5話 1日目の5
20万アクセス、ユニーク5万人、お気に入り3000件突破と、自分でも信じられない結果を出せました。
まだまだ頑張っていきますので、今後もよろしくお願いします。
「そういえば、2人の主職業はなんですか?」
紅はそう質問してきた。
「私の方は『足軽』だよ」
「私は『魔法使い』」
「え、足軽ですか!?すごーい!足軽って、今200万は居るプレイヤーの中でも、たったの100人位しか居ない、超レアな主職業なんですよ!」
「へぇ、そうなのかい?でも、どうやってそんな情報を?」
「あれ、『アリスレ』見てないんですか?」
「「 アリスレ? 」」
紅に説明を頼んで、分かったことは…
アリスレ、正式名称『ALICE ONLINE 3 THREAD』。
様々な『ALICE ONLINE 3』の話をする、プレイヤー達の情報交換所。
なんと、AIを搭載されているNPCもスレに現れるらしい。
NPC達も会話に混ざって、雑談したりもするようだ。
キャラクターの名前で書き込むことが必要なので、危ない発言をしたら運営に通報される事もあるとか。
「今話題の掲示板はですねぇ…『俺氏のリアルタイムVRMMO報告記』とか、『リアルでも魔法使いなのにVRMMOでも魔法使いになった俺』とか!」
「後者は悲しい名前のスレだねぇ…で、そのスレで話題になったのが、足軽の少なさ?」
「そうなんですよ…他にも、『魔物使い』とか、『変龍士』とか?」
変龍士とは、龍になって戦闘できる主職業の事らしい。
最初は30秒位しか連続で変身できないが、使い続ければ1時間は変身できるとか。
「色々居るんだねぇ…あ、紅さんは?」
「私ですか?私は『盗人』ですよ」
腰に付けていた鞘からナイフを取り出して、ペン回しの様にクルクルと回す。
「武器は接近戦用の大きなナイフと、投擲用の小さなナイフです」
「投げナイフなんてあるのねぇこのゲーム…そういえば、さっきスライムをフミちゃんが倒したんだけれども、ドロップアイテムとかはどうやって見ればいいのかしら?」
「ドロップアイテムですか?ウィンドウを開いて、アイテム欄を見ればいいですよ。素材ボックスを見てください。あと、食材も得られる可能性がありますから、食材ボックスもこまめに見てくださね~。ボックスから出さない限り腐らないけど、多すぎると消費するのが大変ですからね」
早速自分のアイテム欄から、素材と食材のボックスを開いて見る。
ブルースライムゼリー:レア度1
説明:スライムのゼリー部分。これ自体はあまり使い道は無いが、武器や防具を作る際に合わせると、そのスライムと同じ属性が付く事がある。このゼリーの場合、水属性が付く事がある。
スライムの核:レア度6
説明:スライム系モンスターに必ず存在する核。核に攻撃を当てたうえで倒すと極稀に落ちる。使い道として、武器や防具に合わせる他、食材としても使える。一般的な調理法は、砕いて煮込んでスープにする方法で、とても美味しいらしく、非常に高価。
「スライムゼリーと、スライムの核があったよ」
「え、スライムの核!?1万で売れる高級食材を1発ドロップですか!?あーもー、足軽ってだけでも凄いのに高級食材1発ドロップだなんてずるいです…」
「あ、えーっと…紅さん、1万って、この世界だとどれくらいの価値があるんだい?」
「食パン1斤50G…あ、Gってグラって読むんですよ?で、アインズの武器屋で1番いい武器が20000Gです。初期武器の3倍近い性能なんですよ!」
「最初に持っていたお金が1000Gだったか…結構凄いものを手に入れたんだなぁ…」
「流石はフミちゃんね~。で、売る?食べる?」
「…食べようか。折角の高級食材だ。紅さんも一緒に食べる、いや、飲むかい?スープ」
「え、良いんですか!?」
紅さんが眼を輝かせて近づいてくるが、すぐにしょんぼりとする。
「スライムの核のスープって、1杯3000Gは確実に取られる料理だし…そ、そんなお金無いです…」
「良いんだよ。あ、台所って何処かで借りられるのかい?」
「あ、はい。プレイヤー用の作業場があって、そこで借りられます。そこで飲食も可能です」
「そうか。サクラ、今日の遠征は早めに切り上げて、街で食材を買おう。可能ならスープに入れる食材なんかも聞ければ良いんだけどねぇ」
「そうねぇフミちゃん。スープにはパンが良いかしら?あと野菜はちゃんと食べないと駄目だから、サラダでも作りましょうか。紅さん、私達はあんまり街のお店とか知らないから、案内してもらっても良いかしら?」
「は、はい!私も頑張って、この遠征のお手伝いしますね!!」
「うん、頼りにしているよ。さて、たくさん話して休んだ事だし、次はサクラが敵を倒してみるかい?」
「そうするわね。えーっと、あれ辺りが良いかしら?」
コボルト:LV3
1m程の犬が二足歩行で立っている様な姿の魔物を発見する。
手は人に近く、しっかりと小さな金属のナイフを握っている。
「コボルトですね。たまに革装備のコボルトが居るんですけど、今回のは一番貧弱な装備のコボルトです」
「あら、運が良かったのね、私。それじゃあ、初めての魔法、いってみましょうか」