2章-3
「いま、私のこと見て失礼なこと考えたでしょ?」
俺は気づくと吹っ飛び道場の壁に激突した。
そして、なぜか隣のJ.Wも吹っ飛んでいた。
「「ずみまぜん…」」
「二人とも第一印象で失礼与えるとかくその塊か」
「「…すんませんでした」」
俺達は目をつぶり颯馬の痛い視線から目をそらした。
「お前も俺から背を向けるとか失礼だぞ、展開」
颯馬は刀を展開すると同時に女の腹に貫いた。
「お前も弱すぎだ」
「あのね?私のこと見て失礼なこと考えない人も失礼なのよ?」
女は腹に刀を貫かれたまま身体を捻ると颯馬に回し蹴りをくらわし颯馬は刀から手を離してしまいそのまま吹っ飛んだ。
「破魔器の弱点ってこれなのよね」
女はボタボタと血が落ちている傷口をさすっていると段々と塞がっていっていた。
そして、足元のシャーペンを拾うと真っ二つに折り颯馬の近くに放り投げた
「返すわ」
俺はようやく立ち上がると女の姿を眺めた。
手には鞭をとっていて容姿はさっき見た通りだ。そして、なぜかスーツを着ている。
腹の部分には先ほど颯馬が刺した穴が開いておりへそがみえていた
「人間ではないよな?」
「当たり前だ。人間が再生できるはずがないだろう、頭まで腐ったか」
「頭までってどういうことだよ」
「私を挟んで会話しないでくれる?私の名前は酩砂よ」
酩砂は立ち上がったばかりの俺に飛び蹴りをしてくると颯馬の近くに吹っ飛ばした。
「かは!めいしゃかなんだか知らんがいい加減にしろよ!展開!」
俺は怒りで痛みを忘れ、刀を展開させ酩砂に斬り込んだ。
「あなた、さっきの子よりおそいわね~」
酩砂は身体を傾けるだけでよけると俺の刀を鞭で巻き動きを止めた。
「くそ…!」
「このまま折ってあげようか?」
酩砂は力をいれ俺の刀をおろうとしてきた。
「く…舐めんなよ!展開!」
俺はさらに展開させ刀を傘に変化させると鞭をちぎりとばし酩砂から離れた。
しかし、ちぎりとんだ鞭は空中で再構成すると再生した。
「なにそれ、新しいわね、あなたもよく考えるわね」
「僕も古い考えだけじゃダメだと思ってね」
「でもね?私を傷つけた子は何があってもぼこぼこにするの。すぐには殺さないわよ?痛みを味わわず死ぬなんて…もったいないと思わない?」
「とちくるってんな」
「…俺のはどうにかなるか?」
颯馬はJ.Wに向かって真っ二つになったシャーペンを放り投げたが、J.Wは一瞬つかむとそのまま颯馬に投げ返した。
「ああ?」
「僕にはそれをどうしようもできない、しかし創造力が豊富な君ならなんとかできるかもね?」
「投げやりかよ…」
「だから…私を挟んで会話しないでくれる!?」
酩砂は俺の時と同じように颯馬に飛び蹴りを仕掛けようとしたが颯馬は酩砂が飛び上がる瞬間に銃を展開させ、酩砂の眉間をぶち抜いていた。
「調子いいな」
「いつも通りだ。…!?うそだろ?頭ぶち抜いたんだぞ?」
酩砂は大量に血を流しながら頭をさすりながら立ち上がった。
「いったーい、二重展開できるのならそういいなさいよ」
「誰が敵に手の内をあかすんだ」
「まぁ私に怪我させたからには粉々になるまでぶっ殺すけどね」
酩砂は怒りで顔を歪ませると颯馬に向かって鞭を振り回し始めた。
「上等だ。やってやる」
颯馬は銃の展開をやめると、折れたシャーペンを両手に片方ずつもった。
「展開」




