私の中に眠るもの④
大漁だねー。
紙袋などを両手でさげて、大漁に買い込んだ私はまだ夕暮れの道を歩いていた。
オタク道と呼ばれる道を歩いているため、ところどころでメイドさんがビラを配っているので立ち止まってしまう。
だって可愛いんだもん。
立ち止まって少し話して、離れたっていいじゃない。
それに別に私から話しかけてるんじゃないよー。
相手から話しかけてくるから対応してるだけなのさ。
どや。
一人で盛り上がってどや顔を誰かに披露するわけでもなく決めると少し冷静になる。
私ってば、盛り上がりすぎだから……
でもどうしよう。
それは大量に渡されたチラシのことだ。
どこかに捨てるわけにはいかないので持ってはいるけれど、本当はどこかに一つのメイド喫茶によれたらいいな、などと思っていたのでいざ入るとなるとこの渡されたチラシの中の一つに行こうかなと思う。
これはどれにしようかなとかいうの感じの形式で決めたらいいのかな?
一枚めくって二もらう的なことはないと思うけど、とりあえずこの中から一枚の抜き取って……
あ……
「ばさ」
一枚取ろうと頑張ってはみたものの紙が綺麗に一枚だけ取れることはなくて、持っていたチラシがバサリと地面に落ちた。
場所は少し考え事という名のメイド喫茶選びをしていたため道路の端っこによっていたため被害的には最小限に収まったと思う。
そんな最小限の被害だけど、チラシを落としてしまった事実は変わらないので集めにかかる。
手に持っていたものを少し引きずったりしながら集めていく。
やっぱり、この荷物jが邪魔だよね。
先ほどいろんなお店で買いあさったグッズなどが入っている袋は先ほどからコンクリートをチラシを拾う度に擦れる。
ああ、何やってるんだろう私……
そう思っていたとき、私の前にハヤテの如く一人の女性が姿を表す。
右手には私が今まさに集めているはずのチラシが握られていて、表情は無表情ながらも美人のその人の服装はなかなかのものだった。
メイド服であるのに掛からわず少し改造をほどこしたものなので足がスラリとミニスカートから伸びている。
そして可愛い。
そんな彼女からチラシを受け取る。
「大変だね」
そう言われたところで決めた。
行くメイド喫茶はこの人のところにしよう。
よし、私はなんとなく気合を込めると、その女性に案内してもらってメイド喫茶に向かった。




