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4話  1日目の4

たくさんの感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます。

5万アクセス、お気に入り1千件突破しました。

今後も頑張っていこうと思います。

スライムを斬る為に走り出す。

この辺りの敵はノンアクティブ…こちらから攻撃しなければ何もしてこない。

ドスを構え、叫ぶ。


「喰らいやがれ!」


核目掛けてドスを突き出す。

赤い核にドスが届いたようで、上のほうに浮かんでいるウィンドウに新たな文字が。


『急所に突きをヒットさせる事に成功しました。スキル『急所突き』を入手しました。このスキルは敵の急所への攻撃が成功した時に発動し、威力を1.5倍にします。このスキルは剣や槍を装備している時のみ使用可能です』


スライムのHPバーが半分ほど空になったのを確認し、少し離れる。

急所突き、か…結構使い勝手は良さそうだ、今後も使い続けよう。


などと考えていたら、スライムの体から矢が飛んできた。

青い透き通った矢が、膝に…当たりそうだから避ける。

まだ膝に矢を受けて冒険者稼業を辞めたくないからな。

また駆け寄って2連続で斬りつけると、HPバーが0になり、光の粒になって散った。


「お疲れ、フミちゃん」

「疲れた…という程でもないな。若い体は良いな」


腰も痛くならないし、体力もまだまだ余裕がある。

この調子なら、もっと行ける。


「あれ、次のLvまでの経験値ってどう見るんだ?」

「…説明書、全然見てなかったからね…わかんない」


説明書では最低限の事しか確認しなかったから、何も分からない。

かといって、ログアウトして確認するのも面倒だ。

どうしよう、と考えていたその時だった。


「あのー、すみませーん」

「ん、なんですか?」


振り返ると、別のプレイヤーが居た。

黒髪ポニーテールの女性だった。


「なんか悩んでるっぽかったので、声をかけてみたんですが、どうかしましたか?」

「あぁ、説明書を詳しく読んでいなくて…次のLvまでの経験値ってどうすれば分かるかな?」

「左上にHPバーとMPバーがあるでしょ?その下に薄く丸があって、黄色い丸ゲージが一周すれば次のレベルに上がるよ」

「あ、私は10分の1位溜まってる」

「俺は5分の1位かな。有難う」

「困ったときはお互い様、だよ。あ、私はくれない、高校2年生だよ。貴方達は?」

「フミ、78歳のゲーマーおじさんだよ」

「私はサクラ、フミちゃんと結婚している同い年よ」


紅がポカンと口を開け固まり、フミとサクラを交互に見る。

たっぷり10秒ほど考え込み、第一声。


「…嘘だよね?」

「いや、本当」

「話し方がなんかおじさんっぽく無いよ?」

「だって、折角若い体を手に入れたんだもの。ゲームの中くらい良いじゃない?」

「…実際にあった事件の話をするけどね。VRMMOで、おじさん達と同じくらいの歳の男の人が、女子高生と仲良くなって、現実で会おうって話になって実際に会ったら、『キャラと年齢が違いすぎる』って話になって、大喧嘩になって…」

「わ、分かった分かった。…こうでいいかね?」

「あ、おじさんっぽい」

「分かったわ。今からは歳相応の話し方にするわねぇ」

「こっちもおばさんっぽい」


どうやらVRMMOで実年齢より若いキャラクターを作ると、色々と大変らしい。

若い体に年寄りっぽい話し方は若干違和感を感じるが、この際は気にしないことにしよう。


「じゃあ改めて、私の名前はフミ、78歳のおじさんだよ。気軽におじさんとでも呼んでくれ」

「私はサクラ、78歳のおばさん。私もおばさんと呼んでいいからねぇ」

「退職後ってことですよね…良いなぁ、ゆっくりこのゲーム出来て」

「どういうことかね?」

「あ、説明書あんまり読んでいないんですよね」

「気軽に話しかけてくれた方が、こっちは気分的に楽だから、さっきみたいな感じで良いんだよ?」

「あ、はーい。えっとですねぇ…」


話を纏めると。


1:20歳未満の人がプレイできるのは連続2時間…ゲーム内で10日まで

2:20歳以上であり、大学に通っていたり会社に勤めている人は連続3時間…ゲーム内で15日まで

3:20歳以上であり、職についていない人は連続6時間…ゲーム内で30日、1カ月まで


この範囲内でプレイが出来るらしい。

理由としては、やはり学業や勤めている仕事を忘れたりしないように、と言うのがあるようだ。

確かに、最大で1カ月もゲーム内で楽しく過ごしたとしたら、勉強内容なんてサッパリ忘れていそうだ。


「羨ましいなぁ…高2って色々大変なんですよ…」

「なぁに、それも含めて青春ってものだ。老後は長いが、青春時代は短い。ちゃんとお友達と仲良くするんだよ」

「うぅ、年上に言われると説得力が高い…あ、もし良かったらフレンド登録しません?お互いがログインしているか分かるし、メッセージとかで遠くに居ても誘ったり出来るから」

「あら、良いわねぇ。フミちゃん、どうする?」

「良いんじゃないかね。紅さんは良い人そうだからね」

「じゃあ、フレンド登録、しましょうか。これからも宜しくねぇ」

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