3章-3
俺は数秒間光に包まれると全身に青い浴衣をまとい飛び込んできていた魔砂の刀を防いでいた。
「うーん、雰囲気的にまずいと思ったけどやっぱり止めときゃよかったかなぁ…久しぶりだね、半分魔恐の宗康くん」
魔砂は俺から飛び退きにやっと笑い軽く一礼した。
「宗康じゃねえよ」
「宗康を押さえ込んだ!?」
「さっきから話してる宗康ってだれだよ、イライラするな」
「俺は俺だ。」
「浴衣をまとっただけ?じゃあなにも変わらないじゃん」
魔砂は鼻で笑うと再び剣を突きだしながら俺に突っ込んできた。
「どこみてんだ?」
俺は瞬時に魔砂の頭上に飛び上がると刀を突き刺した。
「チッ!」
魔砂は反応が遅れ片手で俺の刀を掴んだ。
「…俺を無視してるんじゃないぞ」
突如颯馬が魔砂の目の前に現れ魔砂の腹に刀を深々と突き刺した。
「う~ん、いつもよりスピードとパワーがでないんだよな~、それなのにお前がそのスピードじゃ…不利かな」
魔砂は刀ごと俺を投げ飛ばすと颯馬を殴り飛ばし魔砂は腹をさすった。
「回復方法は共通なんだな、怪我した場所に手を触れさせると怪我の回復が早まるんだろ?」
俺は空中で体勢を立て直し、地面に一瞬片足をつけ飛び魔砂の方に加速をかけると魔砂の横を横切るときに刀を振り抜いた。
「その回復方法なら回復しきる前に手ごと斬りふせばいい」
俺は颯馬の横にゆっくり着地し魔砂の方に振り返った。
「おい、殺せてないのになにかっこつけてんだ」
「いやぁやったと思ったんだけどな…まさか剣で流されて避けられるとは」
「さすが、宗康だね、凄まじいスピードだね、でも、スピードだけでは俺には勝てない」
「J.W!彼岸花を大量に俺に向けて投げろ!」
颯馬は刀を構えた。
「仰せのままに?」
J.Wは既に両手一杯に彼岸花を持っていてそれを颯馬に向けてすべて投げた。
「姿くらましでもするのかい?」
「そんな卑怯な真似はしない、単なる武器強化だ」
颯馬はそういい、一閃ですべての彼岸花を真っ二つに斬った。
颯馬の双剣は彼岸花のもつ液体を吸収し赤色のオーラをまとった。
「彼岸花で武器強化?どういうことだ?」
「分からなくていい、死ね」
颯馬は俺に匹敵するスピードで魔砂に駆け寄ると高速で攻撃を繰り出した。
「甘いな」
魔砂は剣を両手でつかみ颯馬をねじふそうとした。
しかし、魔砂は全身に衝撃が走ったように動きを止め、そのまま膝をつけた。
「な、なんだ!?力が抜ける?」
「彼岸花の効果?いや、違うな…J.W何をした?」
「彼岸花の成分は頑張れば強化できるんだよ?僕ならね」
J.Wは足を組みニコッと笑った
「ふ、ふざけるなぁ!」
魔砂は無理矢理立ち上がると長剣を振り回した。
「甘いのはどっちなんだろうな、情報は武器なんだぞ」
颯馬は片方の剣で長剣を止めると、もう片方の剣で魔砂の胸を深々と突き刺した。
「やったか!?」
魔砂は頭をうなだれ、体を震わせはじめた。
「…ふっふははははは!ふははははは!!俺もなめられたものだな!俺は魔恐を越えた魔恐だぞ!?このくらいで死んでたまるか!酩砂ごときと一緒にするな!」
次の瞬間魔砂のからだがびくんと震え颯馬は魔砂に片手を突きだされただけで吹っ飛んだ。
「さぁて、今までさんざんやられたぶんの反撃といこうか!?」
魔砂は高らかに笑うと一瞬より早く倒れている颯馬の目の前に立ち長剣を振り上げた。




