110.可愛い武人
〈ユリアン・エルフィネス・ルセル〉
そんな一幕がありながらも7時過ぎにはダイニングへ。
おや? 朝食の様子が……初めての料理が並んでいる。
「なんだか美味しそうな料理だね。どうしたの?」
朝から出張ってきている宰相マテウスに聞いてみる。
「おはようございます。陛下。今朝のお食事は娘のブリュンヒルデが作りましてございます。お口にあうかはわかりませぬが、どうか一口でもご賞味いただけますれば幸いにて」
「宜しくお願い致します」
へぇ、料理が推しポイントだもんね。まあ、食べてみよう。
高次元。
この世界の料理にはフォンを取ったり、煮こぼしをしたりと、下ごしらえや出汁的な調理方法は確立している。だが、蒸し料理は今のところ出会ったことがないし、ハーブの使い方もブーケガルニのような洗練さがない。
何と言うか中途半端なんだ。
不味くはない。だが唸るほど美味くもない。
しかし、みんなは割と満足している。
そんなカンジ。
だがこれは……
「この生野菜には2種のチーズと岩塩。岩塩は2種、いや、海塩を含め3種をブレンドしている?」
「その通りです! 流石陛下、よくお分かりで……」
目がキラッキラしている。
「魔獣……牛系統のアバラ付近の肉を塩漬けに? 塩を洗い流してから……複数のハーブを粉砕した物をまぶしてから遠火で時間を掛けて焼き上げ、周りをこそぎ落とした中の肉に更にハーブを……」
「そ、そこまで……何と言う見識と味覚……」
「スープは……ほう、焼いた牛骨から低温で出汁をとっているね。多数の香味野菜とともに。アクも丁寧に取り除いてある。素晴らしく手間暇の掛かったスープだ。もてなしの精神が如実に感じられる一品ではないか」
ブリュンヒルデが泣き出した。
「全ておっしゃる通りで御座います。我がおもてなしの全てを……なんと尽くしがいのある主であることか……」
「料理には最上級の讃美を。とても美味しい、満足のいく品々だよ」
「有難き幸せにございます!」
「ただね、不満もあるんだ」
「……え?」
「これらをこの時間に饗するには……君、寝ていないよね?」
「……はい。しかし……」
「君は今夜からボクの女になるのだろう? 寝不足はお肌の大敵だよ。君は荒れた肌をボクの前に曝すつもり?」
「! き、気がつきませんでした! これより肌の手入れを……」
「違うんだよ、ブリュンヒルデ。手の込んだ食事は余裕がある日の晩餐に饗すればよい。朝は朝なりの簡易な食事でいいんだ。ボクはね、ブリュンヒルデには出来る限り綺麗な可愛いブリュンヒルデでいて欲しいんだ。たとえ無理していないと君が思っていてもボクの心が重くなるんだ。余りに入れ込む君の顔の眉間にシワなんて作って欲しくないんだ。分かってくれるよね?」
くぅぁ……と、小さく呻く彼女は……膝から崩れ落ちる。
「あぁぁぁぁ……今死んでも今生に悔いはありません」
「ブリュンヒルデ、父はお前が心底羨ましい。そして……誇らしく思うぞ」
「……父上」
抱き合いながら涙する二人。
それを呆気にとられながら眺めるローゼ。
余程に親子の確執があったらしい。
食事を終え、お茶を飲みながら昨日の飛竜について話し合う。
方角的には西の方から大挙して飛んできたという。道中の駐屯部隊から鳥が何羽かやってきて、伝書により齎された情報だそうだ。
アルプス山脈方面からの団体さんだと考えてよいみたいだ。
「ソラ、飛竜って群れるの?」
「繁殖の時に少しだけね。あんなに沢山にはならないよ」
「なんでこんなところまで来たと思う?」
「ナワバリからは殆ど出てこないはずだよ。考えられるとしたらね、ナワバリから獲物が居なくなったこと、そして……人族を美味しいエサと認識させられたこと」
「だとしてもここに来るまでに村や街は在るはず。ブリュンヒルデ、何処か襲われた集落の話しは来てない?」
「今のところ情報は入ってきてはおりません」
「いきなり王都へか」
「陛下、帝都に御座います」
「……うん」
「ソラ、お前が飛竜であったころは人族との会話は出来なかったな?」
「うん」
「では決まりだな。敵対者による精神支配であの150匹は帝都の襲撃者となったのであろう」
「そんなに沢山支配できるの?」
「ワタシなら可能だが……数十人の術者を集めたのではないか?」
「そんな……闇の遣い手ばかりそんなに集めたらバレるでしょ」
「名目を変えて集めればよい」
「例えば?」
「帝都で祭り。これを盛り上げる仕掛けとして飛竜を大量に使役するとかな」
「いや、バレるでしょ」
「術者達を一人ずつ精神支配すれば?」
「……可能か?」
「そもそもだ、首謀者は誰なのか……マテウス、なにか情報はないのか?」
「これほどの計画立案と実行力がある勢力となりますと、二つほどしか上がりません。どちらも監視態勢はかなりのもの。ですが、計画段階での報告などは御座いません。そうなりますと第三の勢力が、ということになりますが、資金力、組織力においてあの規模の戦略実行などとても……」
「ユリアン様、発言してもよろしいでしょうか?」
「マグダ? うん、話して」
「宰相閣下の言う2大勢力とは元ルーメル帝国派と西部軍閥連合かと存じます。これらに充てられた監視の影ですが、前侍従長配下の者達で占められております。元ルーメル帝国派の首魁は前皇帝の叔父であるアイロス・フォン・ルーメリア公爵、前侍従長はこのアイロス公爵が皇族であった際の侍従でありました」
「報告が偽りであると?」
「予断ではありますが」
「マテウス、今影を統べているのは?」
「現侍従長に御座います」
「クロエ?」
「アレは大丈夫だ。ユリアンのシンパなのは間違いない」
「マグダ、調査をするとして、補助はどれくらいいる?」
「ソラ殿を、あとは……1週間は帰参出来ませんので……出立直前に種を頂きたく」
「ソラ、お願いできる?」
「ボクも種が欲しい!」
「マグダ、支度ができるのは何時くらい?」
「昼過ぎには」
「それじゃあ、昼過ぎに寝室で……三人でね」
「ユリアン、ワタシも……」
「三人でね!」
「……」
「わたしも付き合おうか?」
「ルサールカ? どうして?」
「わたし、隠密行動の補佐できるよ? それにいざとなれば殲滅も出来るよ?」
「数千人くらいいるかもだよ?」
「大精霊を舐めないでよね」
いや、毎晩のように舐めているが?
「ルサールカも後で……舐める?」
「し、しようがないなぁ」
昼食後、それぞれと致して、見送った。
因みにルサールカの言う隠密行動の補助は……飛んでいるソラの光学迷彩!
水膜で像を透過させるという素敵技。
風魔法も併用し、音も消し去る完璧っぷり。
スゲェや。
そして晩餐。
いや、この女、職業の選択間違ってんだろ!
なに食っても美味い。
仕事柄かなり食い道楽を重ねて舌も肥えたし、知識もライターとかできるレベルで積上げていた。
そんなオレが唸らされまくった。
女が意中の男をモノにする手練手管の一つに胃袋を掴むというのがあるが、こんな飯食わされたら……そりゃあ嫁に欲しくなるだろうよ。
34歳だそうだ。メシウマで裁縫が得意でデザインセンスもかなりのもの。
その上ベアトリクスを上回る武闘派。
初恋で、まるで十代の乙女のような思考と仕草は可愛いの一言。
そんなブリュンヒルデはハンナの助言を受けて、湯浴みをせずに閨へと罷り越した。
「不束者ではありますが……暗き時も明るき時も共にあり、生の終わりのその時まで」
「共に」
口上が王国と少し違うな。
「あ、あの、身体を清めておりませぬ。まことによろしいのでしょうか」
「何故か……誰もがボクの体臭を好きでね、みんなが嗅ぎたがるんだ。だからというわけでもないんだけれどさ、ボクも相手の体臭をね、嗅ぎたいんだよね。君にとってはどうか分からないけど……一先ずは」
ブリュンヒルデの顔をユリアンの胸元へ抱き寄せる。
だんだんとブリュンヒルデの鼻息が激しくなる。それは下方へと向かい始める。
股間に顔を埋めて止まらぬすーはーを繰り返す。
肩を掴みめっちゃ高まった表情のブリュンヒルデのお顔を眼の前に持ってくる。
「さて、始めようか」
そう言ってキスをした。
彼女からも強く求めてくる。
衣服は他の子たちによって剥かれてゆき、見る間に裸にされる。
凄まじく引き締まり、戦士としての筋肉がぎっちり詰まったその身体に豊満な乳房が具備されている。
そのどこもかしこもが物凄く敏感。
「ウクッ、はぁっ! くぅぁ……きひぃぃ……あぁっ! い、あぁ……あぅっ!」
いい声でなくんだ、これが。
昨日のソラ同様これが初めてな子だからね、前戯をガッツリと行い、彼女の女へと舌を這わせる。
途端に背中を仰け反らせて「ハアッ!」っと半ば叫びを上げる。
匂いは……うん、いいね。好みの香りだ。合格。
そして挿入。
かなりほぐしたつもりだったが、筋肉のせい? で、余りにキツイので……
「一気にいくよ?」
「……はぃ、来て下さい」
ずりゅ!
「クハァッ…!」
三十代半ばでの初体験は痛いだろうな。まずは、奥まで入れ込んでから動きを止める。
「どう? 君の中にボクがいるの、分かるかい?」
「……くぅ、はい。陛下が……私の中にいらっしゃいます」
「これで君はボクの女になったんだ。そしてボクは君の男になった。これからも宜しくね」
「私が……陛下の……女……」
中がビクンビクンと痙攣し始める。
ぎゅうんと締め上げ吸い寄せようとしている。
「あ、あ……へ、陛下……なにか……なにかが……あぁ、くる……来ます! ……ああぁぁぁぁ!」
プシッ、ぷしゅぁぁぁぁ………
マサカの初体験潮吹き……あ、結構みんなもか。
もうね、息も絶えだえ意識も朦朧状態だけれども、中へ種を出すのは義務。
やむを得ないよね?
ピストン開始。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン………………………
「ぐぅ、がぁはっ! いぁぁぁ……ハァァ……うぅん、あ、あ、いぃ!」
おや?
ヨガってらっしゃる?
しっかし、締りがパネェ。もぎとられそうということはないが、ギュンッギュンに締めて……お、おぉ!
びゅるるるるる……ビュル!
ハァハァ……幸せな射精だった。
ってなわけで、ブリュンヒルデは堕ちた。
その後はこのところの何時も通り一人一撃で倒し……もの足りないので、約束通りクロエに突撃。
3回目辺りで気が狂ったかのように…………発言の責任を取ってもらったよ。
はぁ、満足。




