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たからばこには‐5‐
「椛さんも着てくれたんですね。ありがとうございます」
「ま、まあ、折角小雪が準備してくれたし、着替えないと寝づらいし? でもちょっと……恥ずかしい……」
「とても似合ってますよ」
「……ありがとう」
「相手の好みと同情は観察で大切ですから」
「ちょーと不穏な発言が聞こえましたよ?」
「冗談です」
「そうだよな! しっかし鏡太郎、お前河童て不細工だな!」
「あれも私の『趣味』のパジャマではあるんですけどね」
ケーキもお茶もないパジャマパーティだ。せめて菓子の一つでも欲しかった、という我侭が鏡太郎にもちょっぴりあった。
大の大人が三人も揃って、変なパジャマを着込んでパジャマパーティというのもどうなのだ、と思わなくもないところ。
──だが。




