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【プロローグ】私、高橋弥生
2作目です。
更新遅めだと思いますが、宜しくお願いします。
四月。
それは出会いの季節。
舞い散る桜の花びらは、運命の二人のBGM。
春の柔らかな匂いが好き。
お日様と新緑が混ざりあって、私の鼓動を高鳴らせる。
この日の為に奮発して買っちゃった!
ジジ・スチュアルトのピンクベージュのスーツ。
しっかりブローしてふんわり肩で揺れるモデルのKARUNAカットにぴったり合うでしょ?
ああ、何もかもが完璧!
この、私、高橋弥生の新任の良き日を世界中の全てのものが祝福してくれているみたい!
………
高橋弥生、23歳は完全に浮かれていた。
今日は彼女が初めて保健室職員として就任する日であり、始業式でもあった。
何事も第一印象が肝心と、祖父達から貰った就任祝いを全て見た目につぎ込んだ彼女は、学園のアイドルを狙っていた。
高校生にとって保健室は厳しい学勉から逃れられる一時のオアシス。
そこに必要なのは癒しの女神なのである。
彼女はその若さ故に美しく儚い夢を抱いていた。
保健室に群がる生徒達(主に男子生徒)と、その中心にいる自分という色々な意味で甘すぎるシチュエーションを、だ。