男の女⑥
「美佳さん、いいかしら」
お昼が始まってすぐに悠里が教室にやってきた。
そして私を指名すると、手を引いて教室をでようとする。
私はただお弁当箱を持ったまま連れられることになった。
行き先はどうやら生徒会室のようで私はなんとなく展開がよめる気がする。
というよりも前の学校では優秀すぎるため、部活に所属するということもできずに生徒会に入らされて、だけどカリスマ的なものが私にはあるのか学校はいつもよりも盛り上がったといろんな先生に褒められた。
そう、前の学校で生徒会としてしたことはいくつか挙げられて、例えば……
と頭の中で考えていると、本当に生徒会室に連れてこられる。
「ごめんな、美佳」
そして生徒会室の前で悠里に謝られた私はただ苦笑いした。
「失礼します。」
そう声をかけて教室に入っていく悠里に続いて私も生徒会室の中に入ると、机が一つあり、そこに朝知った生徒会長である雅人君が座っていた。
ご飯をパクパクと食べながら何か資料を読んでいるらしく、学生なのにさまになっていた。
そして一息ついたのか、持っていたお箸と資料を置くと、立ち上がってこちらに向き直る。
「いらっしゃい、生徒会へ。えっと、悠里さんが誘いたかった役員の人ってこの人?」
「はい、今学期から転入してきたいとこの小野田美佳さんです。」
「ご紹介に預かりました、小野田美佳です。悠里の言った通りです。たぶんここ以外のところだと前みたいに先生を困らせてしまう可能性があるので今日からお願いしてもいいですか?」
「ああ、こちらこそお願いする。」
社交辞令のように挨拶をした私に対して雅人君はというとかなり戸惑ったような表情をしている。
なんでだろうと思っているとその原因はやってきた。
「いやっほー」
豪快に扉を開けてまた一人入ってくる人がいる。
しかも異様にテンションが高い。
うわー、なんとなく合わないような予感がする。
そう頭で処理しながらも表情にはださない。
私はいつもよりも気合の入れた笑顔を作ると、その入ってきた男に向けて挨拶を行う。
「こんにちは、今日からこの生徒会でお世話になります、小野田美佳です。よろしくお願いします。」
「あー、よろしくねー」
その男はというと単純に笑ったまんまでこちらに軽く返してくる。
やっぱり断ったほうがよかったのかな?
自分の中で後悔の念にかられながらも心の中だけでため息を漏らした私は、少し頭痛を覚えたのだった。




