表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

       2 被災者の救済

 彼はエリアフィールをしてから診察と治療をしている。

         2  被災者の救済



 トモキがマリエールに念話する。

「君と私のアイテムボックスは共有部分が多い。神様に話を聞いた時に、少し時間を貰ってお菓子を買い捲りアイテムボックスの共有部分に入れてある。君の様な美少女が被災した子ども達にお菓子配り、お姉さんありがとうと言われるの感じると幸せな気分になれると思んだ。是非やってくれないか。」

マリエールは自分で配ればいいじゃないと帰したら

「私が配れば変質者と思われて、ありがとうでなく変態と言われる。」

よくも言うじゃない。私に変態の片棒を担げと言うわけ。それに君の様な美少女? 美しいかどうか考えたことがないが、成人を来年に迎える女性に向かって少女とは何事だ。こんなくだらない奴と繋がるなんて最低だわ。私の気持ちが伝わったのだろう。しばらく静かになった。

 アイテムボックスの中には馬鹿みたい沢山のお菓子が入っていることが判る。しかも見たことも無い様なものばかりだ。異世界のものだ。子どもに害ないとは言えない。しかし被災者達は腹空かしていることは知っている。被災者達の食事の予算があるわけではない。ここに居るのは帰れる場所のない人々だ。領城への不法滞在だ。私はそこに出掛けた。大人達は警戒の色を見せる。

「子ども達にお菓子を配りに来ました。みんな集まって。」

子ども達がゾロゾロ集まった。私は子ども達にお菓子を配る。異世界のお菓子だ。開け方も判らず戸惑う子ども達。私は一つ出して開けて食べた。子ども達も食べ出した。子ども達は口々に美味しいと言う。「お姉さんありがとう。」と言う子どもも居る。あの変態野郎の策略に嵌まったようで悔しい。

 治療現場に戻ると彼はエリアフィールを終えた一人一人を診査して治療している。場合によってはフィールをもう一度かける。真面目な眼差しだ。職員に伝えられたようで、私の方を見てニッコリ笑う。気色悪い。

 私の場合、最近はエリアフィール10回ほど放つだけだ。私もエリアフィールとエリアフィールの間に被災者を見て回るようにした。

「傷口のチェックだ。エリアフィールでは完全に大きな怪我を治療するのは難しい。傷が残っている場合が多い。小さな傷ならアイテムボックスに消毒薬と脱脂綿とテープと鋏がある。これでは消毒して脱脂綿を当てテープで留めれば良い。それでは無理な場合はフィールだ。同じ変態野郎の言った言葉と思えないくらい。真摯で適切なアドバイスだった。エリアフィールだけでは半分くらいは全快していない。小さな傷が残っだり、大きな傷が残ったりしている。彼の言う通りだ。エリアフィールをしてからが本当の治療だと判る。そう言えば此処に残っている人達、私一人でエリアフィールやっていた頃の人達だ。傷が治らないから此処に残っているのではないか。久しぶりに彼に念話した。

「その可能性は高いだろう。違法状態で此処にいるんだ。そう考えるのが妥当だろう。」

正直悔しかった。自分は正しい魔法を使い人々を救って来た筈なのに出来てなかった。

「そう思うならば今からすればいい。彼らのところに行ってやりなさい。此処は私に任せなさい。」

変態野郎が何か格好いい事を言っている。

 領城に残り続けている人々は治療が出来ていないのではないだろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ