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わからないきずかない‐8‐
「布団はどうするかな」
「一つしかないなら、一緒に寝ればいいだろ」
「何言ってんだこの娘さんは。流石にそれはしないぞ」
「この時期に布団を被らないのは凍死ものだぞ、鏡太郎」
「大げさな」
「北のほうだと、まだ、ありえる。今日は冷え込むらしいからな」
「その寒い夜にびしょ濡れの女性が目の前にいるがな」
この女は何を考えているんだ。というのが、鏡太郎の思いであり悩ませていた。独り身の男の家へやってきて、同衾を求めるのだ。おかしなものを感じた。だがそれだけだ。追い返すという選択肢をを、鏡太郎はとれなかった。




