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12.身嗜み

 一度、始めから読み返したのですが、感想に来たように誤字がだいぶひどいことになっていて修正をしないとと思ったのですが、ある程度物語が落ち着くまでは修正をしない予定です。



 夏休みも終わりに近づいてきた20日。

 彩希と夏休み前にプールに行こうと言う話になっていたのはご存じだろうか。

 そこのプールのペアチケットを2組分彩希が入手したと言うので、誰か男の人を呼んで行こうと言うことになり、彩希は彼氏を誘い、私は誘う相手が限られていたので先輩を誘うことに。

「先輩、明日用事ありますか?」

「納期は問題ないから大丈夫だが、どうかしたのか?」

「プール行きません?」

「車出してやる」

 かなりノリノリで行くことになったので彩希に一人誘い、車を出してくれると言うことを伝える。

 彩希は、その相手は以前の告白してきた男なのかと聞いてくるのだが、あいにくとアイツの連絡先を俺は知らないのだ、誘えるはずがないだろうと言えば彩希の声に笑いが含まれていた。

 部活動で海に行ったときはレンタルのモノを借りたが、さすがに今回は自分で買うことにする。お小遣いもそれなりにあるし。

 少し出かけてくると声をかけて家を出た。



 

 彩希の姉こと、紅葉さんの店にやってきた。

 駅前のショッピングモールで見ず知らずの店員に云々かんぬん色々と進められるよりは、知っている人がいる方が安心できる。

「ど、どどどどどうしたの!?彩希からは連絡なかったんだけど」

 相変わらずの無表情でハイテンションな感情丸わかりの声を出すと言う器用なことをやってのける紅葉さん。

 周囲の店員も心なしか驚いている。

「…驚くことですか」

「え、いや、だて、ね?」

 激しく動揺している声なのに顔は無表情。

 とてもシュール。

「確か、水着ありましたよね。ここ」

「あるよ。ハンドメイドのがっ!」

 その言葉を聞いた瞬間にどこからともなく水着を取り出す。

 ビキニタイプの白に桜の模様が入ったもので、それにパレオが付いているのだが、刺繍が尋常じゃないまでに凝っている。

 一時自分でも暇つぶしに刺繍をしていた時期があるのだが、そんな趣味で修められるようなレベルではない、しっかりとしたもので工場で大量生産したのではない、ハンドメイド感が窺えた。

 それに呆気取られていると、無表情が若干ドヤ顔気味に見えた。

「春に測り、揉ませてもらったデータを採用し、一寸の狂いもなく仕上げたカップの曲線が苦労したんだよ。刺繍の方は趣味で、黒か白を基調とした色が似合うと踏んでたからそこが悩みどころで---」

 そして語り始めたのだが、簡潔に言うとすごい事だけ分かった。

「是非、着て見ないかい。と言うか着て欲しいんだけど」

「その代り2割引きぐらい値段引いてください」

「ん?趣味だからタダでいいよ。むしろ実際着てもらって初めて満足するから」

 …さらっといつものように無償提供を言い出すが、何と言うか罪悪感の様なものがあるので、どうしたものかと考える。

「そ、それに抵抗があるんだったら今度、店のお手伝いしない?」

「それでお願いします」

 それなら、如何にか納得できるので是を出すと、紅葉さんが無表情のままガッツポーズをしならが天を仰ぐポーズをするのだがやはりシュール。

「ダメもとで言ってよかった!」

「色々と頂いているので、それくらいなら…」

「じゃ、じゃあ定期的にバイトしてみない?」

「休日なら基本的に大丈夫ですが」

「よっしゃぁ!」

 大声で喜びを露わにするのだが、別に従業員が足りないと言う訳でもなさそうなのだが、何故?

 まぁ、運が良ければ色々と裁縫を学べるのかもしれない。

 バイトをすることが決まりそうなので今度学校でバイト届を出そう。

 成績はまったくもって心配がない優等生をやっているので特に問題なく許可は下りるはずだ。

 そして、水着を試着するのだが、若干胸に違和感を感じる。

 少し、キツイ?

 まぁ、そのまま試着室のカーテンを開けるのだが、店長の目が光り、

「…凛ちゃん。胸、4カ月でサイズ変わったんだね」

「ブラは、特に変えるほどの違いが無いんですけどね……」

「既製品はある程度幅があるから。見た所CだったのがDにほど近いCになってるね」

「これ以上サイズ大きくなっても邪魔なだけなんですが…」

「それが持つ者の悩みだ」

 そう言って紅葉さんは自分の胸を一見。

 まな板と言う訳ではないが辛うじて女性らしき線が服の上から見える。

「いや、AからBよりに周囲の肉持って来たプッシュアップの使ってるから何かそれっぽいのが見えるだけだから」

 無表情のまま、床に手をつき俗に言うORZポーズをとる。

 何かすみませんでした。

「でも、和服やゴスロリとか似合うこの体系が嫌いではない」

 そう言って瞬時に立ち直る。

 自分、和服用の下着つけると少し苦しかった記憶があります。

「取りあえず、微調整でどうにかなりそうだから良かった」

「でも、この紐で結ぶタイプって何か解けた時が怖いですね」

「それがロマン」

 確かに男としてはロマンだったよ?

 波に水着が攫われてポロリとか。

 いざ女となればいい迷惑である。

「明日には調整できるから、彩希に渡しとく」

「お願いします」

「後、髪弄らせてもらっていい?ウチの子が辛抱溜まらんとかいってて」

「構いませんが」

 着替え終え、元の私服に戻ると店員さんにヘアアイロンとか、スプレータイプのワックスが置いてある美容室の一角のような所に連れてこられた。

 とこか目つきは危なくどことなく犯罪臭を漂わせるのだが、外見は美人である。

「前々から触ってみたかったんですよ、あー良い臭いする。このメーカーのシャンプー私も好きなんですよね」

 椅子に座った途端髪に顔をうずめられ臭いを嗅がれるという行動をとられると、やっぱこの人犯罪者だと思ってしまう。否、犯罪者である。

 だが、見た目がなまじ美人なので対して悪い気分にはならないのが不思議。

 アリシア先輩の如く、どこか母性を醸し出しているのが原因だろう。

「サラッサラで、枝毛も見当たらない…手入れはしっかりとなさってるんですね」

 と言いつつ、ヘアアイロンを使って毛先の方にカールを入れていく。

 次第に出来上がってくのを鏡で見ていると、少し目つきが悪いものの、どこか優しそうな雰囲気に仕上がっていく。

「ちょっとお化粧してみない?一応、普段から化粧水で保湿とかはしているみたいだけど」

 …すみません、たまに気をつけているだけで肌は荒れにくい体質なんです。

「折角なので、お願いします。自分でも多少なりできるようになりたいので」

「分かった。それじゃあ、手順とか道具とか説明しながらやってくよ」

「ありがとうございます」

 段々と化粧をされていくことによってまるで自分が別人のように感じる。

 一つづつ丁寧に説明していくので理解もしやすいに、自分でも練習をすればできるようになると思う。

 某CMの可愛いは作れる、と言うのはあながち間違っては居ないのかもしれない。

 ただ、技術に大きく左右されるみたいだけど。

 男のカッコいいを作るのは体系とかも大きいから難しいだろう。

「はい、完成。我ながらよくできたよ」

 オシャレポイントなのか、化粧でどうにか誤魔化した眼つきをレンズの薄いメガネで更に印象を変えた。

 何と言うか、ふわっとした天然そうな人に見える。

 明るめの髪色も影響されるのだろうが、そんな感じである。

「ここまでされると、普段から気にしてない服装に気をつけないとって思いますね」

「ありがとう。私にとっては最高の褒め言葉よ」

 ちょっと自分もここまで変わった外見ができるのだと思うと、思わず笑みをこぼす。なんだか、女性がこう言ったことに興味を持つ理由が分かった気がした。

 その後、紅葉さんに自分にはどういった服が似合うのだろうかとか、色々と話、途中、勢いよく店に入ってきた男性に、有名だと言われるファッション雑誌のモデルにスカウトされたが、ことわったりしていると気が付けば日が暮れていた。 




 すっかり遅くなってしまって急いで帰ろうとするのだが、メイクを教えてくれた店員の天音さんが送ってくれると言うのでお言葉に甘え送って貰った。

 …マンションの前に行くと“お、お嬢様だったん?”と似非関西弁が発動すつくらい動揺していた。

 部屋に入ると、リビングには誰も居なかったので一旦部屋にすっかり増えてしまった荷物を置き、先輩の部屋に入り、夕食は如何したかを聞いた。

「先輩、夕食は食べましたか?」

「まだ、食べt-----」

「きゃっ!?」

 コーヒーカップを片手にパソコン作業をしていたようだが、肩を突きいることをアピールするのだが、こちらを見た瞬間に口の中身を噴出した。

 カフェオレだったのか、すこし液体が白く少し濁っており、顔とか、服に掛かった。

「少し、べた付きます…」

 何と言うか鏡で見たらマニアックな人受けしそうな格好になっている自覚はある。これが練乳とか更に粘性が強い物だったら更にアウトだろう。

 …服のしみ抜きをしないと。

「わ、悪い!」

「白くて少し濁ったのをぶっかけないでくださいよ!」

「その言い方はアウト!」

「うっ、着替えてシャワー浴びてきます」

 服にものの見事にシミを作るのは勘弁なので、急いで脱衣所へ行って服を脱ぎ、洗面台でしみ抜きをするが、そこまで酷い汚れと言う訳ではないので助かった。

 髪にもそれなりにかかったのでシャワーも浴びることにするが、メイク落しが部屋のバックに入れっぱなしだと言うことを思い出す。

 …やらかした。

 先輩に、少し大きな声で部屋に籠っててくれとお願いし、体にバスタオルを巻いた状態で廊下を移動すると言うのは、何と言うか恥ずかしかった。

 明日、先輩に何か奢ってもらおう。

 羞恥を感じながら急いで移動するのであった。

 先輩がやらかしました。


 これ以上やらかすと多分当初のコンセプト回避になるだろう。


 と言うか、ここから

“TSして女としての生活になれて始めたけど恋愛が今一つ分からない主人公を生活能力0の男が落す”

 とか不可能に近い様な気が……

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