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からのなか‐6‐
「おう! そこにいるのは椛じゃないか!?」
足を──止めた。
「なっ!? 鏡太郎か!!」
椛が鏡太郎の存在に気づく。
背後の蜥蜴頭が怒鳴った。
「なにとまっとんのじゃ!」と。
椛の連れの男が「あ……え……」と動揺して言葉になっていない。
蜥蜴頭の舎弟であろうブリキ野郎どもも騒ぎ始めようとしていた。にわかの混乱。話し合いで収まるわけがないし、時間もない。打開策は強行突破あるのみ。
「こっちへ来い! 椛!」
鏡太郎は声を大にして張る。自分の発した声であるはずなのに、自分の耳と、自分の肌が空気が震えるのを感じ取った。連れの男の体が硬直した。
「このガキャあ!」




