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引きニートの俺。
カタカタとパソコンのキーボードを叩く音しか聞こえないこの部屋。
ずっと暮らしている俺の部屋だ。
いつからか、俺は引きこもりになった。
学生の頃はまだ良かった。学校に行かないだけで、特に責められることもなく...
だが、高校を卒業した俺はもう見捨てられた。
引きニートでなんの利益も出ない。
むしろ置いておけば食費が削られていくだけ。
そんな俺を、なぜ両親はここに置いておくのだろうか。
おっと、今日は新作のゲームの発売日だ。
ネットで検索しても、全部売り切れていた。
仕方ない。中学生以来の、外...か。
とても緊張する。
『もし、中学のころの同級生に会ったら?』
そんな考えが頭を横切る。
『もし、その同級生がイジメていた生徒だったら?』
やめてくれ、考えたくもない。
『もし、その同級生が__好きだった子だったら?』
やめろ、やめてくれ。
ガタンと音を立てて立ち上がった。
愛用のジャージを着て、財布を持つ。
ガチャリとドアを開ける。家の中ならまだ大丈夫だから、軽い足取りで進む。
タン、タン、タンと、リズムよく歩いていく。
そしてドアを開けた。そう、玄関のドアを。