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まえにいっぽ‐3‐
看板娘はニコニコと、笑顔が絶えることがなかった。営業スマイルというにはあまりにも自然で、小悪魔的だ。八重歯で、ヤギの足、角にコウモリの尻尾が、彼女の背中を見つめる鏡太郎の目にチラつく。うん、小悪魔的だ。
(……いた。間違いない)
この店で約束していた知人を見つけた。
タラコスパゲッティをフォークに巻く粘体スライムのテーブルを越え。パソコンのキーボードを叩く顔の長い犬顔のテーブルを越え。化粧を気にする鮮やかな羽根の翼のテーブルを越えた。
そして目的のテーブルの前へ辿り着く。




