大講堂へ移動することに。

中へ入ると、まずは学生達の姿が見られます。人数は100人を超えるでしょう。

選択学生数を遥かに上回りますが、まぁ、そこはよしとします。


学生達の後部座席には多数の老人と大人達が整然と座って静かにしています。

良いでしょう。認めます。


さぁ、初めましょう……ユリアンの席は? 包帯に目を向けユリアンを指し示します。

彼が指差す先には壇上の舞台袖に良い設えの椅子が一脚用意されていました。

彼への好感度が僅かに上昇したのは言うまでもありません。



国王を筆頭にこの国の上層部の殆どが参加しての講義はこの先も続きます。

面倒ですが、条件を満たし続けるならば許容しましょう。


そこにユリアンがいるならば。



屋敷に戻りハンナとユリアンを分かち合います。

週末しかユリアンに触れることが出来ない彼女の無聊は如何ばかりか。


1対2で力尽きたユリアンが堕ちたあと、少しでも慰めになればとオムツの件を切り出したら思いの外強い歓心を示しました。

実は彼女もユリアンにオムツは夢想していたそうで、準備までしてあるそうです。さすがユリアンに「出来る女」と評される人です。

そのあとは如何にしてユリアンにオムツを履かせるかを相談します。


寝ているユリアンの横、二人で互いを慰め合いながら熟考を重ねます。


愉しい時間でした。

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