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107.二人追加

〈ユリアン・エルフィナス・ルセル〉


「陛下、先程の件につきご質問をさせていただいても宜しいでしょうか?」


「飛竜の件?」


「そ、そうです。飛竜です! 監視塔から知らせを受け我々も臨戦態勢を取りつつありました。一見して絶望的な数の飛竜が一瞬にして消失し、生存飛竜もみな呆気なく落とされ……あれは陛下が?」


「うん、そうだよ」


「一体どのように?」


「極大爆炎魔導術式を圧縮して甲殻状に物質化した魔力体に大量の魔素ごと閉じ込めて、ソラの暴風で包み込み圧縮。クロエに街全体を結界で覆ってもらってから術式をソラに飛ばしてもらって群れの真ん中で炸裂。撃ち漏らしはこちらのヘルガが特殊な水槍で遠隔射撃して撃ち落としたよ。という流れ」


「「「「「「「「「「魔導も?」」」」」」」」」」


「もう隠してもしょうがないから言うけど、ボクはね賢者なんだよ」


「「「「「「「「「「武神で賢者?」」」」」」」」」」


「神ではないね」


「陛下……賢者は古来より王権に並ぶ権威を有する者として、複数の王から推薦(すいせん)を受け魔導の頂点に在るものとして推戴(すいたい)されるものです。陛下は新生ユリアヌスルセル帝国皇帝と同時に賢者の推戴もお受けになられましょう。そして救世の御子として公表し、世界の崇敬(すうけい)を一身に背負われる神聖皇帝となられるのです」


「あれ? いつから皇帝になっちゃったのかな? 王だよね? ユリアヌスルセル王国だよね? ね?」


「選王達から陛下の直参に加わりたいと使者が参りました。さらに東の小国群が軒並み我が国の傘下に入りたいと………ガイウスブルグから知らせの鳥が。我が国は他国を包含(ほうがん)する帝国となりまして御座います。皇帝陛下」


「選王の使者、早くない?」


「そうですな、ドライリッターの連名布告書が届く前に決断したのでしょう。良き判断かと」


「東の小国って、国喰い旅団が関係してる?」


「その通りにて」


「国土、だいぶ広がる感じかな?」


「黒き海の北側はほぼ我らが領土となりますな。南側も時間の問題でしょう。国土は1.5〜2倍になりましょうか。これも(ひとえ)に陛下の御威光によるものに御座います」


「……お腹空いたな」


「はっ、では帝城にて」


何故かブリュンヒルデとローゼも荷物持参で一緒に城へ向かった。



ソラの居場所も用意したとのことで、「付いて来てね」と言った。上空を見るとゆったりと舞うソラがいる。

あの巨体の構成要素の大部分はオレの魔力だ。

しかも本人? はオレの眷属希望だ。

一抹の……不安なのか、希望なのかは自分でもよく分からない。


もし、もしも想像通りの事態になったならば……受け容れよう。

結局のところ、ソラは可愛いんだ。

見た目なんて関係ない。

あり様が可愛い。


くっ……可愛ければなんでもいいのか? いや、違う! 深い繋がりがあってこそだ。


だからブリュンヒルデはない。

可愛いとは思うけれどもね。



そして晩餐。

そこにはドレスアップしたブリュンヒルデとローゼが同席していた。

何故?


それなりに……いや、かなり………結構な淑女っぷり。

目を、目を惹かれる。

くっ、誰か……オレを引き留めてくれ!



背後に気配を感じる……濃厚な魔力滞留………いや、これやばくない?

強大なる魔力の奔流(ほんりゅう)。それが収斂(しゅうれん)してゆき……やがて人体を構成しだす。

そうして眼の前に現れたのは……ちゃんと女として生まれたらこんな姿だったであろう、ユリアンのもう一つの姿。

とは言え、顔や体格に差異はない。


ソレが何者なのか、オレにははなっから分かっていたし、クロエにも分かっていたらしい。


「ボクの似姿(にすがた)か?」


「ボクにとってのヒューマンはユリアンだもの」


他の皆が構える中で親しく語り合う2人。


「これじゃあソラの姿を褒められないじゃないか」


「なんで? ユリアンは……ボクが知る中で一番美しいよ?」


「照れるなぁ。でも、うん。ソラは可愛いね」


女体を(かたど)った全裸のユリアンの姿をしたソラのはにかみ顔は、同席した全員に対し凄まじい破壊力を(もたら)した。


オレは立ち上がり、シャツを脱いでソラに(まと)わせた。

下半身裸のソラと、上半身裸のオレ。


数人ばかり鼻血を垂らしているのがいる。


クロエに服を出してもらい、別室で着せる。

男装ユリアンと女装ユリアンの揃い踏み。

うん、我ながら可愛いぞ?

いや、めちゃ可愛いぞ。


どうしよう、ナルシストなつもりはないんだけど……可愛いし。


「ソラ、可愛いね」


「ユリアン……ユリアンも可愛いよ?」


どうしよう、これ。


はっ、これは、あれか? 永久機関的なやつか?

自分を見ながら励むやつ。


いや、違う!

ソラはソラだ。オレじゃない。

あの仕草、あの愛らしさ、その存在感。全てがオレではないなにか、そう、ソラだ。


肯定しよう! 「ソラ」の可愛らしさを。



「やっぱりソラだから可愛らしいんだよ。ボクではそうはいかないよ」


「……もぅ、ユリアンは……あとで、ね?」


くぅあっ!

キタッ、コレ。あぁ、今直ぐ抱き締めたい!

なんて可愛いんだ!


そういやぁオレって実はユリアン好きなんだよな。

女装したら鏡見るのが楽しみだし。

ってか、日常でも鏡見るの結構好きだしね。

ナルシストとは違うんだ。何と言うか、客観視しているんだ、自分を。

前世とは全く違うビジュアルのユリアンを愛でている自分がいる。


そんな自分の前に女体版ユリアンが爆誕(ばくたん)だ。そりゃあ萌えるだろうよ。


抱きたいかって?

………………………………………………………うん。



「陛下!」


うん? ブリュンヒルデか。


「わたしは……陛下の種が頂きたいので……オリジナルの陛下が良いです」


中々太い肝を持っているな。

ここでその発言ができるとは。ってかさ、クロエが意に介していないんだよな?

肯定? んー、分からん。


「ごめんね、これ以上増やす気はないんだ」


「しかし、そこなベアトリクスなどは側妃でも御座いますまい。なれど……なさっております……よね?」


「なんでそう思うの?」


「そやつは帝国の強姦魔とまで渾名(あだな)された真性のレズビアンです。集団の中に男がいるのが気に食わないと、単騎が許される地位を実力でもぎ取った女。そんな者がいくら陛下相手とはいえ、あのような……好きこのんでお側に侍るようなことはありえないのです。ならば答えは一つ、陛下に……抱かれたな? ベアトリクス?」


ベアトリクスの顔が……引きつっている。が、頑張れベアトリクス。否定するんだ、ベアトリクス!


「……陛下は先程から何度も申されております。これ以上増やさないと。我らとしても……これ以上は」


「みぃとぉめぇたぁなぁー、ベェアァトォリィクゥスゥー!」


「ヒッ!」


なに肯定してんだよ! 悪手だと分からんのか? しかもエラくビビッてるじゃん? 何かあったのか?


「貴様の如きビッチがお美しい、至尊の陛下からお情けを頂戴するなど……神が赦しても私が赦さん! 貴様を排除して私が代わりを務めよう。ベアトリクス! オモテへ出ろ!!」


成り代わり!? うちのハーレムにそんな制度はない!


「待ちなさいブリュンヒルデ。お前は武人として以外に何か才を持っているか? そこなベアトリクスは素晴らしい裁縫の腕を有している。他家の家人と共に我らの挙式用ドレスの製作にも(たずさ)わる稀有(けう)なる者ぞ? それを排除するというならばお前はそれに勝る才を示さねばならぬ」


へえ、ベアトリクスそんなこともしてたんだ。へぇ~


「皇妃クロエ様、そこなベアトリクスに裁縫を指導したるはこの私めに御座います。今も研鑽(けんさん)(おこた)らず、このドレスも自作にて」


え、マジ? 一見して眼を引く上品かつ絢爛(けんらん)なあのドレスが自作?

スゲェ腕じゃん!


「そこなローゼのドレスも我が作にて」


あの可愛らしいフリルとリボンの白基調のドレスも?

あれさぁ、ヘルガに着せてみたいとか思ってたんだよね。ユリアンにもあいそう。


「なんと……ユリアン」


はぃ?


「なに?」


「ワタシはそこなブリュンヒルデを迎えるに不足なしと思うのだか……ユリアンはどう思う?」


「クロエ様! 身に余る光栄に御座います!!」


「ルサールカいれたら……ソラもかな? 10人だよ? もうさ、無理だよ」


「今のユリアンならば晩に10回、朝に10回など無理なこともなかろう?」


「な、1日20回ですと!? 陛下は ソチラでも稀有なる英雄で御座いましたか……ならば」


マテウス? 何言ってんの、お前。


「もしも、もしも許されますならば、我が不肖(ふしょう)の娘を……貰っては頂けないでしょうか」


「……父上」


なにいい空気作ってんだよ?

もう要らない、お腹いっぱいだよ。


「それに身贔屓(みびいき)なこととは存じますが、娘はこう見えて貴族の娘らしからず、家事全般を高いスキルで(こな)し、特に裁縫と料理の腕は特筆にございますれば」


「ほう? 料理の腕か、旅先にて重宝よな」


あぁ、進んでいる。オレ不在で進んでいる。

ま、いつものことか。どうせ不可避ならば、


「分かったよ、マテウス。貴方はボクには過分なほどに良く仕えてくれる。その娘子の嫁ぎ先を憂う気持ちも良く分かる。そしてブリュンヒルデ、君はボクにその気持ちを真っ直ぐにぶつけて来る素直で正直な人だ。その見目の秀麗(しゅうれい)なること、仕草の可憐なることはすでに見知ったところだ」


一息ついて、


「ブリュンヒルデ・フォン・クロイツェルよ、お前が望むならば我が側妃となれ」


「おぉ、謹んでお受け致します」


貴族の礼をとり顔を上げて、


「元より我が身、我が生命は陛下のものにございますが、改めてお誓い申し上げます。私の全てを捧げます。どうかお受け取り下さい」


「あぁ、頂戴するよ。挙式は来年2月だ、君の花嫁衣装も楽しみだね」


「あぁ……」


ふらつくブリュンヒルデ。


「何たる至福か……愛しき人を得るとはこういうことか。私が陛下のモノになる……あの、陛下。今夜から閨に上がりたく……」


「今夜はやめようか」


「陛下、私からもお願い申し上げます」


マテウス?


「娘はこの歳にして未だ乙女にて……嫁ぐことが決まった以上は早期に女の幸せを渇望(かつぼう)しておりましょう」


「……今夜はソラとも情を交わすことになる」


ソラを見る。めっちゃはにかんでいる。かわええ~


「だからブリュンヒルデは……明日、ね?」


「グブゥ!」


ブリュンヒルデ? あ、鼻血出てる。

ローゼがハンカチーフを……

仲いいな、この2人。



さて、まずはソラだ。

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