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少しのラブとただのオタクとそんなラブコメ  作者: 美海秋
こうなればいいのにと思っている私がいただけどそうはならない
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こ、こんなのって④

「美佳ー。美佳ー」

誰かに名前を呼ばれている気がして跳ね起きる。

跳ね起きたところで自分がお風呂の中で寝ていたことに気がついた。

今すぐにお風呂を出たいのをなんとか我慢して口の中でもごもごとチェンジを唱えるとお風呂から体を出してすっ転んだ。

「わひぃー」

ドスンと音がなる。

頭がクラクラする。

なんだかボーッと……

そこで私は意識を失った。


頭にふよふよと気持ちいい感触があるのを感じてゆっくりと目を開ける。

なんだろう、頭が本当にぼんやりする。

体を起こそうとしてそれができないのを感じた私はとりあえず状況を把握するために上を向いた。

「ふぁにゅ……」

思わず変な叫び声をあげそうになるのをなんとかこらえる。

だってそこには悠里の顔があった。

なん……だと……

なんで寝ている悠里の顔があるの?

ここまでにいたった自称が理解できずに困惑しながらもなんとか頭で考える。

そういえばさっきまで?どこか温かい場所にいたような気がする。

そう全身があったまる場所にいたような……

うーん?

そこで自分の体の違和感に気づく。

先ほど実は体を起こそうとしたときに上にかかっていたタオルケットを落としてしまったのだけど、それから妙に体がスースーするような気がする。

ってそうか……

私服を着てないんだ。

だからスースーするんだ。

っていうことは私はさっきまでお風呂に入っていたっていうことじゃないのかな?

そうだね。

思い出してきた。

確かお風呂場で男になってみてどんなものかとお風呂に浸かっているとそのまま寝てしまって、そして起きて女になったのはいいものののぼせていたから倒れたような……

おうふぅ……

私の裸をみんなに見られたってこと?

めちゃくちゃ恥ずかしい。

頭の中で色々と考えているうちに体は活性してきたのか少し動くようになっていた。

ゆっくりと寝ている悠里を起こさないようにして体を起こすと着替えを取りに向かった。

あ、ちゃんとタオルケットは体に巻いてるよ。

そう簡単にサービスショットは流さないんだから。

そんな頭の中で変なことを考えたところで頭が冷えて気持ちいいことに気づく。

あ、冷えピタ貼ってある。

思わず懐かしいと思ってしまったそれはみんなも知っている冷えピタシートで私のおでこをほんのりと冷やしていた。

悠里がやってくれたのかな?

思わず少し笑顔になる顔を隠しながら私は服を取りにフラフラと歩いて行った。

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