愉快な創作活動
小説家になろうに登録して数ヶ月後のお話。俺の作品“ウォーライフ”をハングルで翻訳して、韓国のネット小説サイトにアップさせてくれと申し出があった。
俺は、ガッツポーズし飛んで喜んだ。遂に認められたと! これまでの実績は、短編小説の小さな賞を1回取ってただけだった。
俺は、小説をただのツールとしか考えていない。最初から映像化を目的に書いてるからだ。だから、俺の小説は拙作と言われても仕方ない。あまりにも小説小説してると、映像化に向かないと考えている。韓国のネット小説サイトにアップされる事でそれが近付くと思った。
今までは、漫画原作賞を狙って出版社に郵送していた。当然、落選続き。考察するに、出版社は漫画家は欲しいが、漫画原作者は『う〜ん、どうしよ。コイツ、遣えるかな?』ってな感じで受け入れをしてくれない。しかし、不思議な事が起きた。某大手出版社の漫画原作賞に郵送した原稿が、ゆうメールで送り返されてきたのだ。“折れ曲がり、濡れ厳禁”と判子が捺されていた。この出版社は何を考えてる!? どこかに不備があったか? 着払いでもなく、わざわざ送り返すか? 作品を気に入ってくれたのか? だったら、名刺の1枚でも付けてくれたら…………。というかこちらのプロフィールを書いて出してるんだから、メールでも電話でもしていただければいいのに、と消化不良だ。謎は深まるばかり。
そして、韓国人を名乗る翻訳家と密にメッセージをやり取りして1ヶ月後、遂に翻訳が終わったと連絡がきた。
なぜ、嫌韓紛いの俺が、韓国人に翻訳を許可を出したかというと、初めての海外旅行が韓国だったからだ。子供心にソウル、釜山、ロッ○ワールドと楽しい思い出と伴に、カメラは盗まれる、泊まったホテルは心霊現象で眠れないと、嫌な思い出もあった。やや楽しい思い出が勝っていた。
韓流ブーム前の韓国の実情を知っていた。初めての海外旅行が台湾やフィリピンだったら、また考えは違っていただろう。
そして、今、韓国人の翻訳家とは音信不通…………。死んだか、パクられたか。別の意味でパクられたか…………? こうして、俺の愉快な創作活動は続く。
――終わり――