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白い空間で

カーテンに仕切られた白い空間、そして静寂。

良く洗濯された真っ白のシーツに庵子は潜り込んだ。

初めての保健室だった。

本当は頭など痛くはなかった。

ただ、教室に居たくなかったのだ。

ポケットに忍ばせ持って来たデコレートしたピンクの携帯をそっと取り出す。

画面を開くと、「新着メール」の文字が浮かんでいる。

きっと、クラスの子だろう。

じんわり広がる寂しい気持ちと、罪悪感。

しかし、メールをチェックする。


”大丈夫?

 庵子の分のプリントも貰っとくね!(^^)v

 ゆっくり休んで元気になるのだよぉ〜”


南からだった。

もぞもぞ、と庵子はシーツの中で寝返りをうった。

やっぱり、と庵子は思った。

友達は優しいな、でも…この疎外感はなんなんだろう?

沢山の覚えなければならない公式や単語の数々がぼんやり頭に浮かんできては消える。

憧れのモデルや欲しい服が浮かんでは消える。

だんだんとそれらの境目はなくなり、混ざりあい、庵子自身もそのカオスの中へ吸い込まれ…

いつの間にか一人の少女は小さな寝息を立てていた。

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