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またたきのあいだ‐17‐
ケーテルに未読のデータメールが積まれていた。差し出しは、同窓会で顔をあわせた小雪からだ。データメールの中身は、昨夜の同窓会からシレっと消えた鏡太郎のことを心配するものだった。
〈同窓会をご退席なさったことに気がつくのが遅れ、申し訳ありません。体調を悪くなされたのでしょうか? 心配です。鏡太郎さんにいただいた杏子酒、美味しかったです。今度また一緒に飲みにいきましょう。もちろん、もっと静かな場所で〉
小雪の、掌と小さなポケットに収められそうな小さな体が、妖精のような羽根をゆるりとはためかせながら、大きなケーテルを打っている姿を想像した。可愛らしいと笑えた。そんなこと、ありえないというのに……。




