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異世界召喚されたが無職だった件〜実はこの世界にない職業でした〜  作者: 夜夢
第三章 極東の島国編

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第62話 ぶっ壊れジョブ魔物使い

 初めての魔物をテイムした俺は一度キュウ太から聞いた魔物使いについて考えをまとめてみた。


【魔物使い】

・テイムした魔物との間には絆レベルがある。

・絆レベルは低いと会話すらできない。

・絆レベルが上がると会話ができるようになる。

・絆レベルが最大値になるとテイムした魔物のスキルを使えるようになる。

・テイムした魔物は普通の食事か主人の魔力を糧に生きる。

・テイムした魔物は普段【モンスタールーム】と呼ばれる空間におり、呼ばれたら出てくる。

・モンスタールームではテイムした魔物の合成も可能。合成先は主人が選べる。

・テイムした魔物のレベル上限は主人の現在レベルと比例する。


 まとめ終わった俺は元気いっぱいに戦うキュウ太を見ながら呟いた。


「これ……ぶっ壊れジョブじゃん」

「ぶっ壊れ……なんです?」


 首を傾げ尋ねるアヤメに俺の考えを話した。


「魔物使いはテイムした魔物の数だけ強くなれるんだよ。魔物も自分と同じレベルまで基礎レベルが上がる。俺の基礎レベルは今ヤルダバオトを倒したせいか120まで上がってるんだよ」

「ひ、120ですか!?」

「うん。つまりキュウ太も120まで上がるんだよね。そしてキュウ太が戦って得た経験値は俺にも入るみたいで……あ、俺の基礎レベルが上がった」

「え、えぇぇぇ……」


 成長加速が効いているのかレベルの上がり方がエグい。同じくキュウ太の基礎レベルもガンガン上がっている。まだ地上二階層だ。


「そんなジョブが埋もれていたなんて……」

「埋もれてたっていうか、気づかなかったんじゃないかな。テイムした魔物を道具のように扱ってたら絆レベルは上がらないし、俺みたいに成長加速スキルがなかったら簡単にレベルも上がらないだろうしさ」

「……真に壊れているのはリヒト殿ということですね」

「ははっ、言えてる」

《僕は主に認められた世界最強の河童になるです~!》


 同じ河童相手に無双しながらレベルを上げるキュウ太を見守りつつ上に続く階段を探す。


「あ。あった。キュウ太、次の階層に進むよ~」

《はいですっ!》


 ジパン迷宮第二階層。


「あ! あれはっ!!」


 二階層に上がり最初のフロアに着いて初めて目にした妖怪は小動物妖怪。


「か、鎌鼬だ! か、可愛いっ!」

「可愛い? そんなこと言ってる場合ですか! きますよ!!」

「待て待て待てっ! あれも仲間にしたいっ!」

「えぇっ!? わわっ!」


 不可視の刃が飛んできたのかアヤメが攻撃を弾いた。


「鎌鼬は見えない風の刃を飛ばしてきます!」

「知ってる。いくぞキュウ太!」

《やったるで~す!》


 見えようが見えまいが気配察知で攻撃はわかる。俺が指示を出しながらキュウ太に組み伏せてもらい、鎌鼬をテイムした。


《クルル……クゥ~?》

「ぶっは、可愛いっ! 君の名前は【シクル】だ!」

《クル……クルル~!》


 名前をつけ抱え上げるとクルルは俺の顔を舐めてきた。身体はもふもふだ、これは抗えない。


「な、なんか妖怪が可愛く見えてきました」

「可愛いんだよ。じゃあ、クルル! キュウ太と一緒に戦って強くなろうか」

《わかったで~す! クルル、僕についてくるです!》

《クルッ!》


 第二階層は河童と鎌鼬が現れるようだ。だが俺たちが手を出すまでもなくキュウ太とクルルが現れた端から次々と駆逐していった。


「あの、私いる意味あります?」

「……階段を探そうか」

「まぁ、まだ浅い階層ですしね。良いですよ」


 戦闘はキュウ太たちに任せ俺たちは上に続く階段を探す。全員で役割分担し、三階層、四階層と進むとクルルと意思疎通がとれるようになった。


「おぉ! クルルの言葉がわかる!」

《ご主人~、クルル強くなってる!》

「おぉ、強いぞクルル~。頑張ってるな」

《まだまだ強くなるよっ! 見ててご主人っ》

《ぼ、僕も負けないで~す!》


 対抗心を燃やすキュウ太も可愛い。そうして進むこと現在十階層。


「アヤメ、これってボス部屋かな?」

「はい。十階層ごとにボス部屋があります。ここのボスは妖怪【土蜘蛛】ですね」

「土蜘蛛かぁ。先の階層でも出る?」

「あ、はい」

「なら倒すだけでいいか。さすがにボスはテイムできないだろうしね」

「わかりました。では私が」


 ボス部屋の扉を開くと辺り一面蜘蛛の巣が張っており、奥には目を赤く光らせる軽自動車くらいはありそうな妖怪が待ち構えていた。


「うわ、蜘蛛の巣凄いな。アヤメ──アヤメ?」

「ふ、不覚っ! うわわっ!」

「アヤメェェェェッ!?」


 アヤメが足元にあった蜘蛛の巣に気付かず踏んでしまい瞬く間にぐるぐる巻にされ吊るされた。


《主、ここは僕たちがやるです!》

《瞬殺だよっ!》

「え?」


 キュウ太とクルルが俺の前に立ち両手を突き出し唱えた。


《水刃!》

《風刃!》

「おぉ~!」


 遠距離からの攻撃は有効だ。クルルの風刃で蜘蛛の巣を切断し、キュウ太の水刃で本体をバラバラにする。ここまで戦いまくって強くなった二人は土蜘蛛を圧倒した。


《倒したです~》

《弱かったね~》

「キュウ太殿~、クルル殿~! こちらの蜘蛛の巣もお頼み申すっ! あっ、蜘蛛の巣が消え──いたぁっ!?」


 土蜘蛛を倒したことで部屋中に張り巡らされていた蜘蛛の巣が消えアヤメは床に落下した。痛がる尻を擦るアヤメに手を貸し立たせる。


「アヤメ、なんかポンコツ度増してない?」

「だ、誰がポンコツですか! あ、リヒト殿。宝箱が出てますよ」

「そうだね。中はなんだろ」

「まだ十階層なのでたいした物は入ってないかと」

「開けたら一度帰ろうか。あるよね転移魔方陣」

「はい。奥の部屋に進み階段横に」


 こうして妖怪二体をテイムし十階層まで進んだ俺たちは一度迷宮から戻るのだった。 

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