プロローグ
初めて小説を書きます。
温かい目で読んでください。
弟が待っている・・・早く食べ物を・・・・・・
森の中をフラフラとよろめきながら進む。
季節が冬に近づいて、思うように食べ物が見つからない。
もう、どのくらい食べ物を口にしていないだろうか・・・
弟はこの森に来た時よりも瘦せてしまった。
立ち上がることもできないほどに・・・。
涙で滲む目を擦りながら、奥へ奥へと森の中を進んでいく。
すると、目の前に大きな木が倒れてきた。
大きな音をたてて少年の近くに倒れ、その振動で膝をついてしまう。
倒木を乗り越える体力も、もうない。
疲れてしまった・・・。
少し休もうと思い、体を横に倒す。
虚ろな目で倒木を眺めていると、木の洞からきのこが落ちてきた。
必死に小さな鞄に入れて、洞を覗くが中は空っぽだった。
不思議に思いながらも、フラフラと立ち上がりその場を後にする。
食べ物を手に入れたからか、弟に食べさせてやれる安心感からか少年は涙が止まらなかった。
嗚咽と涙でぐしゃぐしゃになりながら、家路を急ぐ。
背後に忍び寄る獣の気配に気が付かずに・・・
突然左側から狼のような獣が襲い掛かってくる。
「あっ、ぐっ、いたっっっ、、」
獣は左手首に噛みつき、尻もちをついて倒れた少年に馬乗りになる。
唸り声をあげ、後ずさりしながら頭を左右に振っている。
パニックになりながらも腰に着けていた錆ついた短剣を手に取り、必死に獣に突き立てる。
しかし、獣の毛皮には傷一つつけることは出来なかった。
左手首から生暖かいものが伝って流れてくる。
振りほどいて逃げることは無理だろう。
もう駄目かと諦めの気持ちが浮かんで、目を閉じた。
瞼の裏に弟のことがどんどんと浮かんでくる。
辛いことばかりだったが、いつも隣には弟がいた。
そしてこれからも・・・こんなところで死んでたまるか!
「ぅううおおぉぉぉ!」
噛みつかれている左手首を死に物狂いで、胸の方へ引き寄せる。
ボキッと折れるような音がしたが、そんなことは気にしない。
短剣を逆手に持ちかえて、狼の目に突き刺した。
その後、どうなったのかはよく覚えていない。
獣が死んだのか、逃げたのか。
気が付けば家のそばにいた。
弟にきのこをちぎり、口元にあてると食べてくれたのを確認して意識を手放した・・・
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