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異世界召喚されたが無職だった件〜実はこの世界にない職業でした〜  作者: 夜夢
第三章 極東の島国編

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第61話 ジパンの迷宮

 ジパンの迷宮は塔になっている。外観も和風だったが内装も和風だ。


「へぇ~、エリンの迷宮と全然違うな。ここではどんな魔物が出るのかな?」

「魔物と言いますか……この迷宮に現れる魔物は大陸で見られる魔物とは少し毛色が違います」

「というと?」

「えっと……」


 アヤメは何やら考え口を開いた。


「妖怪ってわかります?」

「妖怪! わかる! まさか出るの!?」

「出ます。あ、ほら」

「うぉっ!?」


 アヤメが指さした先には河童がいた。


「か、かかか河童だ! うぉぉぉっ!? 生きてる! 動いてる!」

「リ、リヒト殿?」


 俺は初めて見た動く河童にテンション爆上がりだ。妖怪なんて空想でしかないと思っていた。今はまるでテレビの中にいる芸能人とでも遭遇したような気分だ。


「リヒト殿! 向かってきてますよ!?」

「おっと。感動してる場合じゃないな。けどなぁ」


 河童の攻撃を捌きながらとあるジョブに変更した。


「よ~しよしよし、きたきた!」

「え?」

《キュ~!》


 俺はジョブを【魔物使い】に変え河童をテイムした。先ほどまで紅い眼をし襲い掛かってきていた河童も今は澄んだ眼をし俺に抱きついている。


「こ、これはいったいなにが!?」

「ジョブを魔物使いにして河童をテイムしたんだよ」

「テイム!? まさか仲間にしたんですか!?」

《キュキュ~》


 俺は頭の皿を撫でながらアヤメに言った。


「決めた! 俺は全ての妖怪の主になる!」

「え!? な、なにを言って!」

「だって河童だよ? 妖怪だよ? 俺がいた世界では実在してなかったけど昔話とか絵とかで有名なんだよ。せっかく魔物を仲間にできる力があるんだし、使わない手はないよね」


 アヤメはなぜ俺が妖怪なんか好きなのかわからない様子だが、俺だって男の子だ。妖怪の主って憧れるじゃないか。


「よし、君の名は【キュウ太】だ。俺が世界一強い河童に育ててやるからな~」

《キュキュ~!》


 初めて魔物を仲間に戦いを繰り返したが問題にも気付いた。


「……さすがにキュウ太を連れて外には出れないよなぁ」

《キュウ~……キュッ!》

「ん? あれ、なんか言葉がわかる気がする」


 戦いを繰り返したことで魔物使いのレベルが上がったのかキュウ太がなにを言いたいかわかるようになった。


《主、心配無用なのです!》

「え?」

《魔物使いのスキルに【モンスタールーム】というスキルがあるのです! 僕たち魔物は呼ばれるまでそこにいられるです!》

「モンスタールーム……へぇ~。でもなんでキュウ太が知ってるんだ?」

《それは僕がテイムされた魔物だからなのです!》


 俺は胸を張るキュウ太に問い掛けた。


「そう言えばキュウ太って何を食べるんだ?」

《僕たちテイムされた魔物は普通の食事以外でも主の魔力で栄養を摂れるです!》

「なるほどなるほど。となると……たくさん魔物をテイムするとそれだけ魔力も食材もかかるってことか」

《でもメリットもあるです!》

「メリット?」


 キュウ太は目の前で水の刃を生み出した。


《これは僕のスキル【水刃】です! 主も同じスキルを使えるようになってるです!》

「え!? そうなんだ!」


 試しにやってみるとキュウ太のスキルが俺でも発動できた。


「す、すげぇっ! 俺にも使える!」

《これがテイムなのです! だから……これからお世話よろしくです!》

「キュウ太~~~っ!」


 もじもじしながら世話を願い出るキュウ太の可愛さにやられた俺は抱きしめ絶対大事にすると誓った。


「お、おかしいですよ。魔物使いにそのような力はなかったはず……」

《おかしくないです。魔物使いは戦えずレベルが上がらないだけなのです。なので弱い魔物か移動に使える魔物しかテイムされず本来の能力が広まらなかったです》

「し、しかし大悪魔との戦いにはSランクの魔物使いもいた!」


 キュウ太の話が伝わらないので俺が通訳しているが、アヤメの話ももっともだ。ヤルダバオトとの戦いには魔物使いもいた。だが魔物を出した瞬間すら見ていない。ましてや戦ってる姿なんかなかった。見たものといえば荷物を魔物に載せた姿くらいだろうか。


《それは絆レベルが足りなかった可能性があるです》

「絆レベル?」

《です。私たちテイムされた魔物は主との間に絆レベルがあるです。絆レベルが低いと会話すらできないです。上がると会話できたり、テイムした魔物のスキルが使えるようになるです》

「へぇ~……」


 俺はキュウ太から聞いた話をアヤメに伝えた。


「絆レベル……そんなものが……。それはどうやって上げるのですか? キュウ太殿はまだテイムされたばかりだ。それにも関わらずやけに絆レベルが高い気が」

《僕は一番弱い妖怪です。それでも主は僕を仲間にしてくれて優しくしてくれたです。最初は警戒してたですが、主の優しさに触れて僕も役立ちたいって思ったです》

「うぅ……キュウ太……お前、なんて健気な」

《これからどんどん強くなって主のために頑張るです! 主の側にいたら強くなるの早い気がするですよ~》

「え?」


 まさかと思うがテイムした魔物は俺の魔力を糧にする。それでパスが繋がり俺のスキル【成長加速】が効果を発揮しているのだろうか。


「よ~し、キュウ太は俺が強くしてやるからな~」

《はいです!》


 俺はキュウ太を強くするべく訓練を積ませるのだった。

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