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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

爆発シーチキン、回転みたいなドリル、死闘、死闘で、失笑 咲く*華*未だナシ

作者: 麝逗乃行方

動物は恐ろしい。特に愛玩動物は数千年に及ぶ人類に対する鬱憤の体積があるからヤバいのだ。それを知らずにのほほんと暮らしている人類よ!ツケはいつか払わねばならない。恐れろ人類!泣け人類!詫びて踊ってそして死ね!

飯を食うとき、何でもかんでもうまみ調味料を大量にぶっかける母さん或いはママ或いはマザー或いはお袋或いはたらちねが会社へ行ったのを見計らって一階へ降り洋式厠にいさらい乗っけて思慮に耽る俺、は今日はとっても機嫌が悪い。それは何でか、って言うと自分が起きたいタイミングで起きられず、意図せぬ起床を要求されたからに他ならない。では、誰が俺の安眠を妨害しやがったのか、と言えば、それは誰でもない。というか、誰、みたいな人間を指示するときに使うような語が相応しくないような存在すなわち犬が犯人なのであって、相手が犬ドッグってこともあって、それにキレてても気分は鬱屈するばかりで、というのも犬畜生みたいな理性やら精神みてえなもんがない物体にキレるのもアホらしいからで、暗くてぬらぬらした、墨汁のような自己嫌悪のような感情が胸からこみ上げてくる。

大体に於いて俺は、犬みてえな言って了えば、糞、尿、鳴き声、蚤みたいな不愉快オンパレエドな生き物を進んで飼育している人間の心がわからない。飼わないと野生の犬が溢れてしまうから、飼ってるみたいな、もしかしたら、陰徳のつもりなのだろうかってそんなことはない。何せ、人間の手によって雑種が作られたり、数の調整なんかもされてるわけで、やっぱりそれはどうやら彼らの嗜好に起因するらしいが、やっぱり俺には理解できない。と、いい加減トイレから出ないとな~って重い腰をあげて、トイレの戸を開けて、そういや流してなかったな、と思い出したように小の蛇口を捻り、時計を見たら11時。全く、だらしないことこのうえねえなって自分の堕落した精神をかこち、でも、それを改める気なんてさらさらない。あははははははははは。

それじゃあ朝飯でも食うかなって冷蔵庫を開けると魚肉ソオセエジ、チョコレエト、なめたけ、タッパアに入ったネギの千切り、生卵×3、牛乳、味噌、炭、EXILEのCD、しいたけ、青のり、ジミヘンのLP、みたいなラインナップで。だめだこら買いに行かねば朝ご飯。腹が減っては戦はできぬ。戦う意志もないけれど。ッチって舌打ち一つ、虚空に捧げて冷蔵庫をバーンって勢いに任せ閉める。さいふ、さいふ、え~と後は、そうそう服着替えんと、えっと後は、ってあ~鼻水出てきた、ティッシュティッシュぅ~どこ~、あったあったっとチーーーーーーーーーーーン。あ~すっきり。って俺何探してたんだっけ、そうだそうだ、服だ服。って俺にゃ福が無いなぁ。不幸だなぁ。おおん。笑う門には福来たる。笑わぬニートにゃ犬が鳴くってそらワンワン。ワオ~ン。ってな感じで準備して、ズボンのチャックが開いていたことに気づき、そこから陰嚢を出したりしながらあははははと笑った。

誰もいない家に、いってきますと一言残し、左手には親の金の入った財布。右手には日傘。日焼けイヤン系男子。

いつもならと言ってもそんなに外出しないけど、お隣さんが庭の手入れしてる時間だなって思うんだけど、今日はいないのかな。いっつもあの人と目が合う度に、一応相手は挨拶してくれるんだけど、自分、どんな目で見られてるんだろ、やっぱバカにされてんのかなって不安になったりもする。けど、今日はいないっぽくてラッキー☆


っっっっっっっっっっってうわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


マジ、ビビった。だってだってだってさ、だってだってだってだって、ビコウズ、だってビコウズだって、って落ち着け落ち着け、落ち着いてられっか!ってだって、おおおおおおおおおおお隣の低木にさあ、、、、、、、寄りかかるようにしてさあ、、、、あるんだよ、お隣奥さんの、、、、変わり果てた、死体がさあぁ。


冷静に なってられるか こんな時


って心の俳句を詠めども、心ははやる。これマジでやばいヤツでしょ。やべえよ。逃げなきゃ。何からかはわからないけど。ってこの惨状からだよ。後ろめたい事なんて、無いから無いから。問題なんか何もないよ。ケッコー結構いけるもんネ?って心で唱えろ。逃げなきゃ逃げなき。疾く。疾く。疾く。これは絶対ヤバいヤツ。


でも、足は、棒のようになって動いてくれない。


恐怖で信号が伝わらない。

多分漏らしている。俺は。

陰嚢の湿った感触だけが、脳に伝達している。不思議だ。


景色が止まり、時間からも放り出されたような、

体内で循環している血液が、素早くなる。俺はこんなに止まっているのに。


と、怯えぷるぷる震えている俺に、突如声が掛けられて、うわっっっっびっくりしたあぁん、もうやめてよねって顔で声の方向へ首を向けると、お隣の旦那さん。

「やあ、おはよう」

とフツーに声を掛けられ、一瞬てか二瞬くらい戸惑ったけど、その言葉があまりにも目の前の景色を逸脱して日常的であったため、思わず、自分もおはようございますって。言ってから気付いたけど、この人、確か寡黙っつーか、人見知りっつーかあんまし人と話したりしない人だそうで、自分も何度か対面したことはあったが、話すのは初。いたって平然に見えて、その実、性格がめくりかえる程度には動揺しているのかもしれない。と同病相憐れむような感情が起こり、気の利いた一言でも言おうかと思ったときに気付いた。


旦那さんは、

白目だった。口から唾液と血液がブレンドされた粘液が垂れていた。後頭部から、鮮血が吹き出していた。


普段から人の目を見て話さないからそんなことにも気付けなかったんだよって、そんな次元じゃない。どうして自分はこれまで彼の様態に気付かなかったのか。先の死体に気が動転していたのか。って自省している暇あんの。これヤバいじゃん。マジ何ーコレーヤバいーうけるーやっぱうけないー。逃げなきゃ。脳内でカニエウェストがRun away fast as you canって歌いかける。

でも、でもさあ、やっぱりさっきから、膝ガクガクなんだよねえ。ってか結局、これどうゆう状況?一旦落ち着いて考察しよ?って無理無理やっぱり頭がボカン。爆発。爆発シーチキン。

「あぁあ、あのぉ」って唯でさえこっちはパニクることに忙しいのにまた、旦那は話しかけてきやがる。耳を傾けると、

「あぁあ、あの、西に東に三十歩ぉほど、いいいけば、ありゅんじゃない、ってゲルみたいなポン?いやああぁあれは香でってり散るさく、ばらってでしょがいな?ってゆうことでいやあばあしゅいうくおおさっぱよんぱちに。」とわけのわからなすぎて、もう、禿げそうなことを言ってる。やばい。本当に、頭が、爆発する。爆発シーチキン。

「でででえ、こっちむけのぉおば、伝統げいりょお、ってしゃりんちゃちょうっみつばねワン、ちっちちゃるりょっておほほん。ワン。ばばしてりつぬ、いっかな阿保、ABBAじゃんってゆったり。ってワンワンワンっつう。ワンワンワンワンワンワン。ぅ~ワンッつ~。」

って聞いてると、時々意味がわからない中に犬語みたいのが交じってて、いや、それも意味分かんないんだけどさ、どうせわかんないんなら一から十までオール全部わかんない方が聞いてて安心すると言うか、落ち着くじゃん?だから犬語はまだ良い。それに比べて、先までの旦那語って時々聞き取れそうで、でもさっぱりわかんないから怖い。非常に。て、ちょっとだけ、動揺の中、落ち着いてきて、掌の中の汗の感覚や、パンツの糞尿の感触を感じられるようになってきていたところ、

「ワンワン。」って本物の犬みたいな声に、ぎゅじゅぎゅじゅぎゅじゅぎゅじゅぎゅりぬちゃえぐりゅるぎゅじゅりって気色の悪い擬音が時々混じってきてて、ほんとに気持ち悪いんだけど、ってよく見ると旦那の顔のセンタアの辺りが徐々に前に突き出していってるのが目に入り、出っ張りが、パトカーのライトくらいの大きさになると、徐々にその周囲の部分から出血。或いは、すこしずつ、肉が飛び散る。

そして、

パーンっと風船の割れるような、耳を聾する爆音と共に出っ張りがはじけ、肉塊が四散し、旦那の顔からは、一匹のお隣で飼育されている小型犬が飛び出してきた。

後頭部からの出血、意味不明な言説、そして出っ張り。この一連の流れは、オール全部この犬が、後頭部から旦那さんを食い破ってたことに依るもので、きっと、そこの奥さんを殺ったのもこいつだろう。全く因果な犬だ。困った困った。


ってこいつ。ふざけんなよ。そういや、俺の安眠妨げたる愚犬は何を隠そうこいつだ(きっと奥さんと喧嘩でもしてたんでしょ。そんで、そのとき奥さんは食われたんでしょう。)。これだけでも十分許せねえ。のにだ、のにまた、こいつは食ったモンそのままにするわ、くちゃくちゃ音立てて飯食うわ、俺に無駄なお漏らしさせるわ(問題:無駄じゃないお漏らしは存在するか。)で俺を非常に不愉快にさせた。さっきまでビビってたのがバカ見てえじゃねえか。こんな小型犬に。畜生風情が

生意気なっ。ゆるさねえぞ、ぶっ殺したる(お指の関節ポキポキタイム)。って俺は俺の方をつぶらな澄んだ瞳で射る小型犬めがけて、サッカーボールを蹴るように足をフリ上げる。まあ、働かない、普段から運動しないなど、日々の行いが災いして、とても見られたフォームじゃないが、相手は畜生。なりふり構わん。

今日一日の、一時間以上に及ぶ、忿怒怨恨畏怖等々、織り混ぜ混ぜて、振りかぶる!

くたばれ!この、ドちび!

くらえ!乃公のキックをば!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「お師匠さまぁ、お師匠さまぁ。それから、それからどうなったのですかぁ?」

「おうおうそうか、気になるか。よーしよしよし。頭撫でちゃう。なでなでなで♡」

「んも~、相変わらずそれ好きだな~。でも、話をそらさないでくださいぃ!教えてください。結末を」

「ん~そうか、きになるかぁ。まあ、大体オチは見えてるじゃろう?そんなことより、こんなとこ撫でちゃう♡あんなとこ撫でちゃう♡」

「んあ~もぉ、あはは、くすぐったい、やめやめてくださいよぉ。で、結局、男は犬に勝ったんですか?負けたんですか?」

「たく、聡明なくせに、ちょっと抜けてるとこあるよのお、君は。・・・もちろん負けじゃよ。負けまけじゃ。食い破られて爆発したシーチキンみたいになっておったそうじゃ。」

「へえ。蹴り、決まらなかったんですか。」

「そらそうじゃろな。働きもせず、寝て、食って、糞してるようなやつの蹴りの威力など、粟粒よりも小さいじゃろな。」

「んで、結局、この話で伝えたかった事って何なんですか?」

「んぅ?伝えたかったことぉ?」

「はい。メッセイジ的なやつ。」

「ん~。最近の子ってなんでも意味を求めすぎるよのぉ。」

「そんなもんですか。」

「そそ。困ったことに。」

「で、結局、何か、意味あったんですか?さっきの話は。」

「ん~・・・。強いてあげるならぁ・・・」

「強いてあげるなら?」

「人は見た目で判断しちゃダメダメよってぇことかのぉ・・・。」

「え~、何かしょぼいし、いまいち腑に落ちませ~ん。」

「だってだってだって、男は犬が小型犬だったから、舐めてかかって、その結果まけたんじゃろう?」

「え~、でもさっきお師匠さまの話からすると、油断して無くても、男はそのヤバい犬には負けてたんじゃないんですかぁ?」

「う~む・・・・・・・・。ん~~~~うるさーい!もーいいもんっ!つんつんしちゃうもーん♡」

「あ~ん、ちょっとやめてくださいよぉ、あははこそばい、あはは。誤魔化さないでぇって、話戻しますけど、そもそも人じゃなくて犬じゃないですか。」

「え~い、揚げ足取るんじゃないわーい!・・・・・・まあ、兎に角、最後に巧くまとめると、男は犬を飼ってる人の気持ちがわからんといっておったが、犬の方は男にかってた(勝ってた;飼ってた)ってわけじゃな。おほほほほほ。」

「ダジャレ落ちサイテー。しかも全然巧くなーい。」

「うはははははははははははあーーーーー。あーおっほほほほほほほほっほほほほほほほほほほほほほほほほほっ。ん~~ぎゅピ~ん!どちゃかっはーーーーーー!!!!!」

・・・・・・


お師匠さまは、そのまま、発狂して、竹とんぼになった。


日々、弟子達の手によって、天高く飛ばされ、極楽の隠居生活を貪っている。


竹とんぼは犬に負けた男のように、その眠りを妨げられることはない


そこに私は他力による救済、という面を見出して行きたいと思う。おしまい。





これまでに幾つかノートに短編っぽいのを書くことはあったが、そのたび、思い通りに話が進まず、ファンタジーを書いていたはずが、最後は勇者の主人公が八つ橋を作っていたりしていて、これではいけない、となろうで自らの文章を他人様の目前に晒すことで、自分の文章を無理やり矯め、また律しようという所存。つたない文章で、また意味不明な内容だったかも知れないが読んでくれた人には意味不明ではない極めて完結で美しい言葉、すなわち、ありがとさんきゅうベリベリシェーシェーなんて言葉を贈りたい。いやマジでありがとうございます。

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