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政治家時代

「麻薬の密売ですか?」


驚いた表情で緑川は聞き返した。

緑川は三人の中では一番若く、社会の裏の事に疎かった。

彼は家業である農作業を終えて直ぐにSSSの先輩二人にアランのカレー屋に誘われたため、農作業用の長靴にタオルという出で立ちであった。

そんな緑川にわかるように、白髪の老人、高橋猛は説明を始めた。


「そうじゃ。この前、組織の中の二人が捕まったと言っておった。その二人、どうやら”東北弁”にショックを受けているそうでな…。」


「まさかとは思うが、アイツの事だ。ありえない話じゃない。」


鍛え上げられた腕を胸の前で組みながら、迷彩服の大山が相づちを打つ。


「わしは、あいつの事は何も知らない。しかし、多くを語らないところを見ると絶対裏の顔があると思っとった。アイツはそういう眼をしちょる。鋭い眼、沢山の修羅場を見てきた眼じゃ。」


「確かに戦争でついたには新し過ぎる傷がありますなぁ。」


心配そうな顔で緑川は頭のタオルをゴシゴシと擦った。

眉間に皺を寄せたままの高橋猛は二人をゆっくり交互に見、口を開いた。


「私もアランについては殆ど何もと言っていいほど知らないんじゃが、アランは信頼できる仲間だと思っておる。

だからSSSに入って貰っている。

私とアランは私の政治家時代に知り合ったんじゃ。

当時ヤツは違う政治家の付き人でな。

そいつがまた私のライバルだったんじゃが、腹黒い男じゃった。

当選するためなら手段も選ばん、とにかく金やら女やら密売やらで裏の票を集めていた。

それを走り回って実際に行い、尻拭いしていたのがアランだったんじゃ。

ヤツを犬に例えるなら、ドーベルマン。

まさに、主に忠実な犬のような男だった。

しかし、ひょんなことから結局不正はばれ、その政治家は政界から追放されてしまった。

アランもどこかへ消えた。

もともと、無口で目立つ事を嫌う男だったから、アランに注目する人も余りいなかったんじゃ…私を除いて、という事になるが。

皆、国にでも帰ったと思っとったんだろう。」


緑川は勿論、最も付き合いの長い大山ですら、初めて聞く話であった。

さすがはもと政治家である。

どんなに酒を酌み交わしていても、話すべき事と話すべきでない事をちゃんとわきまえている。

ただ、声が大き過ぎるのでその辺りも注意を払うべきなのであろうが。

高橋猛、もといレッドシルバーは話を続けた。

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