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少しのラブとただのオタクとそんなラブコメ  作者: 美海秋
こうなればいいのにと思っている私がいただけどそうはならない
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男の女④

心配というのももしかして前みたいにお風呂でのぼせているのかもと思われていたようだった。

本当に私のせいで迷惑をかけています。

ごめんなさい。

心の中で謝ったところでこれみよがしに私は紙袋に入っていた他の服を取り出した。

そしてそれを一人ずつに私ていく。

その後は言うまでもないと思うけれど、ちょっとしたファッションショーみたいになって私たちは少し騒いだ。


夜も少し更けた頃。

私の荷物をみんなで新しい部屋へと運んでいった。

「けっこう広いんだねー」

その部屋の中をみた乃絵ちゃんが少し驚いたようにそう口にして悠里と舞姉が頷く。

「前にここでかくれんぼしたことあったなー」

そして舞姉がそうしみじみ呟いたのを聞いて私と悠里はうんうんと頷いた。

そう小さい頃はこの物置の中の物に入って隠れんぼをして遊んでいた。

そんな懐かしい場所で寝たりできるのは少し嬉しかった。

その日ははやめに布団に入って寝ていた。

明日からもお弁当なんかを作るために……

いつものように朝目覚ましがなる前に目を覚ました私はここが新しい部屋だというのを確認して早速カーテンを開けると気合を一ついれて部屋を出て行った。

この日もいつものように朝ごはんとお昼のお弁当を作っていく。

そして乃絵ちゃんと悠里と一緒に学校に向かった。

「ふぁ……」

思わずというようにあくびをこぼす乃絵ちゃんに私は笑いかけてから悠里と一緒に校門をくぐった。

「それじゃ私は生徒会の仕事あるから」

悠里は少し厳しめの口調でそう言うとさっさと歩いて行ってしまう。

うーん、一人になっちゃったな。

そんなことを考えてから少しゆっくりと歩く。

実はこの学校に転入してきたのはいいけれど学校の周りなどがどうなっているのかを全然知らなかったのだ。

だからこそ学校の広い敷地の中を歩いて行く。

伝説の木とかないのかなー。

そんなことをぼんやりと考えていながら歩いていると自転車置き場から歩いてきた男子生徒と目があった。

そう、この学校では校門の近くに自転車置き場があるのではなくて校舎の近くに自転車置き場がある仕様なのでグランドの周りをぐるりと自転車で回ってから向かう必要がある。

っとそんなこより私は目の前から来た男子生徒に見覚えがあった。

そうそれも昨日あったばかりだった。

あの時の男……

あの美少女になっていた男の子じゃないのかな。

ううん、絶対そうだ。

私が見間違えるはずないもん。

そう頭の中で考えて、目の前の男子生徒をただ凝視していた。

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