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からのなか‐12‐
「──もう一度、椛さんに会いたかった」
「? 私にmどうして?」
「会いたいと思う気持ちに理由が必要と」
「当たり前だろ」
「椛さん。俺はキミを助けたかったんだ」
「本当は?」
「俺の家にお前が来たとき、その時の顔が気になった。放って置いたらよくないことがおこると直感した」
「大きなお世話だ」
「と、言われると思ったから言いたくなかった」
「私はお前が馬鹿なのかと思ってるよ」
「はっはっはっ。この世界馬鹿じゃないと生きづらいだろ」
その時である。
──ペコン!
データメールの着信だ。「失礼」と一言断ってそれを読む。誰からのものかはわかっていた。
〈現着。乗ってください〉
「うっ!」
荒々しい運転とともに一台の車が、目を眩ませるヘッドライトを振りかざしてきた。エンジン唸る鉄の獣。日本では不釣り合いに大きく、そして四角い、ハマーだ。
「乗ってください」
その声は、小雪だった。




