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転生したら森の中でした。  作者: コウ
第一章 ダイク 五歳
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第6話 シラクモ 2

どのくらいの時間が過ぎたのだろうか。

錆研ぎにすっかりと夢中になり、いつの間にかピカピカの短剣に生まれ変わっていた。

ロゼの方を見やると、うっとりとピカピカの短剣を見つめていた。

「ロゼ、上手にできたね。急いで帰ろうか。シラクモも待ってるよ!」

「そうだね、シラクモにもピカピカ見せてあげないと~!!」

水分を補給し、水筒にたっぷりと水を詰め込み帰路へ着く。


切れ味の確認ついでに、木に巻き付いている蔓や蔦を集めながら帰ってきた。


「シラクモ、ただいま~!」とテンション高めに短剣を見せつける。

シラクモは前足をあげて答える。

解体作業はすっかり終わっており、肉は大きな葉っぱの上に置かれていた。

なんて出来る蜘蛛なんだ・・・

今も毛皮の上で何かしているようだ。


シラクモにお礼を言い、食事の準備に取り掛かる。

ロゼには火をつける準備をお願いして、今日食べる肉を切り出す。

ロゼは穴を掘り、その中に落葉を敷き、枯れ枝を組んでいた。

「じゅんびできたよ~!」

元気に背中に飛び乗ってくる。


鞄から魔石を取り出し、穴の中の落葉に火をつける。

大きな肉の塊を直火で炙る。いい匂いが辺りに漂う。

短剣を火で炙って消毒し、肉塊の表面を削いで一口サイズの肉にする。

さらに両面にしっかり目の焼き色をつける。

肉から油が滴って、短剣がさらに輝いて見える。

フーフーと冷ましてロゼに食べさせる。

「あーーん。。。ん~~~、すごいおいしいよ!!ダイク兄も早くたべて!!!」

急かされながら、いただきますと口に肉を放り込んだ。

肉質は固めだが、臭みやクセはなく、肉自体の味が濃いがさっぱりとしている。

今日はこのままの素材の味を楽しんで、明日からは蜂蜜をつけてみてもいいかもしれない。

シラクモの分も用意し、細かく切って葉っぱにのせてあげた。

両前足を器用に使って、あっという間に肉が無くなった。

満足したのか、ピョンピョン跳ねて獣の毛皮があるところへと戻っていった。


「いただきますってなぁに?」とロゼが聞いてくる。

食事の前の挨拶のようなもので食材に感謝を、という話をしてやる。

ロゼもいただきますと挨拶をして肉を頬張った。


久しぶりの肉に興奮しつつ、満腹になるまで食べ続けた。

食べ終わったころには、すっかりと辺りが闇に包まれていた。


お腹がいっぱいになったせいか、疲れからか、火の灯りに浮かぶロゼの顔は眠そうだ。

火の後始末として、掘った土を被せ、家の中に戻り落葉に包まれる。

ロゼは腕に抱きつくようにしてすぐに寝息を立てていた。


天井の木の根っこを見ながら、いつの間にか眠りについた。


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