表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚されたが無職だった件〜実はこの世界にない職業でした〜  作者: 夜夢
第ニ章 躍動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/76

第52話 集まった冒険者

 俺は陛下の頼みで今エイズーム王国との国境にきている。頼まれた内容は陣地の作成だ。兵糧に武器庫、治癒所に会議室や調理場などなど、最低限使える施設を世界各地から冒険者が集まるまでに建てなければならない。大工のグレッグも参加し錬金術師組合の建物と似た造りで進めている。


「リヒト様、進捗はいかがですかな?」

「バトラーさん。あれ、後ろの方々は……」

「ほう。あんさんがリヒトかい」


 いきなり関西なまりで細目、片目が銀色ね髪で隠れた長身の男が話し掛けてきた。


「はい、俺がリヒトですが」

「ワイはエイジア大陸からきた【ギンジ】ってモンや。アヤメが世話になったのう」

「アヤメさんを知ってるんですか?」

「知っとるもなにもワイはアヤメの兄や」

「あ、兄!?」


 まるっきり似ていないので気づかなかった。しかも字も名乗らなかったので余計に気づかない。


「せや。直にアヤメも合流するで。あと、後ろの奴らはワイのパーティメンバーや。全員同じ道場で切磋琢磨した仲間や。よろしゅう頼むで」


 そう言って差し出された手を握った。


「……なんや、綺麗な手やな。腰に下げとるん刀は飾りかい」

「いや、これは……。今は飾りですね。鍛える暇もなく悪魔が出ちゃいまして」

「悪魔か、難儀やなぁ。だがまぁ、ワイらがおればなんとでもなる。ワイらのジョブは退魔師やからなぁ」

「退魔師……ですか」

「おう。侍と祈祷師をマスターしたらなれる上級職や。悪魔なんぞワイらの刀で一閃したるわ」


 新しいジョブが手に入った。だが祈祷師がいないためグレー表示のままだ。


「あの、時間ができたら稽古つけてもらってもいいですか?」

「おう、いつでもええで。その刀にも興味あるしのう」


 糸目が薄っすら開き刀を見ている。


「あはは、では仮設ですが休息所がありますのでこちらへ」

「おうっ。お前らいくで」


 それから直ぐにアヤメがやってきた。


「リヒト殿!」

「あ、アヤメさん」


 アヤメは俺の姿を見つけると勢いよく駆け寄ってきた。


「まさかこんなに早く再会するとは思いませんでしたぞ」

「俺もです。刀の調子はいかがですか?」

「絶好調だ! 先日はワイバーンを一撃で真っ二つにしたぞっ」

「そ、それはまた」

「ん? リヒト殿? その腰にある物は……」


 さすが侍だ。一番に目が向くのは刀なんだな。


「いただいた緋緋色金で自分用に作った刀です。ちょっと変わった刀なんですよ」

「ほう?」


 俺は鞘から刀を抜き刀身を見せた。


「これは! まさか刀身はミスリル!?」

「はい。刃だけ緋緋色金にしました。こんな感じで使おうかと思いまして」


 俺は一度納刀し抜刀術の構えをとる。そして抜く瞬間に火魔法を使い斬撃に炎撃を上乗せした一撃を放って見せた。


「な、なんですか今の!? 刀から炎が!?」

「ミスリルなので魔法を乗せられるんですよ。今のは火之迦具土って技にしようかななんて」

「う、羨ましいっ! だが私は魔法を使えんっ! でも羨ましいぃっ!」

「ほ~う、なんやけったいな刀やなぁ~」


 振り向くと着物から腕を抜き腕組みしながら顎を擦るギンジが立っていた。


「兄上……きていたのか」

「おう、久しぶりやなアヤメ。武者修行に出てぶりか?」

「ええ。なぜ兄上がエリンに? 国の仕事はよろしいのですか?」


 ギンジは笑みを浮かべアヤメに言った。


「上様がの、世界の一大事なんやから参加してこいいうてな。戦は今んとこ落ち着いとる。戦力が拮抗しとるからの」

「そう……ですか」


 どうやらアヤメの故郷は今戦をしているようだ。


「ほな二人ともまたの。ああ、アヤメ」

「はい?」

「ややこはまだ作らんときや? まだ早いからのう」

「だ、誰が作りますか! 私はまだ修行中の身です!」

「わかっとったらええ。ほなな。かっかっか」


 ギンジはヒラヒラと手を振りながら戻っていった。アヤメは顔を真っ赤にし鼻息を荒くしていた。


「まったく! 昔から何一つ変わってない!」

「な、仲よさそうだね」

「アレは私をからかうことを生き甲斐としてる阿呆です! 性活がひん曲がってるので気をつけて下さいっ」

「あ、ああ。ありがとう」


 それから連日Sランク冒険者たちがやってきた。Sランク冒険者たちは今まで知らないジョブや欲しかったジョブ持ちでかなり強そうだった。


 これに加え聖王国から聖王国第一騎士団も派遣されてきた。


「あれが聖騎士か、そして英雄? そんなジョブもあるのか。あとは魔物使いに竜騎士、武道家にバトルマスター……んん? アイテムマスターなんてジョブまであるのか! す、凄いな……なんて顔ぶれだ!」


 続々と戦力が集まる中、指揮をとるのは唯一SSランクに到達している英雄のジョブを持つ生きる伝説【ガレオン】という老いた男だ。バトラーいわく、ガレオンは老いてもなお筋骨隆々で冒険者でありながら一国の王らしい。ガレオンの国は北の大陸に最も近い場所に位置し、国民の九割は冒険者。冒険者ギルドの本部もガレオンの国にある。


 全ての戦力が整った今、ガレオンは先頭に立ち全員を鼓舞した。


「聞けいっ、命知らず共! 数百年ぶりに時の勇者が張った結界をぶち壊そうってバカが現れやがった!」

「「「おぉぉぉぉぉっ!」」」

「悪魔だかなんだか知らねぇが……そんなバカのせいでやっとこさ築いた平和な日常を崩されたくねぇよな!!」

「「「おぉぉぉぉぉぉっ!!」」」

「集まった全員の力を惜しみなくぶつけて粉々にしてやれっ!! そして生まれてきたことを後悔させてやれぃっ!!」

「「「っしゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」」」


 さすがSSランク冒険者だ。人望が厚い。


「明日部隊編成を行う! 決戦は明後日早朝……夜明けと共に悪魔討伐だっ!! 各人英気を養っておくように!!」

「「「おぉぉぉぉっ!!」」」


 いよいよ悪魔との戦いが始まる。負けたら終わりだ。俺はひとまず侍を極めるためにギンジのもとへと向かうのだった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ