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わからないきずかない‐17‐
「……いや……そう、だった。男ってのは、そういうことにこだわるものか」
「椛は、男らしい男が嫌いなんだな」
「別に。ただ、筋肉達磨や、アッチが大きければどうとか、力強さのアピールとか、女はこれが好きなんだろって雰囲気をチラつかせるのがウザったいだけだな、うん」
「随分と辛辣だな」
「それだけ“勘違い”が多いわけだ」
椛と話していると少しずつ、また、鏡太郎の眠りが帰ってきた。起きているにはまだ、早すぎたようだ。思い瞼が、抗いがたい力で下りようとしている。
「眠そうだな」
「ん……まあな」
「今は寝ろ。朝また起こしてちゃる」
額に手を添えられた。椛の手だ。とても冷たい手、しかし温かかった。




