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第一章 「神」と「人」の思い 第四話

俺の体が〈革命の神様〉の部屋へ引き摺り込まれ、暫く宙に吊り上げられてから…


「え…何コレ…?」


人の手や足で作られた不気味にも程がある座る気が失せる椅子に座らされた。

そして、俺が動揺を隠せないで居ると…部屋の奥から神々しい声が聞こえて来る。


「君が…新たな勇士なんだね」

「おぉ…!?」


背丈は俺と変わらないが、

代わりに腕が12本生えていて、背中には巨大な翼が生えている。

そして、ケモ耳だ…俺は詳しくないが、アサシン時代の友人からよく聞いてたな?

「狐耳の女子がスコスコなんだ」と…

しかし、まさかその実物を見る事が出来るとは…

つーか、尻尾デカ過ぎるし本数も多いな?絶対確実に生活に支障出まくりだろ?

しかも、全体の印象カラーが紫って…

あくまで第一印象の話だけど、淫乱な匂いと雰囲気しか感じれないんですけど~!?

し・か・も・!

体の発育がクラスの皆より進んでる…これが、大人…!

いや、俺も今年で20だから…もういい齢した大人か…


「何だい?私の体が気になるのかい?」

「い…いえいえ、こうして面と向かって女性と話すのは初めてでしたから、つい…」


そう、俺は女性経験が完全皆無だ。だから、女性の前でどういう立ち回りをすれば良いのかが皆目見当も付かないのだ、トホホ…


「『面と向かって女性と話すのは初めて』…か?

 ならば、私の美貌に興味本心が生じないという事かな?」

「え…はい」

「ふむ…君は純粋無垢な心を持っている…と、言いたい所だが…」

「……ですよね?俺は今まで善悪の判断も付かない冷血無酷なアサシンを生業としていました。でも、レヴォルーションが俺にやり直すチャンスを与えてくれたんです…

 だから、俺はそんな彼の力になりたいんです!これからは、弱きを壊す極悪人共に無慈悲な制裁を下す…正義の執行人になると決めたんです!」


俺は俺の思いを彼女にぶつけた。すると、その答えを聞いた〈革命の神様〉は口角を上げて俺の体を巨大な尻尾で包み込んだ!


「……!?」

「フフッ、私は君の事を否定はしない。でも、人生をやり直したい意志がちゃんと在るのかを確かめたかっただけだよ?

 それに、君も本意で無慈悲なアサシンになったんじゃないんだろう?

 だから、私は君を受け入れる…そして、レヴォルーション以来の…最強の味方として君に最大限の力を与えてあげるよ…?」


巨大な尻尾に覆われた俺の胸部に彼女は5つの光を当てた。

もしや、これがレヴォルーションが言ってた「異能」の力…なのか?

これで展開が終われば王道なバトルファンタジ―の完成だが、そうは問屋は下ろさなかった。


「君の事が…好きになったよ…」

「アハハ…好意を持ってくれる人なんて…生まれて初めてです…」


あ、馬鹿。この時の俺は余計な事を言ってしまった。

そう、この時の俺は知らなかった。〈革命の神様〉の本当の姿を…!

俺がそう答えを返すと、彼女は尻尾だけではなく、12本の腕全てを使って俺の体を強く抱き締める!


「あだだだだだ!!??」

「好き好き好き好きぃ~♡」


え…!?何でこんなに抱き締めて来るの!?

いや、もしやこれが普通の愛情表現…なのか?だがしかし、如何せん抱き締める力が強過ぎて呼吸がしにくい…!?

俺は少し疑問を持つ…もしや、この愛情表現は普通ではないのか…!?

俺は抱き締めて来る〈革命の神様〉の両眼を見てみる…すると、俺の視界に飛び込んで来たのは両眼に「♡」の刻印が刻まれた〈革命の神様〉の姿だった!


「……ぇ…?」

「おいぃー!?もしや、〈革命の神様〉の愛を素直に受け取っちゃったの!?」


暫くすると部屋の中に入って来たレヴォルーションの声が聞こえた。

その声に安堵した俺が馬鹿だった。次の刹那…


「邪魔者は入って来るな、消し飛べ!」


〈革命の神様〉の体の周りの12個の氷の槍を展開され、その槍がレヴォルーションに向けて放たれた!


「え…!?」


そして、見事にその攻撃がレヴォルーションにクリティカルヒット!


「あぁ~!?」


あ…あ~ぁ…何か余計な犠牲が生まれたな…レヴォルーション…アンタの事は死んでも忘れないからね…良い奴だったよ、頭ん中お花畑ハッピー馬鹿ーだったけど。


「全く…私と千里のイチャラブを邪魔するとは…レヴォルーション、貴様は何様のつもりだ?」

「いやいや~…抱き締め過ぎて圧死しそうな生徒を救おうとする僕を殺そうとするそっちが何様のつもりでしょ?

 しかも、ただ一声掛けただけでブチ切れるとか…やっぱり老けたの?」

「なっ…何だと!?」


レヴォルーション!?なに余計な事言ってんだぁ~!?

お前もこの方に認められたから少しイキってるのは分かるけど、身の程を弁えなさぁ~い!


「貴様…私を誰だと思っている!?」

「誰だと思ってるって~?

 いつまでも自分の身分に依存してワガママ散らかす心が幼いおばあちゃんじゃないの?」

「んなっ…!?」

「レヴォルーション!言葉を選んで物事を言えぇ~!」


俺がレヴォルーションにそう助言するも、彼の暴走…は止まらねぇ!!


「しかも、アンタは見た目がキモい事に全然気付いてないよね?

 腕が12本に馬鹿でかい尻尾が9本ある女を好きになる奴なんてこの世の何処を探しても、いや、全知全能のゼウス様でもそんな癖を持つ奴を生ませるつもりはないんじゃない?」

「ぐぬぬぬぬ…!!」

「しかも、女性なのに胸が断崖絶壁リアス式海岸な時点でだいぶ他の女の子より見劣りするしぃ~?

 あとは、言葉遣いがいちいち上から目線過ぎる!ウザい、めんどくさい、耳が痛くなる!」


おいぃ~、レヴォルーション!?お前はここで神の力で殺されたいのかぁ~!?

そんな罵詈雑言を与え続ければ、完全完璧に彼女は怒り心頭でお前の息の根を30回は止めて来るぞぉー!?

すると、やはり〈革命の神様〉の怒りは相当なものだったそうで…


「レヴォルーション…貴様をここで…消し殺す…!!」

「おいおい~?そんな短気だと余計に嫌われるぜ☆」

『終わった…ここで余計な犠牲者一号が生まれる…!』


完全にレヴォルーションを殺すつもりで〈革命の神様〉は刃を振るう!


「ここで貴様の愚行を終わらせてやる!!」


彼女が放つ技の数々は数多の神を見て来た俺でもよく分かった。

一つ一つが確実に命を葬れる代物だった。

だが、そんな神レベルの攻撃をレヴォルーションは皮一枚で躱し続ける!


「おいおい~?俺を消し殺すんじゃなかったのかよ、ばばぁ?」

「ぐぬぬぅ~!!」


あれれ…?おかしいなぁ~?この攻撃を一度も喰らわないのはまさに神業の所業。

そんな事が可能なのは一部の力を有する者のみ。

まさか、彼が自身を「最強」だと豪語していたのは決して偽りではなかったという事か?

すると、今まで回避に専念していたレヴォルーションは一気に攻めに回った!


「『劣化再臨・錆』、『劣化再臨・酸化』!」

「ぐううっ!?」


な…何が起きたんだ!?

彼が触れた〈革命の神様〉の右腕が少しずつ腐食されていく!?


「きっ…貴様ぁ…!!」

「安心しな、千里君…僕が歪んだ愛から解放してあげるよ?」

「あ…アンタは一体何者だ…!?」


すると、レヴォルーションは高々にこう宣言する。


「僕の力は〈革命の神様〉の賜物だが、僕の努力の結晶でもある…

 だから、最強で居なけりゃいけない…だって、男に二言はないだろ?」



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[良い点] 使用している漢字・表現。 世界観! [気になる点] 単刀直入に、あらすじが長く感じました。 個人的な意見ではありますが、タイトルが長いので、あらすじをそこまで長くしなくてもいい様に感じます…
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