戻ってきました
「おう、雅人じゃねぇか?」
「おう、久しぶりなんかあったのか?」
どうやら二人の知り合いらしく、守ってくれたのかどうかは今の時点ではよくわからない。
というよりも二人とぐるで何かやってこないか不安の方が大きかった。
距離をとるように後ずさろうとすると、その男の子もその先輩と呼ばれる人を押し出すように前にやってから、ぼそりと何かを呟く。
「何、まじかよ」
「それは行ってみねーと……」
すると二人は何か慌てたようにその場を去っていった。
残ったのは電車が来なくて困っている私と、先輩達を撃退した男の子という図。
どうやら本当に助けてくれたらしい。
「ありがとう」
感謝の言葉を述べたところで男の子の方は苦笑いを漏らす。
「すまないな、ああいうことするとは思わなくてさ。」
「ううん、いいですよ。ちょっとは気にしますけど、ああいう人たちがいることは知っていますから。」
「あはは、確かにああいうのは鬱陶しいよね。」
そう言って男の子は何故か遠い目をする。
その時だった。
「見つけましたわ」
「やばい」
その声を聞いた横にいた男の子は焦ったようにその場を立ち去った。
「な、何が起こっているんだろう?」
そして訳がわからないまま、私は電車を待つことになった。
「おーい、美佳」
伯母さんの子供さんである舞姉が車で私のことを迎えに来てくれたみたいで、こちらに手をブンブンと振っている。その横では乃絵ちゃんが恥ずかしそうに俯いていた。
うーん。
やっぱり舞姉の揺れるお胸は眼福です。そして恥ずかしがる乃絵ちゃんをペロペロしたいわー。
そんなことを心中で思いながら、私は少し駆け足で二人の方に向かう。
「それじゃ、お願いしまーす」
車に乗り込んだ私は舞姉の隣に座る。
「お疲れ様ー」
「ありがとう」
「電車大丈夫だった?美佳おねえちゃん」
「大丈夫だったよー」
心配そうにきいてくる乃絵ちゃんに悪気はないんだけれど、少し昔のことを思い出してしまった。
そう中学生になって始めて一人で同じように電車に乗って伯母さんの家に遊びに行った時にこっちの電車は自動でドアが開くことがなくて自分でドアを開けないといけないのを知らなくて舞姉から心配の電話がかかってきたことがあった。
というのを乃絵ちゃんも知っていたからこうやって電車でくるときは毎回心配してくれる。
本当に乃絵ちゃんは妹で可愛い。
ぐふふ、よし帰ったら一緒に寝てやる。
ごふごふ……
頭が煩悩に包まれすぎている。
そんな変な妄想を頭の中で繰り広げている間にも、私は笑顔で頷いている。
私のこんな内面を知る人がいつかいるのだろうか?
そんなことを思いながらも初心者マークをつけた車。
舞姉が運転する車が順調に進んでいた。
どんどん更新予定