前へ目次 次へ 48/94 わからないきずかない‐14‐ 「ならどうして俺の家に──いや、訊かないでおく」 「ふふふ」 椛は小さく笑い声を漏らし、「それが正解だ」と囁く。こそばゆいものだ。 「随分と雰囲気が変わったな」 「鏡太郎、それはどういう意味だ?」 「ツンツンしていない。椛はもっと、人を刺している性格だと思ってた」 「失礼なヤツだな、お前」 「初めて会った時に、こっち見てんじゃねぇボケッ! と吐かれたからな」 「そんなこと言った覚えないぞ」 鏡太郎もよく考えれば、そんな覚えはなかった。