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異世界召喚されたが無職だった件〜実はこの世界にない職業でした〜  作者: 夜夢
第ニ章 躍動

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第42話 迷宮攻略

 地下十一階層で今後の食糧を確保し地下十二階層に向かった。地下十二階層は洞窟のような場所で罠も設置されていた。


「いいかコロネ。この階層は罠が設置されている。無闇矢鱈に歩き回るとか勝手に宝箱を開けたりしないでくれよ? 極悪な罠だったら普通に死ぬからな?」

「わ、わかったわ!」


 罠と聞いて身を引き締めたコロネには俺の後を歩いてもらいながら薄暗い迷路のような洞窟内を慎重に進んでいく。


「ぼんやり明るいのはなんでかしら?」

「壁にうっすら光る苔が生えてるだろ? 多分それ」

「へぇ~……迷宮って不思議なのね。何で魔物を倒したら宝箱になるのかしら?」


 これに関しては様々な小説を読み自分の実体験から理由が推測できた。


「そうだな。まず迷宮で解体とかしてたら敵には襲われるし血の匂いやらで魔物が集まってくるだろ?」

「まぁ、うん」

「次に宝箱ってなんかワクワクしないか?」

「する!」

「俺が思うに迷宮って生きてるんだなと」

「迷宮が生きてる??」


 コロネは首を傾げていた。


「いかに冒険者を招き入れるか。どうやって冒険者を倒すか。迷宮にとって冒険者は餌なんだよ。宝箱ってわかりやすい餌に釣られて何人もの冒険者が命を落とし迷宮の養分になっていく。迷宮は悪意の塊なんだよ。レアなお宝が手に入るからって一切油断できない場所なんだよな」

「急に怖くなってきたわ……」

「そのくらいでちょうどいい。慎重になりすぎるくらいが迷宮を攻略するコツだと思ってる」

「だよね。ちょっと浮かれてた。気を引き締めるわ」


 地下十二階層は広さこそあったものの罠に気をつけさえすれば問題なく進むことができた。道中で拾った宝箱を地下十三階層へと続く階段前で開けていく。


「鉄鉱石、銀鉱石、錫……石ころばっかりじゃない!」

「だろうなぁって予想はしてたよ。洞窟だし出てくる魔物も岩系ばっかりだったからなぁ」


 地下十ニ階層で現れた魔物はロックタートルやゴーレム系魔物、ロックリザードといった岩系の魔物ばかりだった。地下十一階層が食材しか落とさない階層だったのでこれは予想がついていた。


「地下十一階層から地下二十階層までは何かに特化した階層なのかもね。あ、ミスリルだ」

「ミスリル!? 嘘!?」


 罠付き金色の宝箱を開くとミスリル鉱石が入っていた。コロネが背中越しに覗き込んでくる。


「お前近いって」

「いいじゃん! それよりミスリルよ! エリンにミスリル鉱山はないからすっごく貴重なんだよっ」

「もしかしてこれも取引材料になる?」

「……それより騎士たちにこれで武器とか防具を作ってあげたいわね。今はどの国もエリンには攻めてこないけど……この先もこないとは限らないし」

「じゃあ全部開けたらもう少し周回してみよっか。今は罠全部潰した状態だから魔物を狩るだけだしね」

「そうしましょ! 目指せミスリル百トン!」

「何ヶ月いる気だよ!? あと勝手に宝箱あけるなよ? 罠がある宝箱もあるんだからな?」

「わかってるって~」


 ようやく自由に戦えるようになったコロネは両手に剣を握り振り回しながら次々に魔物を倒し宝箱を残して駆け抜けていく。


「お~い、速いって!」

「ミスリル! ミスリル出せ~! あははははっ!」


 ダメだ、我慢していたせいかハイになってやがる。


「うん? なんか罠付きの宝箱少ないな。運……か? ミスリルが出た宝箱は全部罠付きの宝箱からだったしなぁ」


 初日はほとんど手に入らなかったため二日目は俺がメインで敵を倒しコロネには貸したマジックバッグに宝箱を収納させた。


「なんでかしら。私の時はほとんど落ちなかったのに今日は山盛りなんだけど!?」


 そんなコロネに俺は神の言葉を授けた。


「いいかコロネよ。世の中にはな、『物欲センサー』ってものが存在するのだよ」

「物欲センサー?? なにそれ?」

「人間欲をかいてもいいことはない。欲深い者は欲で身を滅ぼす。つまりだな、ミスリル欲しい! ミスリル出ろ! と物欲にまみれていると神様に呆れられて欲しい物は手に入らないってことになる。これが俺のいた世界で多くの人間を狂わせてきた物欲センサーというものなんだ」

「な、なんて恐ろしいの!? じ、じゃあ昨日は私がミスリルミスリルって狙ってたせいで!?」

「ああ。例え何が出ても喜ぶ気持ちで心を穏やかに、物欲を捨てて敵を倒すのがコツだ」


 するとコロネは拳を握り高々と掲げた。


「わかったわ! 明日は何も考えないで敵を倒す!」


 これで落ちなかったら運が悪いからと誤魔化すとしよう。基礎レベルをいくら上げても運の値は上がらない。神官の魔法に運の値を上げるバフ魔法はあるが黙っておくとしよう。


 三日目、コロネはひたすら敵を倒し続けた。


「無心……無心無心むしぃぃぃんっ! ひたすら敵を倒すっ! 何も考えないで私っ!!」


 意識している時点で無心もなにもないだろうに。


「なんで落ちないの!!」

「何も考えないでとか言ってる時点で意識してるから。無心の意味わかってる?」

「どうせ私は強欲よ! こうなったら初日より多く倒すしかないわっ! スタミナ切れるまで暴れ回ってやるぅぅっ!」


 ついにスタミナをガチャ石に変え天井を狙い始めたか。こうなったらいくとこまでいくしかないだろう。


「うぅっ……ぐすっ……ミスリル~~……!」

「はいはい、俺のやるから泣くなって」

「全部?」

「自分用以外はいらないからやるよ」


 コロネはゆっくり立ち上がり両拳を振り上げ飛び跳ねた。


「ひゃっほ~い! ミスリル大量ゲット~!」

「やれやれ……」


 その後、ミスリル鉱石をインゴットにしている場面が見つかり、手に入れたミスリルを全てミスリルインゴットに変えさせられる苦行を強いられたのは言うまでもない。

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