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転生したら森の中でした。  作者: コウ
第二章 ダイク 六歳
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第40話 依頼終了とお金

アイリーンは報告を終えると、俺たちにウインクして去っていった。

俺とロゼは手を振って見送った。


「お待たせしました。こちらへどうぞ。」

受付のお姉さんに、カウンターへと呼び寄せられる。

「依頼の報告で来ました。」

「では、首にかけているタグをこちらに載せてください。」

お姉さんが用意した魔石の上にタグをかざすと、依頼内容が浮かび上がる。

これも魔道具の一種なんだろうか。

「わぁ~。」とロゼも驚いている。

「では、採取したものをカウンターにお願いします。」

そう言われ、鞄に手を入れて、アイテムボックスから薬草の束を取り出す。


「確認しますので、少しお待ちください。」

お姉さんは、一本一本丁寧に確認してくれている。

「もう少しあるんですけど、それも出せば買い取ってもらえますか?」

「はい、買取はできますが、成果に上乗せはされません。それでもよろしければお出し下さい。」

お姉さんは丁寧に笑顔で答えてくれる。

薬草は必要ではないので、カウンターに全てを載せた。


「お待たせしました。問題なく、採取できています。こちらが今回の成功報酬です。こちらは買取金となります。一連の流れで、何か分からないことはありますか?」

お金を受け取りながら、考えたが特には思い浮かばない。

「特にないです。ありがとうございます!」

「ます!」

「分からないことがあれば、何でも聞いてくださいね!今日はお疲れさまでした。」

「「お疲れさまでした!」」

そう言って、カウンターを後にする。


手の中で銀貨四枚が音を立てている。

採取だけで、大体4,000円ほど稼いだことになる。

-------------------

金貨一枚 10,000円

銀貨一枚  1,000円

銅貨一枚  100円

鉄貨一枚  10円

-------------------

昨日食べた串焼きは四本で銅貨一枚だった。

円で考えると微妙だが、物価の安い世界では十分にもらえただろう。

冒険者とは稼げる仕事みたいだ。

銀貨を鞄経由でアイテムボックスに入れておく。


少し早いが、リンデンのいる解体部屋に行ってみることにした。


「おうっ、早いな。オークの解体はもう終わってるぜ!」

俺たちを見つけるなり、リンデンはそう言った。

「こっちに来てくれ。肉が待ってるぜ。」

リンデンについていくと、肉が山積みになっている。

「ありがとうございます!」

そう言って、アイテムボックスに収納していると、リンデンが口を開く。

「相談なんだが、もう少し肉を分けちゃくれないか?冬が明けたばかりで、食料が少ないんだ。少し色もつけるからよ、頼む!」

手を合わせてお願いされる。


「いいですよ!この量ですしね。」

アイテムボックスに入れておけば保存は効くが、街のために使われるなら別に構わない。

リンデンに教わりながら、美味しい部分を中心にもらうことにした。

「俺たちはこのくらいの肉があれば大丈夫です。」

大体100Kgくらいの肉を収納した。

これでもリンデンが言うには、オーク二体分もないらしい。

「ありがとよ。今からこの肉を足すとなると時間がかかる。残りのウルフと一緒に清算でいいか?」

「はい、問題ないです。いつ取りにくればいいですか?」

「そうだな。明日の昼過ぎには終わるだろうよ。それ以降で頼むぜ!」

「わかりました!では、また明日来ますね。」

「あしたきます!」


冒険者ギルドを出ると、空は夕焼けに染まっていた。


ロゼと手を繋いで、急いで宿へと帰った。

宿の扉を開けると、カウンターでルバークと宿のおばさんが談笑していた。

酒場のお客さんは、まだいないようだ。

「ルバークさん、戻りました!」

「ただいま、ルバークさん!」

「お帰りなさい。二人とも疲れてない?」

ルバークの元へと行くと、宿のおばさんが夕飯の準備を始める。

「大丈夫です!」

「げんきだよ!」

「二人が帰ってきて、一気に賑やかになったね!今、夕飯にするから手を洗って、座って待ってて!」

宿のおばさんは相変わらず、元気に働いている。


洗面所で手を洗って戻ると、ルバークはカウンターからテーブルへと移っていた。

ロゼが今日の出来事をルバークに報告していると、夕飯の準備が整う。

「「「いただきます!」」」

夕飯を食べながらもロゼの報告は続いた。

以前とは違い、ロゼの話は要点を掴み、わかりやすくなっていた。

成長を感じつつ、美味しく楽しい夕食となった。

食べ終わるころには、酒場が賑わいだした。

宿のおばさんに、美味しかったことを伝えて部屋へと戻る。


冒険者になったことが余程嬉しかったのか、ロゼの話は止まらない。

ベッドで眠りにつくまで話は続いた。

ロゼが眠りについてからは、二人で明日の予定について話した。

「リンデンさんのところでお肉を受け取りました。ギルドでもお肉が欲しいらしく、半分以上は売ることになります。オークとウルフの解体は明日の昼過ぎに終わるそうです。清算もその時にすることになってます。」

リンデンと話したことを伝える。

「そう、わかったわ。じゃあ、夕方ごろにでもギルドに行けば確実ね。」

「そうですね。あと、これは今日の依頼でもらったお金です。」

アイテムボックスに入れていた銀貨をルバークに手渡す。

「こんなにもらえたの!?頑張ったわね。」

俺と寝ているロゼを優しい笑顔で見つめてくる。


ルバークはマジックバックを漁って、小さな袋を取り出した。

その小さな袋に銀貨を入れて俺に差し出してくる。

「このお金は、あなたたち二人で使ってちょうだい。」

中を見ると、オークの解体で得たお金も入っているみたいだ。

「いいんですか?俺たちはお世話になってますし、今のところお金は必要としてませんし・・・。」

「当り前じゃない、いいに決まってるわ。これはあなたたちが稼いだお金よ。二人のために使ってちょうだい。」

ルバークはそう諭すと、ベッドに横になった。


ルバークからもらった小さな袋を見つめる。

俺としては、このお金をルバークにあげてしまっても問題なかった。

お金を稼ぐ手段も知ったし、何よりお世話になりっぱなしだ。

何らかの形でルバークに恩を返さなければならない、と思っていた。

ルバークは何を喜んでくれるだろうか・・・。

そんなことをベッドで考えていると、いつの間にか眠っていた。




まだ、夜中だろうか・・・目が覚めた。

ロゼは気持ちよさそうに眠っているが、ルバークはベッドで体を起こしている。

シラクモも起きて、部屋を見回している。

何かあったのだろうか・・・。

「ルバ・・・。」

ルバークに口元を押さえられ、言葉が止まる。

なんだ、とルバークを見ると口元で指を立てて、静かにというジェスチャーをしている。


耳を澄ますと、扉の向こうからミシミシという音が聞こえてくる。

人の足音だろうか。

静かにではあるが、確実にこの部屋へと近づいてきている。

窓の方からも、何かの音が鳴っている。


俺とルバーク、シラクモはベッドから出て、臨戦態勢をとった。


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