【第2章】少女と壷とインドカレー
世の中には科学で解明できない事が沢山ある、と私は思う。
例えばこの何の変哲も無い「壷」。
一体どうしてこの「壷」を所有しているだけで幸運な事が訪れるというのだろうか。
薄焼きの茶色い、そして大きめの壷である。
お値段は女子高生である私にとっては相当高い金額であった。
しかしだ。
論理的に考えるのならば、今の現状を改善するに当たってこの買い物は必要不可欠なのである。
謳い文句は「大判小判がザックザクの壷」。
どう考えたって、この唯の壷から金属片が出てくる可能性はまず無い。
しかし、販売者は目を輝かせて私に言ったのだ。
「この壷は他とは違うのです。見えない力で清められているのです。この聖なる力が所有者を幸運に導くのです。こんな中々手に入らないお品物でこの価格は、貴方が高校生だから特別なのですよ!」
見えない力、その一言が私の興味をそそった。
一体聖なる力とは、何なのだ?
論理では解明出来ない何かを研究する、がコンセプトの我がミステリー同好会。
そのその部長である私が手がけるべき恰好の謎!
すでに、疑問点はまとめてある。
1、家族所有の場合何親等まで効力があるのか。または、無いのか。
(ペットは?やはり血縁で幸運も作用するの?)
2、1の回答が購入者のみ、となった場合において、壷の所有権は出資者、という事で良いのか。
(子供が購入しても、お父さんに幸運はいっちゃう、とか。)
3、それとも、壷に対して何か働きかけた最初の人物に効力があるのか。
(例えば、水を入れるとか…触ったという定義だと、売ってるおばさんが幸運になっちゃうな…。)
ここまで考えて、少女は自分が大変空腹なことに気がついた。
そして同時にこの壷を買ったお蔭で今月の生活費が全くない事にも気がついた。
カレーが食べたい、と彼女は思った。
スパイスの効いたもの凄く辛い本格的なインドカレーだ。
空腹の余り目眩がしてきた。
今日は中間テストだというのに…、ついてない…。




